【監修:青山健一】
目 次
矯正装置の着色汚れが気になって矯正治療に踏み切れない人もいる意外と多くいるようです。
長期にわたる治療の中で見た目が悪くなってしまうとせっかく見た目をよくしたいために受けた治療も嫌になってしまうこともあります。
今回はそんな人に向けて着色汚れの原因やケア方法について解説してきます。
矯正装置は食べ物や飲み物で着色するの?
矯正装置は食べ物や飲み物で着色するのでしょうか。結論から申し上げますと部分的ではありますが着色してしまいます。
着色するといっても歯自体に色が着くわけではなく矯正装置に色が着くため気にしない人にはあまり気にならない問題かもしれません。
しかし、矯正装置が着色してしまうとかなり目立つためこれから長く装置を着けたままということを考えるとできるだけ避けたいと考える人がほとんどです。
見た目をよくしたいという目的で矯正治療をしているのに治療中も見た目が気になってしまうと長期にわたる治療でストレスを溜めることになるためできるだけ対処していきましょう。
着色しやすい矯正装置
矯正装置というとワイヤーやメタルブラケットなど金属製を思い浮かべる人が多くいると思いますがゴムやプラスチックでできている装置もたくさん存在します。
ゴムやプラスチックは食品の色素を取り込みやすい性質を持っているためタッパーにカレーやケチャップライスを入れたときに色移りをするようなイメージです。
そこで、矯正装置の中でゴムやプラスチックといった着色しやすい材質を使用している装置を紹介していきます。参考にして装置の着色汚れを対策していきましょう。
矯正用ゴム
矯正用ゴムとはワイヤーとブラケットの矯正でワイヤーの固定用で使用されるゴムのことをいいます。
ワイヤーやメタルブラケットは着色汚れが着きにくい素材になっているため問題はありませんが、固定するゴムは着色汚れがついてしまい逆に目立ってしまうという結果になってしまいます。
このゴムは毎日交換することはできず、1か月に1回などの通院のタイミングでしか変えられないためある程度使い続けなくてはなりません。
先ほども紹介したとおりゴムの部分だけ着色汚れが着くと意外と目立ってしまいます。
マウスピース
水などは装着したまま飲めるためお茶やコーヒー、ワインなどの色素が強い飲み物を飲んでしまうと着色汚れの原因となってしまいます。
ほかにもタバコのヤニなども着色汚れの原因となるため、マウスピースを使用する際は油断をせずにほかの着色汚れにも意識を向けていきましょう。
プラスチックブラケット
プラスチックブラケットを使用して矯正治療を行う場合は矯正用ゴムやマウスピースに比べて注意が必要です。
プラスチックブラケットはゴム同様に色素の影響を受けやすい素材のため、着色汚れが着いてしまうと非常に目立ってしまいます。
ワイヤーや矯正用ゴムと比べると費用も掛かってしまうため、手軽に変えられません。使用をする場合は色素の強い食事や飲み物を摂らないように心がけましょう。
マウスピースの着色を防ぐ方法
マウスピースの着色を防ぎたいときは基本的には水以外の飲み物を飲まないように気を付けることが確実な対策です。
しかし、長期にわたる治療で好きなものを我慢し続けることは非常にストレスが溜まってしまいます。
そこでマウスピース治療を進めていく中で着色汚れを防ぐために注意したいポイントを紹介していきます。
お茶やコーヒーを飲むときも外す
マウスピースはとても透明度の高い素材で作られており少しの汚れが目立ってしまいます。
コーヒーやお茶・ワインなどの色素でも着色汚れの原因となるため、飲むときはマウスピースを外して飲むようにしましょう。
ほかにも装着したまま飲んでしまうと飲み物の糖分がマウスピースの隙間から糖分が蓄積してしまうため、虫歯の原因となってしまいます。
さらにマウスピースは熱にも弱いため、コーヒーやお茶をホットで飲む際も注意が必要です。そのまま飲んでしまうと着色汚れだけでなく変形の原因となるため注意しましょう。
飲み物だからといって油断をせずにしっかりと取り外して飲むことで着色汚れを含むトラブルを回避することが可能です。
食後は口腔内をキレイにしてから装着
マウスピースを取り外して食事した後は必ず歯磨きをして口腔内を清潔にしてから装着をしましょう。
汚れたままマウスピースを装着してしまうと口に残った色素がマウスピースに着いてしまいそこからマウスピースに着色汚れが着いてしまいます。
またそのまま装着することで細菌が繁殖をしてしまい虫歯や歯周病になってしまいます。
さらにカビやにおいの原因菌として繁殖してしまい別のトラブルにも繋がってしまうためマウスピースと口内は清潔は保っていきましょう。
着色汚れしにくい矯正装置
着色汚れがしやすい矯正装置について紹介してきましたが着色汚れしにくい矯正装置も存在します。
着色汚れに強い分、ほかにもデメリットはありますが着色汚れを気にしている人にはおすすめできる矯正装置です。
これから矯正治療を検討しているが着色汚れが気になって一歩を踏み出せないような人は参考にして矯正装置を選んでください。
セラミックブラケット
一般的にブラケット治療をする場合はメタルブラケットと呼ばれる金属製のブラケットを使用することが多いです。
メタルブラケットも着色汚れには強いですが素材が金属のためにいかにも矯正をしている見た目になってしまうため、矯正治療を考え直してしまう人もいます。
セラミックブラケットはメタルブラケットの欠点を補えるためメタルブラケットの見た目で矯正治療に踏み切れなかった人はセラミックブラケットがおすすめです。
セラミックブラケットは歯の色に近い素材のため、メタルブラケットのように目立たず尚且つ金属を使用しておらず金属アレルギーの人でも装着できます。
しかし、セラミックは高額な素材で費用が高くなってしまうというデメリットがあるため検討する場合はあらかじめ歯科医院に問い合わせをして見積もりをもらいましょう。
セルフライゲーションブラケット
セルフライゲーションブラケットとはアメリカで開発された新しい矯正治療システムです。
従来の矯正装置のようにワイヤーで縛りつけないため、装置とワイヤーの間に摩擦が少なく弱い力で歯を動かせます。そのため、痛みや違和感が少ないのが特徴です。
この装置は従来のように矯正用ゴムを使用せず形状記憶合金ワイヤーを使用するため着色汚れに強いという特徴もあります。
ほかにも通院の回数を減らせるなどのメリットがありますがこちらの矯正装置にもデメリットは残念ながら存在します。
それはセラミックブラケットと同様に料金が割高である点と装置に厚みがあるという点です。
特に装置に厚みがあるということは装着時に違和感がある場合があり人によっては不快感になってしまうことがあり使用する場合は医師に相談をして決めましょう。
着色汚れのある矯正装置は効果が下がる?
着色汚れが原因で矯正装置の効果が下がるということはありません。しかし、見た目が悪くなってしまうためそれでストレスを感じる人は少なくありません。
しかし、着色汚れと直接的な関係はありませんが口内環境を清潔に保てないと虫歯のリスクが高まります。虫歯になってしまうと矯正を中断しなくてはならなくなってしまいます。
矯正装置のケア方法
矯正治療で使用する装置は長期間にわたって使用します。そのため、正しいケアをしていかないと着色汚れだけではなく虫歯、装置の破損などに繋がるため注意が必要です。
ここでは矯正装置の種類ごとにケア方法を紹介していきます。是非参考にして口内環境を清潔に保って矯正治療を進めていきましょう。
ブラケット矯正の場合
ブラケット矯正の場合、通常の歯ブラシで歯磨きをするだけでは装置が複雑な形をしているためしっかりと磨けません。
そこで歯間ブラシやワンタフトブラシなどの通常では行き届かない細い部分まで毛先を挿入できるブラシを使って磨きましょう。
その際に、通常の歯ブラシでは磨けないブラケット周りや歯と歯茎の間などを意識して磨きましょう。毛先の角度などを変えながら行うとより効果的に磨けます。
ブラケット矯正は歯磨きが難しいため諦めていると虫歯や着色汚れに繋がります。しっかりと対処して口内環境の清潔を保つことが重要です。
マウスピース矯正の場合
マウスピースは取り外しができる矯正装置です。そのため、ブラケットに比べるとケアはしやすくなっています。
まず、注意してほしいのが装着する前に歯磨きをすることです。
なぜならマウスピースは1日20時間以上装着し続けるため、汚れたままの口で装着すればそこからマウスピースの着色汚れ、虫歯などのリスクが高まります。
また、通常の歯ブラシ以外にもデンタルフロスや歯間ブラシを使用して歯と歯の隙間もしっかりとケアしていきましょう。
矯正装置の着色汚れが気になったら医師に相談しよう
矯正装置の着色汚れは直接的には矯正治療には影響が少ないことがわかりましたがそれでも見た目が悪くなってしまうため、気になってしまう人は多くいると思います。
口内環境が影響して着色汚れに繋がっていることもあるため、気になった際には歯科医師に相談をして対処をしていきましょう。
また、その際には歯磨きの指導なども受けることで口内環境を清潔にしていきましょう。
まとめ
着色汚れは見た目がとても悪くなってしまうため、気になるという人は多くいます。着色汚れを防ぐには特別な方法ではなく日々の心がけやケアが大事になってきます。
医師の指導の下、正しいケアをして矯正装置をきれいに保ってストレスなく矯正を進めていきましょう。