【監修:青山健一】
目 次
気になる歯並びを治したくても、矯正装置が目立たないかが気になって踏み出せない…という人も少なくありません。
せっかくの矯正治療も、見た目が気になってストレスになってしまうのは辛いですよね。そこで、ワイヤーが目立ちにくい裏側矯正という選択肢も検討するのがおすすめです。
とはいえ、通常の表側の歯列矯正に比べると裏側矯正は費用が高くなるイメージがあります。実際のところ費用を抑える方法はあるのか、知っておきたいところです。
そこでこの記事では裏側矯正の特徴を踏まえ、どんな人におすすめか・費用相場・裏側矯正を安く受ける方法・治療の流れを詳しくご紹介します。
裏側矯正は安くできる?
裏側矯正は表側矯正に比べるとどうしても費用が高くなります。しかし、裏側矯正であっても部分的に行うことで費用を抑えることは可能です。
気になる歯並びが前歯だけ、などの場合であれば部分矯正にすることで全体的に行うよりも格段に費用を抑えられます。
また全体の矯正の場合でもハーフリンガル矯正と呼ばれる方法であれば、費用を下げることができます。
ハーフリンガル矯正とは、矯正装置が目立ちやすい上顎だけを裏側矯正にし、下顎は通常通りの表側矯正を行う方法です。
下顎は表側となるものの上顎側は矯正装置が外からほぼ見えないため、歯を出して笑った際にも格段に目立ちにくくなります。
部分矯正やハーフリンガルで安く治療できるかどうか、まずは専門医に相談して見積もりを出してもらうこともおすすめです。
裏側矯正の特徴
歯列矯正はワイヤーを利用したブラケットと呼ばれる矯正装置を使用します。通常歯の表側に装着するものですが、裏側矯正ではあえて歯の裏側に装着するのが特徴です。
表側矯正に比べ、矯正装置が目立たない・虫歯になりにくい・費用が高くなるという特徴があります。
下記に詳しくご紹介します。ぜひご参考にしてください。
装置が目立たない
裏側矯正は、文字通り歯の裏側に矯正装置をつける治療方法です。そのため、矯正装置が目立つ心配がありません。
普段の生活の中でも、誰かの歯の裏側が見えることはあまりないはずです。矯正装置も裏側に装着することで、歯を見せて笑っても気づかれにくいほど目立ちにくくできます。
ブラケットと呼ばれる矯正装置のワイヤーは主に銀色のものを使用するため、表側矯正の場合はまわりから見てもすぐに気付くほど目立ちます。
そのため、ブラケットの見た目が気になって矯正治療に踏み出せない人でも裏側矯正なら始めやすいためおすすめです。
虫歯になりにくい
矯正装置をつけていると、食べかすが詰まりやすい・歯磨きがしづらい・フロスがしづらいなどの問題で虫歯が増えやすくなります。
とくに表側矯正だと空気に触れやすく乾燥してしまうため、虫歯や歯周病の原因である細菌が繁殖しやすいです。
しかし裏側矯正の場合は表側と違って空気に触れにくいうえ、口の内側は唾液による自浄作用で殺菌効果があります。
そのため、表側矯正に比べ虫歯になりづらいというメリットが得られます。
表側矯正より費用がかかる
裏側矯正の費用が表側矯正に比べて高くなるのには理由があります。表側矯正以上に技術が必要で手間も時間もかかるためです。
歯の表面は裏と表で全く違っていて、裏側は表側のようにつるっとしておらず、かなりでこぼことしています。
ブラケットと呼ばれる矯正装置も自分に合ったものを作る必要があり、いわばオーダーメイド製品であるため、手間と時間がかかってくるのです。
そして矯正治療は歯の動きを先まで予測して、力のかけ方の調節をすることが必須となります。
裏側は表側よりも見えづらいため、歯の動きの予測をしながらワイヤーの調節を細かくしていくのには医師の技術力も高度なものが求められます。
裏側矯正を選ぶなら、信頼できる専門医のもとで治療を受けましょう。
裏側矯正がおすすめな人の特徴
表側矯正に比べてどうしても費用が高くなってしまうというデメリットもある裏側矯正ですが、外から目立ちにくいというのは矯正装置をつける上で大きなメリットです。
表側矯正と同じようにワイヤーを使用するため、しっかりと歯を動かすための力もかけられます。そこで、裏側矯正がおすすめなのはどのような人か、下記にご紹介していきます。
矯正してることを知られたくない
裏側矯正はワイヤーを使用した矯正装置を装着するものの、歯の裏側に装着するためまわりから見えてしまうことはほとんどないほどです。
矯正装置が目立ってしまうことで矯正していることが知られてしまうのが恥ずかしい、と考える人も少なくありません。
裏側矯正なら知られてしまう心配もかなり軽減されるため、ぜひ検討してほしい治療法のひとつです。
接客業
接客業などの仕事についている人にも裏側矯正がおすすめです。口元は想像以上にまわりからの印象に残りやすいパーツでもあります。
矯正をして歯並びが整うことで、今以上に好印象の口元を手に入れることが可能です。接客業などの場合は仕事にも好影響が期待できます。
とはいえ、矯正装置が目立つのは避けたいものです。接客中に相手の意識が口元にいってしまうことを防ぐためにも、ぜひ裏側矯正を選択肢に入れてください。
人前に出る予定がある
結婚式や成人式を控えていたり芸能関係の仕事をしているなど、人前に出る予定がある人にも裏側矯正がおすすめです。
歯の裏側に装着した矯正装置は、よほど大きな口を開けて覗き込みでもしなければほぼ見えません。
歯を見せて笑ったとしてもかなり目立ちにくいため、人前に出るときでも矯正装置を気にすることなく過ごせます。
裏側矯正の費用相場
裏側矯正の費用の相場は、奥歯を含む全体の治療の場合でおよそ100万~150万円程度、部分矯正の場合でもおよそ40~70万円程度です。
治療を受ける矯正歯科や期間によって多少の変動はあるものの、表側での矯正治療に比べると高額になります。
少しでも費用を抑えることを希望するのであれば、前歯などの気になる箇所だけに治療を施す部分矯正や、上顎だけを裏側矯正にするハーフリンガル矯正を検討してください。
とはいえ、歯並びや骨格には個人差も大きく、実際にどのような治療が適用できるかを自分で判断することは困難です。
裏側矯正をしたいけれど費用が心配…という悩みがあるならば、まずは専門医に相談しましょう。
下記のリンクからは専門医による無料相談の予約を行えるため、ぜひご利用ください。
裏側矯正を安く受けるには
表側矯正に比べて費用が高額になってしまう裏側矯正ですが、少しでも安くするための方法はあります。
前歯だけなど、とくに歯並びが気になる箇所だけに治療を施す部分矯正なら、奥歯を含む全体の矯正よりも費用を抑えることが可能です。
部分矯正では歯並びを整えきれず全体矯正が必要な場合は、矯正装置が目立ちやすい上顎だけを裏側矯正にするハーフリンガル矯正という手段もあります。
下記に詳しくご紹介します。ぜひご参考にしてください。
部分矯正
前歯などの目立つ部分だけを整えたいのであれば、部分矯正を選択することで費用を抑えられます。
部分矯正は奥歯を含まずに前歯だけを治療をするため、前歯がずれている・すきっ歯・軽度の出っ歯・軽度の乱杭歯などの人に適した治療法です。
対象範囲が部分的だと使用する装置などが少なくて済むため、全体矯正に比べてグッとコストが下がります。
ハーフリンガル矯正
奥歯を含む全体の矯正をする場合は、ハーフリンガル矯正にすることで費用を抑えることができます。
ハーフリンガル矯正とは、矯正装置が目立ちやすい上顎だけに裏側矯正を施す治療法です。
下顎は表側矯正を行うため、上下ともに裏側矯正にするよりもコストが下がります。
上顎だけでも矯正装置を裏側にすることで、歯を見せて笑ってもかなり目立ちにくくなります。
下顎側の装置が見えることもあるため完全に装置を隠したい人には物足りないかもしれませんが、目立ちにくければ十分という人にはおすすめです。
裏側矯正の治療の流れ
歯列矯正は治療内容によって流れも大きく変わります。裏側矯正の場合は、ポピュラーな治療法である表側矯正の治療の流れとほぼ同じです。
裏側矯正が適応できるかどうかも含め、まずは専門医の元でカウンセリングと検査を受けましょう。
その後は虫歯があれば治療をしてから歯のクリーニングを行い、矯正装置をつけるための準備を整えていきます。
矯正装置を装着したあとは、調節をしながら歯並びを整えていくため、定期的な通院が必要です。治療が終わったら矯正装置の撤去をし、リテーナーで保定します。
それぞれの流れについて、下記に詳しくご紹介していきます。
カウンセリング・検査
裏側矯正に限らず、歯列矯正をするためにはまずはカウンセリングと検査を受ける必要があります。
歯並び・噛み合わせ・骨格など個人差の大きい部分を確認しながら、最適な治療方針を専門医と慎重に相談していきます。
歯列矯正は治療期間も長く、主治医との付き合いも長くなるものです。カウンセリングでは治療内容だけでなく、安心して治療を任せられるかを考える機会にもしてください。
予測される費用や治療期間についてもこの時点で確認しておくのがおすすめです。
治療・クリーニング
本格的に歯列矯正のステップに入る前に、まずは虫歯や歯の汚れをなくしていきます。
矯正装置をつけてしまったあとは虫歯や歯周病になりやすく、なおかつ治療を行うのが困難です。そのため、この段階で必ずしっかりと治療する必要があります。
歯列矯正中は歯磨きがしにくくなり汚れもたまりやすいため、クリーニングも行います。
矯正装置の装着
レントゲン・歯型をもとに個人の歯並びにピッタリと合った矯正装置を作成し、歯の裏側に装着します。
裏側矯正の場合は、表側矯正以上に医師の技術力が必要です。先々の歯の動きを予測しながら慎重に調節していきます。
徐々に歯を動かしていくため、定期的に通院してワイヤーの調節を行なってください。長期戦になりますが、月に一度の定期検診にきちんと通って治療することが一番の近道です。
矯正装置の撤去・保定
歯並びが整ったらいよいよ矯正装置の撤去です。接着剤が残らないよう丁寧に外していきます。
矯正装置が外れるとそれまで引っ張っていた力がなくなるため、歯の位置が元に戻っていく後戻りが起こりやすくなってしまいます。
また、矯正治療の直後の歯は骨が通常よりも柔らかく、やはり後戻りを起こしやすい状態です。
せっかく綺麗になった歯並びを保つためにも、リテーナーとよばれる保定装置の装着をしましょう。
リテーナーは自分で取り外しや管理をする必要があります。医師の指示に従い、保定期間が終わるまではリテーナーを使用してくださいね。
裏側矯正の不安は歯科医に相談しよう
裏側矯正は目立ちにくいという大きなメリットがあるものの、表側矯正に比べて費用も高額になるうえに医師の技術力も問われます。
また、歯並びや噛み合わせには個人差も大きく、自分にあった治療法を選ぶには専門医の診察が不可欠です。
まずは矯正歯科で専門医に相談し、不安を解消して前向きに歯並びの治療ができるようにしましょう。
下記のリンクからは専門医による無料相談の予約を行えるため、ぜひご利用ください。
まとめ
この記事では裏側矯正の費用などについてご紹介しました。
歯列矯正は治療期間も長期にわたる場合が多く、矯正装置が目立つことは大きなストレスにつながります。
裏側矯正なら矯正装置をかなり目立ちにくくできますが、費用が表側矯正よりも高額なため、選べない人も多いのが現状です。
とはいえ、部分矯正やハーフリンガル矯正が適用されれば費用を抑えることもできます。
ご自身にとっての優先順位や予算も踏まえ、専門医とよく相談し納得のいく矯正治療を選びましょう。