【監修:青山健一】
目 次
歯列矯正で使用される矯正装置にはいくつか種類があります。
インビザラインはワイヤーなどを使う従来の矯正治療に比べて痛みが大幅に軽減されるのが特徴です。
また、透明性に優れていて学校や職場でも相手の目を気にする必要がないため、接客業を中心とした営業担当者にも支持されています。
インビザラインチューイーとはロール状のチューブのことでマウスピース装着後に噛んで歯に密着させて使用するものです。
しかし、人によってはインビザラインチューイーが痛くて噛めないという人がいます。
今回はインビザラインチューイーが痛いときの対処方法・痛みの原因・噛むときのポイントを解説します。
インビザラインチューイーが「痛い」と悩む人は多い?
マウスピース矯正を行う際に欠かすことができないのがインビザラインチューイーです。
しかし、このインビザラインチューイーを使用したときの痛みに悩んでいる人は大勢います。なぜインビザラインチューイーを使ったときに痛みが出てきてしまうのでしょうか。
一般的に初めてインビザラインチューイーを噛むとしばらくの間は顎の疲れが出やすくなります。
さらにインビザラインは1枚のアライナーで歯を0.25mm動かしていく仕組みのため、インビザラインチューイーをしっかり噛んで歯にフィットさせなければなりません。
その際に歯や歯茎を締め付けるため違和感・疼き・痛みが出てくるケースがあります。
こうした違和感・疼き・痛みがストレスになって体調が悪くなる人も稀にいます。
特に新しいアライナーに交換したときはその傾向が強くなりますが、数日で次第に落ち着いていくことがほとんどです。
インビザラインチューイーが痛いときの対処法
インビザラインチューイーが痛いときの対処法について詳しく解説します。
最初は優しく噛む
マウスピースを最初につけたときは、これまでに感じることのなかった歯への圧迫感などから、特に痛みを感じやすい状態になっています。
そのため、いきなりインビザラインチューイーを強く噛まないようにしてみてください。
ゆっくりインビザラインチューイーを歯になじませていくイメージで、最初は優しくインビザラインチューイーを噛むようにしましょう。
新しいアライナーはつけてすぐには歯にフィットしにくく、マウスピースが浮いたような感じになるため20分ほど時間をかけて噛み続けなければなりません。
新しいアライナーが馴染めば痛みも落ち着いてきます。
噛むときの力加減に気をつける
インビザラインチューイーを噛むときの力加減に気をつけましょう。
しっかりとインビザラインチューイーを噛むことは大切ですが、あまり強く噛みすぎてしまうと顎の間接を痛めることにつながってしまいます。
また、アライナーをつけているときは歯の神経がとくに敏感な状態になっています。そのため、いきなり強く噛んで歯に負担をかけすぎないようにしましょう。
固いものを食べているとき・噛むときには力加減に十分注意が必要です。
痛みが強い場合は歯科医に相談
痛みが強くずっと続く場合は、今使っているマウスピースが自分に合っていない・歯への負担から「歯根膜炎」を起こしてしまっている可能性も考えられます。
あまり痛みが強い場合は無理や我慢をせずに、早めに歯科矯正の資格を持った歯科医に相談するようにしましょう。
早めに相談することで痛みの原因を特定し、痛みに合わせた対応をしてもらうことができます。
痛いからといって自己判断でインビザラインチューイーの使用をやめるのはおすすめしません。
痛みが出る原因
インビザラインチューイーで痛みが出る原因は主に3つあります。
詳しくみていきましょう。
新しいアライナーに交換したばかり
新しいアライナーに交換したばかりだとこれまで使っていたものと形が違うため、歯にアライナーがしっかりと密着せず痛みが出る原因の1つになります。
新しいアライナーに交換したことが原因の痛みは、新しいアライナーに交換してから数日間で治まることが多いです。
顎の疲れ
痛みが出る原因は歯だけではなく、顎の疲れも原因の1つになります。
慣れない矯正をしているとどうしても顎に力が入ってしまい、噛む力が強くなってしまいがちです。
顎に余分な力が入ることで顎が疲れてしまい、それが痛みへとつながります。噛むときの力加減に気を付けることで顎の疲れを減らせます。
うまく噛めていない
うまく噛めていないことで歯の噛み合わせの悪い状態が続いてしまうことも痛みの原因の1つです。
噛み合わせの悪い状態が続くことによって顎が疲れ、余計な力がかかってしまうため痛みの原因になってしまいます。
また歯の噛み合わせの悪さは顎の疲れ・関節の痛み・姿勢の歪み・肩こり・頭痛・不眠などの症状を引き起こす原因にもつながります。
インビザライン矯正でチューイーは欠かせないアイテム
インビザライン矯正でチューイーはアライナーをしっかりと歯に密着させる役割を担っています。
チューイーを噛むことによってアライナーと歯をしっかりと密着させ、密着度を高めることで歯を動かし矯正できる仕組みです。
そのため、インビザライン矯正でチューイーは欠かせないアイテムであり、インビザライン矯正ではしっかりとチューイーを使用することが大切です。
インビザラインチューイーを噛むときのポイント
インビザラインチューイーを噛むときのポイントは、しっかりと密着させること・長めに噛むことです。
インビザラインチューイーを噛むときのポイントについて詳しく解説します。
アライナーを歯に密着させてから噛む
インビザラインチューイーを噛む前に、まずはアライナーを前歯から奥歯にかけてしっかりと歯に密着させるようにしましょう。
このとき両手の指を使って前歯から奥歯に向かって指でゆっくりと押していくと、しっかりとアライナーを歯に密着させることができます。
矯正したい箇所や密着しづらい八重歯などは何度か角度を変えて指で押し込みながらしっかりとアライナーを密着させるようにしましょう。
こうしてアライナーをしっかりと密着させておくことによって、インビザラインチューイーをしっかりと噛むことができます。
新しいアライナーにしたら長めに噛む
新しいアライナーは歯から浮きやすいため、少し長めに噛んでしっかりとアライナーを歯に密着させる必要があります。
歯に密着させるためにアライナーは長めに噛むように心がけましましょう。このとき歯全体に均等に力を入れて噛むのがポイントです。
新しいアイライナーに交換した日は1回につき20分程度はしっかりとアライナーを噛むようにしましょう。
それでもまだアライナーがきついと感じるようであれば1回10分から15分程度アライナーを噛んでみてください。
アライナーが馴染んできたら長めに噛むのはやめるようにしましょう。
馴染んだあとも長めにアライナーを噛んでいるとすぐにインビザラインチューイーが使えなくなってしまい、さらに顎の関節を痛めてしまう可能性もあります。
新しいアライナーが馴染んだら、数分程度インビザラインチューイーを噛めば十分です。
痛みでインビザラインチューイーをさぼるリスク
痛みでインビザラインチューイーをさぼってしまうと、さまざまなリスクが発生します。
ここでは矯正に大きく関わる2つのリスクについて詳しく解説します。
アライナーが浮く
インビザラインチューイーをさぼってしまうと、アライナーがしっかりと歯に密着せず歯から浮いたような状態になってしまいます。
アライナーを装着した直後やアライナーを新しいものに交換したときも浮いた状態は起こりやすいです。
しかし、数日たてば自然にアライナーが歯に馴染んでいくため、アライナーが浮いた状態は次第に解消されていくことがほとんどです。
ところが、インビザラインチューイーをさぼるとアライナーが密着せず歯から浮いてしまい、マウスピースがきちんと歯にはまっていない状態が長く続き、歯が矯正されません。
計画通りに歯が動かない
インビザラインチューイーをさぼってしまい、アライナーが浮いた状態が長く続くというのはきちんと歯の矯正ができていない状態です。
インビザラインはアイライナーを交換しながら、歯を0.25mmずつ動かすことで矯正していく仕組みになっています。
そのため、きちんと歯の矯正できていない状態が長く続いてしまうと、最初に計画していた通りに歯が動かせません。
せっかく矯正できていたものが元の状態に戻ってしまうこともあります。そうなると1つ前に使っていたアライナーに戻って再度矯正をする必要が生じてしまいます。
そして結果、矯正が完了するまでに長く時間と費用がかかってしまいかねません。
再度矯正をやり直すことによってまたインビザラインチューイーの痛みに耐えなければなりません。
インビザラインチューイーはさぼらないように、医師の指示通り継続的に使用しましょう。
インビザラインチューイーの不安は歯科医に相談しよう
インビザラインチューイーの使用について少しでも不安・違和感・疑問点などがあれば、早めに歯科医に相談するようにしましょう。
早めに歯科医に不安なことなどを相談することによって不安や痛みが解消され、ストレスが少ない状態で矯正を続けていくことができます。
矯正治療は年単位の時間がかかるため、日頃から歯科医とのコミュニケーションが大切です。
事前に歯科医院のホームページを見て、経験や実績のある歯科医がいるかどうかしっかりと確認するようにしましょう。
まとめ
インビザラインチューイーが痛いときの対処方法・痛みの原因・噛むときのポイント・インビザラインチューイーをさぼったときのリスクなどを解説しました。
インビザラインチューイーはアライナーを歯にしっかりと密着させるために欠かすことができないものです。
自己判断でインビザラインチューイーの使用を中止するのはやめましょう。
誤った自己判断で使用をやめてしまうと、歯の矯正にさらに時間がかかってしまうだけではなく、歯並びや歯の噛み合わせの悪化などにもつながってしまいます。
インビザラインチューイーを使った矯正治療は痛みや不安をともなうことも少なくありません。
しかし、正しい装着方法・使用方法を覚えて、実践すれば痛みや不安もなく治療が続けられます。
歯科医の指導に従ってインビザラインチューイーを継続使用すれば、綺麗な歯並びの歯に少しずつ近づけます。
歯の矯正にはどうしても長い時間がかかってしまいがちです。
インビザラインチューイーを使用することによる痛み・不安・気になることがあった際にはその都度歯科医に相談しましょう。
この機会にぜひ矯正治療を検討されてみてはいかがでしょうか。