【監修:青山健一】
目 次
白い歯に銀色のブラケットを付けた歯列矯正の様子を良く見かけます。そのような光景を見ると、歯並びを気にしている人でも歯列矯正に踏み切れないかもしれませんね。
歯並びは気になる!でも装置が目立つのは嫌!と検討すらできていない人に審美ブラケットをご紹介します。
審美ブラケットの種類やメリット・デメリット、治療費用なども詳しく解説します。見た目を気にして矯正治療を迷っている場合は参考にしてください。
矯正装置が目立つのを避けたい人は多い?
歯並びを気にして対面の会話ができない人や思いっきり口をあけて笑えない人も多いと思います。そんな人も笑ったときに見える美しい歯並びに魅力を感じて歯列矯正を検討しているかと思います。
検討するだけで、矯正治療はメタリックの装置が目立って恥ずかしい!との思いから治療するのをためらっていませんか?
今では、目立たない審美ブラケットがあります。見た目を気にして治療をためらっている人は歯科医院に相談してみましょう。
審美ブラケットの特徴
審美ブラケットは白や透明の素材でできていて目立たない矯正治療ができるのが一番の特徴です。
素材が違うというだけで、金属製のブラケットと同じように複雑な歯並びにも対応できるため、歯並びが極度に悪い人でも不安に思うことはありません。
審美性を考慮した矯正装置
審美ブラケットは透明や白色、歯に近い色をしていて審美性を考慮した矯正装置です。明るい場所や暗い場所でも歯の色に同化して目立ちにくくできています。
ブラケットの他にも矯正装置として使用する接着剤・固定材・クッション材・ワイヤーも見えにくい素材が使われています。
矯正装置はトータルで審美性が考えられているのも患者からしてみればありがたいことです。
また、審美ブラケットは汚れや変色が少ないことも矯正装置を装着していることに気づかれにくい要因になっています。
表側矯正で用いる
歯列矯正には表側矯正と裏側矯正があります。審美ブラケットは表側矯正で使用する矯正装置です。
裏側矯正は歯の裏側に矯正装置を装着するため、矯正装置が目立ちません。その反面表側矯正は歯の表面にブラケットやワイヤーを装着するため目立ってしまうデメリットがありました。
矯正装置が目立つのが嫌だ・裏側矯正は費用が高い・表側矯正でも目立たなくならないのなどの要望から、表側矯正のための審美ブラケットが生まれました。
メタルブラケットより費用が高い
一般的には矯正治療は見えにくい装置を装着するほど費用がかかる傾向にあります。そのため、審美ブラケットは金属製のメタルブラケットよりも費用は割高です。
一般的な矯正治療費は下記のようになります。
メタルブラケットとメタルワイヤーの場合 50万円~70万円
審美ブラケットとホワイトワイヤーの場合 80万円~100万円
銀色の矯正装置が見えることが気になる場合は、歯科医に相談して使用する装置を決めましょう。審美ブラケットの中でも種類によってメリット・デメリットがあります。
審美ブラケットの種類
表側矯正で使用される審美ブラケットには大きく分けて2種類があります。プラスチックブラケットとセラミックブラケットです。
どちらも装置が目立ちにくいという審美性は同じですが、それぞれに違ったメリットとデメリットがあります。治療費用にも少し違いがあります。
どちらのブラケットを使用するかは歯科医と相談して決めましょう。それぞれのブラケットの特徴や費用を理解したうえで自分で決めるのがおすすめです。
プラスチックブラケット
プラスチックブラケットは透明のプラスチックでできています。透明のため歯の表面に装着していても気づかれにくいのが特徴です。
しかし、メタルブラケットに比べて強度が劣ります。長い矯正期間中にブラケットが摩耗してつけ直しが必要になるかもしれません。その場合は治療期間が予定より長くなることがあります。
また、強度を保つためにブラケット自体がメタルブラケットより少しだけ厚くなっているため、装着したときにはどうしても違和感がでます。
食べものや飲みものからの色移りや変色しやすいのもプラスチックブラケットのデメリットです。
セラミックブラケット
セラミックブラケットは白色や歯の色に似せて作ることができるため、審美性に優れています。
セラミックブラケットはプラスチックブラケットのように摩耗や変色することも少ないため、一度装着すると治療が終わるまでつけ直しの必要はありません。
メリットの多いセラミックブラケットですが、歯よりも硬い素材でできているため噛みあわせによっては歯にぶつかって歯が削れることがあります。
また、プラスチックブラケットと同じように、メタルブラケットより少しだけ厚くなっていて、装着したときの違和感があります。
審美ブラケットのメリット
審美ブラケットの一番のメリットは目立たないことです。歯の色に近づけることもできるため、笑ったときに歯が見えても違和感がありません。
メタルブラケットと同じようにほとんどの症例に適用できるため、目立つことを気にして治療をためらっている人にはおすすめしたい治療法です。
メタルブラケットに比べるとやや治療費が割高になりますが、同じ審美矯正である裏側矯正に比べれば割安に治療が始められます。
メタルブラケットより目立ちにくい
審美ブラケットはメタルブラケットに比べて目立ちにくいのが特徴です。透明のブラケットや白いワイヤーを使って歯の色に溶け込ませています。
普段の生活では歯を注意して見られることは少ないです。挨拶をしたり普通の会話程度では矯正装置を装着していることに気づかれることは少ないです。
対面の会話や大きな口をあけて食事をするなどの場合は気づかれるかもしれません。それでも、通常は治療期間の半分くらいは、人目を気にせずに生活ができます。気づいてくれないことに拍子抜けするかもしれませんね。
裏側矯正より費用が安い
審美ブラケットと同じように審美性に優れた矯正治療が裏側矯正です。矯正装置は歯の裏側に装着されるためほとんど目立ちません。
矯正治療費用は目立たない治療ほど費用が高くなります。歯の表面に矯正装置を取り付けると目立ちやすいため、審美ブラケットによる治療は裏側矯正より費用が安くなります。
裏側矯正の治療費用の相場は100~150万円程度であり、1割~3割程度安いです。
審美ブラケットによる矯正治療の費用相場
審美ブラケットによる矯正治療の費用は、使用するブラケット・ワイヤー・留め具・矯正の難易度によって変わり、費用相場はおおむね下記のとおりです。
メタルブラケットにメタルワイヤーを装着 50万円~70万円
メタルブラケットにホワイトワイヤーを装着 60万円~80万円
プラスチックブラケットにホワイトワイヤーを装着 80万円~90万円
セラミックブラケットにホワイトワイヤーを装着 90万円~100万円
矯正治療には治療費の他に初期費用が必要です。相場は無料~6万円程度です。一般的な歯科検診の他に、噛みあわせ検査・レントゲン撮影・CT撮影・骨格検査などを行います。
無料相談ができる歯科医院もあります。治療前に治療内容と費用を納得いくまで相談しましょう。
審美ブラケットと組み合わせるワイヤーの種類は?
ブラケットをつないで固定するワイヤーは細くて1本だけ使用するため、ブラケットに比べれば目立ちにくいです。
それでも銀色をしたメタルワイヤーは目につきます。目立ちにくさを求める審美ブラケットにピッタリで目立ちにくいのが白いワイヤーです。
費用に違いはありますが機能や性能に違いはないため、見た目と予算を考慮して選びましょう。
白色のワイヤー
セラミックブラケットやプラスチックブラケットと組み合わせて、さらに目立たない矯正治療を可能にするのが白いワイヤーです。
白色のワイヤーにはメタルワイヤーの表面をホワイトコーティングしたものとロジウムコーティングしたものがあります。
ホワイトコーティングは剥がれることがありますが、ロジウムコーティングは歯磨きでも剥がれることがない丈夫なコーティングです。
ロジウムは金属ですが反射率特性を利用して白く見えるし、心配な金属アレルギーを引き起こすこともありません。
金属色のワイヤー
通常の矯正治療に使用されるワイヤーです。使用症例が豊富で複雑な歯並びにも適用できる機能性を持っています。
装着したときに目立ちやすいのですが他のワイヤーに比べて費用を低く抑えられるため、審美ブラケットと組み合わせて使用することもあります。
金属色のワイヤーで使用される素材は、ニッケル・ステンレス・チタンが一般的です。ニッケルは金属アレルギーになりやすい素材のため、金属アレルギーが心配な場合は治療前に確認しておきましょう。
審美ブラケットによる歯列矯正は信頼できる歯科医に相談
歯並びは治したいけど見た目が気になる、矯正していることを人に知られたくない、そんな思いから矯正治療をためらっている人がいればすぐにでも歯科医に相談することをおすすめします。
見た目が気にならない矯正治療があります。それが審美ブラケットを使用した治療法です。
どんな治療法か・自分の歯並びでも矯正は可能か・痛みはあるか・期間はどれくらいか・費用はどれくらいかかるか、そして肝心の目立たない方法はあるのかなど疑問や不安に思っていることを相談してみましょう。
まとめ
歯並びを治したいけど歯列矯正は見た目が気になりますね。一度でも歯列矯正をしたいと考えたことがある人は、今からでも始めてみませんか。
ご紹介しましたように、審美ブラケットによる矯正治療は装置が歯の色に同化して見えにくいのが特徴です。
従来の銀色をした装置に比べれば少し費用が高くなりますが、見えにくいだけでない多くのメリットがあります。
歯並びは見た目だけでなく健康にも影響します。審美ブラケットを念頭に置いて矯正治療を始めてみませんか。