【監修:青山健一】
目 次
歯科矯正をしたいのに見た目が気になってできない、そんな人も多くいます。
口を開けた時に矯正装置が見えるのがいや、となかなか歯科矯正に踏み出せず、結果噛み合わせがうまくいかないままということもあるのは問題です。
しかし、そういった悩みはクリアアライナーを活用することで解決できます。
この記事では、クリアアライナーの特徴やメリット、デメリットなどを詳しく解説していくため、気になるようならぜひ歯科医師へ相談してください。
クリアアライナーの特徴
クリアアライナーの特徴は、透明であるという点です。マウスピースの一種であり、歯並びを矯正する装置になります。
透明度が高く、一見するだけでは装置を付けていることがわからないために見た目を気にして歯科矯正に踏み切れない人にはおすすめです。
また、クリアアライナーは取り外しが可能なため、食事中や歯磨きのときなどに外せばきれいに洗えます。
クリアアライナーのメリット
歯科矯正には、いくつかの種類があります。その中でもクリアアライナーを選ぶメリットとはどのようなものかを知っておくことで、より選択の幅が広がります。
そもそもクリアアライナーは、マウスピース治療の一環です。歯列矯正の際にクリアアライナーを装着することで、矯正治療を行います。
どのようなメリットがあるのかを治療前に知っておくのが大切です。クリアアライナーのメリットをわかりやすく解説していくため、検討する際の参考にしてみてください。
透明で目立ちにくい
クリアアライナーは、透明で目立ちにくいというのが大きな利点です。
マウスピースの一種であり、装着が簡単な矯正装置で透明度が高くて気づかれにくいのが特徴です。
そのため、外から見ただけでは、よほどじっくり見ない限り矯正装置を付けていることがわかりません。
見た目にこだわってどうしても歯科矯正に踏み切れなかった、という人はぜひ装着してみてください。
痛みや違和感が少ない
クリアアライナーは、痛みや違和感が少ないのも大きなメリットです。
従来のワイヤー矯正であれば、見た目も気になりますが装着したときに違和感がかなりあります。
食べ物をうまく噛むことが出来なかったり、話す言葉に違和感があったりします。
ブラケットの部分が口腔内を傷つければ、口内炎になる可能性も高いため注意が必要です。
しかし、クリアアライナーではそのようなことがなく、違和感が少ないために食べ物を噛むときや話をするときにも支障がありません。
もちろん言葉を話すことにも、まったく妨げになることはないため発音もいつも通りです。
保定装置として利用できる
歯科矯正の際には、最後に保定装置を付ける必要があります。例え矯正治療が終わっても、歯が元の位置に戻ろうとするからです。
歯が安定するまではなんらかの装置を装着する必要がありますが、最後で目立つ装置を付けるのは嫌だという人も多くいます。
そこで、透明なクリアアライナーを付けることによって、見た目を美しく整うようにできます。
クリアアライナーはそのまま保定装置として使うこともできるため、違和感なく歯の保定を行うことが可能です。
クリアアライナーに適応する歯並び
クリアアライナーは、適応する歯並びがそう多くはありません。なぜなら、クリアアライナーは矯正治療と同時に、歯並びを美しくさせるものだからです。
奥歯を大きく移動したり、前歯の二重歯列を治したりといったことは非常に難しいといわざるを得ないのです。
また、歯を抜歯したり大きく移動してみたりといったことが難しいというのもあります。
どのような歯並びに向いているのか、クリアアライナーが適応する歯並びをみていきましょう。
すきっ歯
クリアアライナーが適応する歯並びの1つは、すきっ歯です。
歯と歯の隙間が空いていて、歯並びを少し矯正するだけで良い場合、クリアアライナーと相性が良い歯並びです。
隙間が大きすぎて移動が多くなってしまう場合には不向きですが、比較的移動が少ないのであれば効果的に治療ができます。
軽度な叢生
軽度であれば叢生もまた、クリアアライナーに適応しています。
歯列のちょっとした移動や、矯正の後戻りなどに適している治療法です。そのため歯がでこぼこになっている叢生も、適応症例です。
ただし、軽度な場合に限ります。重度になってしまうと移動範囲が広くなり、クリアアライナーでは対応できません。
クロスバイト
クロスバイトとは、咬合が交叉している状態のことをいいます。上下の歯が一部分だけ、逆になっている状態です。
放っておくと見た目も悪いし、噛み合わせもよくありません。そのため、歯列矯正で治す必要があります。こうした、クロスバイトでもクリアアライナーで適応できます。
クリアアライナーのデメリット
クリアアライナーには、メリットばかりではありません。
メリットばかりに目を向けていると、必要な時に受けられなくなってしまうこともあるため注意が必要です。
クリアアライナーを装着するためには、デメリットにも目を向けるのがポイントです。どのようなデメリットがあるのか、詳しくみていきましょう。
適応する歯並びが限られる
クリアアライナーでは、適応する歯並びが限られてしまいます。
対応できる歯並びではあっても、軽度の場合は問題ないですが、重度になると対応できなくなることもあります。
なぜなら、歯の大掛かりな移動ができないからです。クリアアライナーで対応できる範囲は狭く、矯正できる歯並びは多くはありません。
ただし、矯正できる範囲内であれば、非常に効果的なのは確かです。
奥歯の矯正には向かない
クリアアライナーは、奥歯の矯正には向きません。そもそもが歯を大幅に移動させることができないため、奥歯を移動させることもできないのです。
そのため、不正咬合や反対咬合など、多くの症状に効果がありません。とはいえ、前歯を少し移動する程度の症状であれば、周りに知られることなく対処できます。
クリアアライナーと併用する治療方法
クリアアライナーだけでは、対応できない症状は多くあります。
歯並びを治すということは簡単なことではなく、見た目ばかり重視していると、本当に必要な治療を受けられなくなってしまうこともあるため注意が必要です。
しかし、クリアアライナーと別の矯正治療を併用することで、対応できる範囲を広げることは可能です。
どのような治療が併用できるのかを、詳しくみていきましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる装置にワイヤーを付け、歯を動かす矯正治療です。
昔からある治療方法で、対応できる症状が多いのも特徴です。
ワイヤー矯正は前から装着するものや、歯の裏側から装着するものなどさまざまなものがあります。
そんなワイヤー矯正と、クリアアライナーを併用することで、美しい歯並びを手に入れられます。
歯を大幅に移動させられるワイヤー矯正をはじめにしておき、最後に歯を美しく整えられるクリアアライナーを装着してください。
2つの治療方法を併用することで、1つずつの時よりもさらに対応できる症状が増えたのは良いところです。
床矯正
床矯正とは、床矯正装置を使った矯正治療方法です。顎を広げて他の歯が入るスペースを強制的に作ることによって、でこぼこの歯を治療ができます。
適応できる歯並びは多くはありませんが、適応できたなら効果は大きいです。
そんな床矯正治療とクリアアライナーを併用することによって、最終的に見栄え良く美しい歯並びを手に入れられます。
クリアアライナーの費用相場
クリアアライナーは、治療するべき歯並びによってかなり費用が変わってきます。
具体的には、矯正治療が片顎の場合はおよそ20万円から50万円です。
マウスピースは4装置で、20万円程度かかります。装置に追加が必要であれば、1台が約3万円程度で作ってもらえます。
もちろん、幅が広いだけではありません。幅が広いのは、どのような症状を治療するかによって違うからです。
両顎の治療が必要であれば、30万円から80万円程度必要になることを、覚えておきましょう。
その他諸費用として、精密検査や診断料、調整量などが必要になります。
何に費用がかかるのかは、病院や歯並びにもよって違ってくるためひとまず専門の歯科医師へ相談しましょう。高額になるのは、保険適用ができないためです。
したがって、ある程度平均的な費用はわかりますが、正確な費用を知りたければ行きつけの歯科医院に連絡する必要があります。
また、病院によっては諸費用でかなりの金額が必要なる場合もあるため、事前にどの程度費用が必要なのかを知っておくことが肝心です。
さらに足りないことも考えられるため、現金は多めに持っておくことをおすすめします。
クリアアライナーの疑問は歯科医に相談しよう
クリアアライナーの疑問は、歯科医師に相談しましょう。今時ネットで調べればわかりそうなもの、と思うかもしれません。
実際にネットで調べられた、という人も多いはずです。しかし、例えば虫歯や歯周病のリスクや治療中の痛みなど、歯列矯正が初めてであれば戸惑うことも多くなります。
そんなときには、迷うことなく歯科医師へ相談してください。相談は無料で受け付けているという歯科医師も多くいるため、必ず相談するようにしましょう。
疑問を持ったままでの治療開始は、良い結果にはならないからです。
まとめ
歯列矯正をするための器具は、ワイヤーなどの目立つタイプが多いです。そのほか、口の中に治療装置を付けるため清潔に保つなどに注意してください。
クリアアライナーは、装着しても目立たない装置です。そのため、通常の歯列矯正以外でも最後の仕上げとして使われることが多くあります。
基本的に食事や歯磨きのときには外している事が出来る装置のため、着ける人も多くなっています。
クリアアライナーは見た目を気にする人や、矯正治療が目立つのは好きじゃない、という人であればおすすめです。
外見の美しさを気にする人には、ちょうど良いといえます。ただし、必ず専門の歯科医師と相談するようにして下さい。
適応症例は少ないですが、もしクリアアライナーが適用できる歯並びならぜひ試してみましょう。