【監修：青山健一】
目 次
歯並びが気になって歯列矯正治療を考える方は増えてきています。
しかし、20代だともう矯正治療ができないのではないか、矯正治療の装置が目立って恥ずかしいなど、治療を諦めてしまう方も多いです。
確かに成長期の子どもと違い、20代では歯列矯正治療に時間や費用がかかるといったデメリットはあります。
一方で20代であっても歯列矯正治療を受ければさまざまなメリットがあるのも事実です。
今回は20代で歯列矯正治療を受けるメリット・治療方法・費用について解説します。20代で歯並びでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
20代で歯列矯正治療を受けるのは遅いのか
歯列矯正治療といえば、子どもの頃に治療するというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
そのため20代になってから歯列矯正治療をしたいと思っても、躊躇してしまうかもしれません。
しかし、歯列矯正治療に年齢制限はありません。20代に限らず、30代や40代の大人でも歯列矯正治療は可能です。
20代で歯列矯正治療を受けるメリット
20代で始めるのは遅いと思われることも多い歯列矯正治療ですが、実は20代で治療を受ける場合には、子どもの矯正治療にはないメリットがあります。
どのようなメリットがあるのか、みていきましょう。
治療の計画が立てやすい
子どもの顎はまだ発達段階のため、歯列矯正治療と同時に成長していきます。
子どもの場合、発達に合わせた歯列矯正が必要になるため、予定通りに治療を進めることができなくなり大幅に予定が狂うことも少なくありません。
しかし、20代であれば成長の影響を受けることがないため、治療の計画が立てやすいというメリットがあります。
見た目のコンプレックスを解消できる
子どものときには歯並びはそれほど気にならないかもしれませんが、20代になると歯並びがよくないと見た目にも影響することから、コンプレックスに感じる人は少なくありません。
20代で歯列矯正治療をする最大のメリットは、ずっと悩んでいた見た目のコンプレックスを解消できることです。
20代での歯列矯正治療にかかる費用
歯列矯正治療は20代などの大人だけでなく、子どもの場合でも高額な費用がかかることが知られています。
治療費が高額になる理由は健康保険が適用されない自由診療に該当するためです。
健康保険が適用されるためには、病気を治すための治療であることが必須です。
しかし歯科矯正治療は歯並びをよくするための審美的治療であり、健康保険を利用する治療には該当しません。
歯列矯正治療には、主に下記の3つの段階に分けて費用がかかります。
治療前
歯科矯正治療を始める前に、精密検査をきちんと行い治療方法・期間・費用などを決めていきます。
なお検査費用も保険適用外となるためご注意ください。歯科医院によって検査・診断料はさまざまで、だいたい10,000円～50,000円程かかります。
歯科医院によって診断方法が異なりますが、虫歯のチェック・口腔内の写真撮影・レントゲン撮影・CT撮影・骨格の撮影など歯やあごの状態をチェックするための検査です。
検査の結果から、どのような矯正方法が適しているのか、抜歯や外科的治療が必要なのかを診断します。
また、カウンセリング費用は無料～5,000円程度かかるところが多く、矯正方法・治療期間・費用などの説明を受けたり、分からないことを質問したりします。
治療中
歯列矯正治療が始まると、矯正装置など治療に必要な費用がかかります。
歯列矯正治療費はおよそ10万～150万円かかり、部分的な矯正か全体矯正なのかによって金額は大きく異なります。
矯正装置の設置場所が歯の表側なのか裏側なのか、装置やワイヤーの素材によっても費用に差が出てくることは覚えておきましょう。
また、治療期間中は毎月1回ほど装置の調整・メンテナンスに通院し治療の状況をチェックしてもらいます。
調整・メンテナンスにかかる費用は、歯科医院によっては矯正治療の費用に含まれていることもあるため、治療前のカウンセリングでしっかりと確認しましょう。
治療後
歯列矯正治療が終わればすべて完了というわけではありません。
矯正治療で動かした歯が元の位置に戻ってしまわないように、保定装置を装着する「保定期間」が1～2年間ほど必要です。
保定装置にはワイヤータイプ・マウスピースタイプ・プレート型などさまざまな形状のものがあり、費用や耐用年数が異なります。
保定期間中は数か月に1度通院し、経過観察をしなければなりません。
保定装置費・保定観察料は矯正治療の費用に含まれていることもあり、歯科医院ごとに料金体系が異なるためカウンセリングの際に確認しておきましょう。
20代での歯列矯正治療で受けられる治療方法
一言で歯列矯正治療といっても、患者さまの状況に応じてさまざまな治療方法があります。
ここでは20代で受けられる一般的な治療方法をご紹介します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を取り付け、ブラケットに通したワイヤーで歯の位置を動かしていく方法です。
最も一般的な矯正方法であり、歯列矯正治療といえばワイヤー矯正と考える人が少なくありません。
ワイヤー矯正は幅広い症例に対応できる矯正方法であることから、難易度の高い症例でも治療に使われるケースがあります。
自分で取り外すことができないことから歯磨きがしにくく、装置が目立ってしまうなどのデメリットもあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、マウスピース型の矯正装置を装着する方法です。透明で目立たないだけでなく、自分で外したり装着したりすることができます。
食事や歯磨きのときに外せるだけでなく、デートや面接など大切な日にも外すことが可能です。
マウスピース矯正は矯正治療の進行や歯並びの状態に合わせてマウスピースを作り直す必要があり、その回数は個人差があります。
また、マウスピース矯正は取り外しが簡単にできることから、装着し忘れると矯正治療がその分長くなることは覚えておきましょう。
目安としては1日20時間以上は装着したままで生活するようにしてください。
部分矯正
部分矯正は、前歯など気になる部分だけを限定的に治療する矯正治療です。
装置は全体の矯正と同じように、ワイヤー・マウスピース・セラミックなどがあります。
部分矯正は矯正にかかる期間が短く、ほとんどの症例は1年以内に完了できるケースも少なくありません。
セラミック矯正
セラミック矯正はほかの矯正方法と異なり、歯を動かすことはありません。歯を削ってセラミックの被せ物を装着することで、歯や歯並びをキレイに見せる矯正方法です。
矯正治療というよりも審美治療であり治療期間が短く、痛みもありません。また、治療中の見た目を気にする必要がないのがメリットです。
しかし、健康な歯を削らなければならず、被せ物をすることで虫歯や歯周病のリスクが上がるなど、デメリットをしっかりと理解した上で治療を検討してください。
歯列矯正治療で歯科医院を選ぶポイント
歯列矯正治療は高額な費用がかかり、長期間にわたって通い続けなければならないことから歯科医院選びが大切です。
後悔しない矯正歯科選びをするにはどうすればよいのかポイントを解説します。
受けられる治療内容
歯科医院には虫歯などの治療をするための一般の歯科医院と、歯列矯正治療に特化した専門の矯正歯科医院があります。
一般の歯科医院でも矯正治療に対応している歯科医院もありますが、機材が揃っていて症例も豊富な矯正歯科医院での治療がおすすめです。
立地
歯列矯正治療は、長期間にわたって通院を続けなければなりません。
通うのが面倒だと、ついつい足が遠のいてしまい、必要な定期的な調整・メンテナンスに行かないということが起きてしまうかもしれません。
そうなると、不具合が生じて結果的に治療期間が長くなり、費用も多くかかります。家から近く、通勤途中でも気軽に立ち寄れて通いやすい歯科医院を選んでください。
口コミ
一般的な歯科医院であれば、周囲の人から評判を聞きやすいですが、歯列矯正治療だと周囲にそれほど多くの経験者がいるとは考えにくいです。
そうなると、インターネットなどの口コミを参考にするのもおすすめです。
歯列矯正治療についての不安は、無料の矯正相談をご活用ください。
20代で歯列矯正治療を受ける際の注意点
歯列矯正治療には年齢制限がなく、20代だからといって問題が生じるわけではありません。
しかし、成長の途中段階にある子どもの歯列矯正治療と比べると、注意しなければならないこともあります。
ここからは20代で歯列矯正治療を受ける際の注意点を解説します。
抜歯の可能性が高くなる
歯列矯正治療は歯を動かして歯並びを整えますが、乳歯から永久歯へと生えかわる時期であれば、歯を動かすためのスペースを確保しやすい状態にあります。
しかし、永久歯が生え揃った大人の場合は、歯を動かすためのスペースが限られてしまいます。
歯を動かすスペースを確保するために、抜歯が必要になる可能性が高くなるのです。
外科的矯正治療となる場合がある
顎が成長過程である子どものときの歯列矯正治療だと、成長をコントロールしながら治療をすることが可能です。
しかし、20代ではすでに顎の成長が止まっているため、歯列矯正治療のためにコントロールすることができません。
上顎と下顎のバランスが整っていない場合には、外科的治療が必要になることもあります。
20代からの歯列矯正治療なら信頼できる歯科医院に相談
歯列矯正治療の広告が街中にあふれ、どこの歯科医院を選べばよいのか分からないといった声は珍しくありません。
口コミなどで気になる歯科医院があれば1か所だけでなく複数の歯科医院で説明を聞きましょう。
症例が豊富で丁寧な説明をしてくれる信頼できる歯科医院で治療を受けるのがおすすめです。
20代で矯正治療を検討中の方はぜひ専門の歯科医にご相談ください。下記のリンクから無料の矯正相談の予約ができます。
まとめ
20代で歯列矯正治療を受けるメリット・治療方法・費用について解説しました。
20代からの歯列矯正治療は子どものときと異なり、面接・就職・結婚などをきっかけに矯正治療を始める人も多くなってきました。
その一方で職種によっては矯正装置が目立ちやすいことを危惧して治療に踏み切れない方も多くいます。
20代の歯列矯正治療はライフスタイルに合わせて自分に最適な方法で治療ができるというメリットもあります。
どのような矯正方法があるのか事前にチェックした上で歯科医院で相談し、信頼できる歯科医院で歯列矯正治療を受けてください。
1965年 広島県呉市生まれ
