【監修:青山健一】
目 次
これまで歯列矯正は、歯にワイヤーを装着する治療というイメージが一般的でした。
そのため、歯列矯正中の見た目に対してネガティブな印象を抱く方も少なくありません。目立つことに抵抗があり、治療を躊躇する方も多いです。
しかし、目立たない歯列矯正が登場したことで、歯列矯正はもっと身近なものになりつつあります。
歯列矯正をこっそり始めたい人にも適した目立たない歯列矯正について詳しく解説いたします。
目立たない矯正治療の方法
歯列矯正と聞くとワイヤー矯正を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、歯列矯正の方法はワイヤー矯正以外にもいくつかあり、目立たない矯正治療も主に3つの方法があります。
目立たない矯正治療はどんな方法なのか、3つの治療方法について解説いたします。
目立ちにくいワイヤーを使う
目立たない矯正治療のひとつめは、目立ちにくいワイヤーを使う方法です。ホワイトワイヤーと呼ばれる歯に近い色のワイヤーを使用していきます。
歯の表面に矯正装置を装着するという点では、治療方法は一般的なワイヤー矯正と同じです。
しかし、使用するワイヤーが歯に近い色であるため矯正装置の存在感が薄れ、一般的なワイヤー矯正よりも目立ちにくくなります。
ワイヤーを固定するブラケットも、歯に近い色にすることでより目立ちにくくなります。
裏側矯正
歯の裏側にワイヤーとブラケットを装着する裏側矯正も、目立たない矯正治療として人気です。
歯の表面ではなく裏側に矯正装置を装着するため、口内をよく見ない限りは他人から気付かれることはありません。
目立ちやすい上の歯を裏側矯正、下の歯は表側に装着する一般的なワイヤー矯正と、上下で使い分けることもできます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、マウスピース型の矯正装置を装着して歯並びを改善していく方法です。
アメリカで開発された透明なマウスピースを使用するインビザラインも、マウスピース矯正のひとつで日本でも人気が高まっています。
目立ちにくいだけではなく、取り外しが可能という点もワイヤー矯正にはないメリットです。
それぞれの矯正治療にかかる費用は?
それぞれの矯正治療にかかる費用は以下の通りです。
- 目立ちにくいワイヤー(ホワイトワイヤー):約60~100万円
- 裏側矯正:約100~150万円
- マウスピース矯正:約50~100万円
歯列矯正は自費診療であるため、クリニックによって費用が大きく異なります。
ホワイトワイヤーを使用する場合、一般的なワイヤー矯正と費用が変わらない場合もあれば、追加料金となる場合もあるため確認が必要です。
また、裏側矯正は、表側のワイヤー矯正と比べて費用が高くなる傾向にあります。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較すると安価な傾向がありますが、部分的か歯列全体かによって金額が大きく異なります。
クリニックによって、治療費以外にも相談料・検査費・調整費などの費用がかかる場合も多いです。
上記でお伝えした金額は目安として考え、治療の際は実際に必要となる費用についてしっかり確認しましょう。
目立ちにくいワイヤーを使うメリット・デメリット
目立ちにくいワイヤーを使用した歯列矯正は、目立ちにくさ以外にどんなメリットがあるのでしょうか。
デメリットと併せて、治療方法の特徴について解説いたします。
メリット
目立ちにくいワイヤーを使う歯列矯正の最大のメリットは、ワイヤー矯正のメリットを最大限活かしながら他人から気付かれにくいという点です。
ワイヤーの色が異なるだけで、治療方法は一般的なワイヤー矯正と同じです。
そのため、あらゆる歯並びに対応できる・歯の並べ方を細かく調整できる・症例数が多いなどのメリットがあります。
デメリット
目立ちにくいワイヤー矯正のデメリットは、ワイヤー矯正と同様に歯磨きがしづらい・食べ物がはさまりやすいなどが挙げられます。
また、一般的なワイヤー矯正よりは目立ちにくいですが、歯の表面に矯正装置を装着するため他人から見て気付かれる可能性も高いです。
目立ちにくいものの、ほかの治療方法と比べると矯正治療をしていることがわかりやすい治療方法になります。
複雑な歯並びの改善を重要視したうえで見た目に配慮したいという人に適した治療方法です。
裏側矯正のメリット・デメリット
裏側矯正には、一般的なワイヤー矯正とはまた異なるメリット・デメリットがあります。裏側矯正の特徴についてお伝えいたします。
メリット
歯の裏側に矯正装置を装着する裏側矯正は、他人から見て気付かれにくい点が最大のメリットです。
大きな口を開けない限りは他人から見てわかりませんし、外見上の変化もありません。審美的な影響を受けずに歯列矯正できます。
また、裏側矯正は歯を後方に引っ張る力が働きやすい特徴があります。そのため、前方に出た前歯を引っ込める治療がスムーズに運びやすいです。
デメリット
歯の裏側にワイヤーを装着するため、人によっては違和感がある可能性があります。
また、舌が傷つきやすい・滑舌が悪くなる・発音に影響を及ぼす・治療費が高額になりやすいなどのデメリットが挙げられます。
ワイヤーを装着した違和感は表側矯正でも起こり得るものですし、矯正装置に慣れていくうちに違和感は薄れるものです。
ただ、目立ちにくい一方で発音や滑舌に影響が出る恐れがあります。人前で話す機会が多い職業の方はデメリットを理解したうえで検討しましょう。
マウスピース矯正のメリット・デメリット
マウスピース矯正は、注目度も高く治療件数も増加傾向です。
ワイヤー矯正とはまた異なるマウスピース矯正のメリット・デメリットについてもしっかり理解しておきましょう。
メリット
マウスピース矯正の最大のメリットは、装置が目立ちにくく他人に気付かれにくいという点です。
また、装置を簡単に取り外せるため、TPOに応じてマウスピースの装着を中断することが可能です。歯磨きもしやすく衛生的なメリットもあります。
ワイヤー矯正と比べて痛みが生じにくく、違和感・不快感が少ないのもマウスピース矯正のメリットです。
デメリット
マウスピース矯正は取り外しが簡単ですが、マウスピースの装着時間が短いとその分歯の動きも遅くなってしまいます。
歯並びを改善するためには長時間マウスピースを装着する必要があるため、患者様本人のモチベーションに左右されやすい治療方法でもあります。
食事の際はマウスピースを外す必要があるため、気軽に飲食できない・紛失の可能性があるなどもデメリットです。
また、マウスピース矯正はクリニック間のレベルの差が大きい。歯並びの状態によっては、治療できないクリニックも出てきます。
マウスピース矯正が適応かどうかは、歯科医に歯並びの状態を診てもらう必要があります。気になる方は、無料の矯正相談を活用してみてください。
目立たない矯正治療の注意点
目立たない矯正治療は、他人の視線が気になるという患者様のストレスに配慮したメリットある治療方法です。
しかし、治療するうえで気を付けるべき点もいくつかあります。目立たない矯正治療の注意点についてもしっかり理解しておきましょう。
症状により治療法が限られることも
目立たない矯正治療は、症状により治療法が限られる場合があります。
前述でお伝えしたように、マウスピース矯正は歯並びの状態によっては、矯正できないクリニックも出てくるため、マウスピース矯正の症例数が少ない歯科医院ではほかの治療方法を選択する必要があります。
目立たない治療を第一優先に考える人も多いかもしれません。しかし、目立ちにくさだけで治療方法を決めてしまうのは危険です。
歯列矯正のゴールは「理想のきれいな歯並びを手に入れること」ですから、自分の症状に適した目立たない矯正治療を選択しましょう。
丁寧に説明してくれる歯科医を選ぶ
目立たないというのは、あくまでも主観で人によってその捉え方に違いがあります。
そのため、第三者が目立たないと思っても、ご自身にとっては気になってしまう可能性もゼロではありません。
歯列矯正は治療期間が長くなります。ストレスを抱えないためにも、患者様本人が納得できる治療を進めていくことが大切です。
目立たない矯正治療は、治療方法によってそれぞれメリット・デメリットがありますし、丁寧に説明してくれる歯科医を選びましょう。
納得いくまで相談でき、説明してくれる歯科医を選ぶことで、矯正治療中の不安や疑問も解消しやすくなるはずです。
目立たない方法で矯正治療したいなら専門医に相談を
歯列矯正の最大の目的は「歯並び・噛み合わせの改善」であるため、目立ちにくいという審美的な問題は治療において優先度が低いかもしれません。
しかし、誰だって他人の視線が気になりますし、目立たない方法で治療したいと思うのも当然のことです。
なかには、矯正装置が目立つストレスから治療をやめてしまう方もいます。
患者様がストレスを溜めこむことなく最後まで治療を続けていくためには、目立ちにくいという審美的な配慮はとても重要です。
目立たない矯正治療はどんどん進化しています。だからこそ、自分に合った治療方法を選ぶことが大切です。
見た目が気になり歯列矯正を始められない方は、まずは専門医に相談してみましょう。
無料の矯正相談では、自分に合った目立たない矯正治療について相談することもできます。相談予約は下記のボタンからご予約いただけます。
まとめ
これまで歯列矯正は、治療中見た目に影響を与えることがネックとなっていました。
しかし、目立たない矯正治療が普及し始めたことで、歯列矯正は他人に気付かれない治療になりつつあります。
歯並びを治すことは、自信にもつながりますし人生においてたくさんのメリットがあります。
見た目が気になり歯列矯正を始められなかった方も、目立たない矯正方法を活用して歯列矯正を検討してみましょう。