【監修:青山健一】
目 次
結婚式は、人生の中でも思い出に残る一大イベントです。成人式や卒業式と同じように写真で後々まで記録に残ります。
そんな大切な日を万全のキレイな姿で迎えたいと考えるのは当然です。結婚式に向けて歯の矯正治療をするという方もいます。
しかし、歯列矯正には時間がかかります。ぎりぎりに準備して当日に間に合わないという事態も起きないとは限りません。
今回の記事では結婚式までに矯正完了できなかった場合の対策をみていきましょう。
矯正治療が結婚式に間に合わないと焦っている方へ
この記事をご覧になった方の中には、結婚式を実際に控えている方もいるはずです。そんな方でも矯正は時間がかかるから今からでは無理、とあきらめる必要はありません。
一口に歯列矯正といっても、様々な方法があります。短期間で済む方法や、矯正装置を人前で見せなくてもいい方法もあります。
時間的に間に合わなくても可能な選択肢についてこれから一緒に考えていきましょう。
ブライダル治療
結婚式のための矯正という意味で、「ブライダル矯正」という言葉もあります。それだけ、結婚式に向けて矯正をすることが一般的だということです。
矯正歯科の中には、ブライダル矯正対応と掲げているところもあります。結婚式のために矯正をするのであれば、なるべく対応している歯科医院を選びましょう。
矯正ではなく歯を削ってきれいに見せるセラミック治療を行っている歯科医院もあります。こうした審美治療は、短期間で済むというのはメリットです。
しかし、長期的な歯の健康を考えると、矯正治療の方がおすすめです。
矯正の種類と期間
一口にブライダル矯正といっても、様々な種類が存在します。方法によって、かかる期間も様々です。
ここでは、矯正の方法と期間について5つの例をみていきましょう。この5種類も、症例や使う装置によってさらに細かく分かれます。
あくまでも大体の傾向として、内容を押さえていきましょう。挙式までの期間を考えながら、方法選びの参考にしてください。
ブラケット矯正
ブラケット矯正は、ワイヤーとブラケットという装置を使った方法です。昔ながらの一般的な矯正方法で幅広い症例に対応できるのが特徴です。
通常の矯正方法では、最大で治療完了までに3年かかってしまう場合もあります。
抜歯の必要の有無によっても、治療期間の長さは変わります。
また、ブラケットには金属製のものやプラスチック製のものがあります。
プラスチック製は、見た目的に目立ちにくいのがメリットです。しかし、つけ直しが多く治療には時間がかかってしまう場合もあります。
歯の裏側にブラケットを付ける
歯の表側でなく、裏側に装置を付ける方法は裏側矯正と呼ばれます。この方法も、表側にブラケットを付ける場合と期間はあまり変わりません。
裏側矯正は、見た目的にわかりにくいのがメリットです。式当日に装置をはめていたとしても、あまり目立つ心配はありません。
ただし、装置をはめていることによる違和感は多少あります。当日の食事やスピーチに支障が出る可能性もないとは言い切れません。
裏側矯正の場合でも、やはり式当日までに治療を完了させるのが理想です。
部分矯正
気になる部分だけを矯正してもらう部分矯正という方法もあります。この方法は、スピード感を重視する方にとっては魅力的です。
なぜなら、大体の場合において約半年で治療が完了するからです。
全体の矯正と比べて費用も安く済ませられます。
しかし、部分矯正にも注意すべきポイントはあります。
症例によっては、部分矯正では全体矯正に比べて完成度が落ちる可能性があるということです。
場合によっては、歯並び全体を直さないと見た目が整えられないこともあります。
無理に間に合わせようと思って、焦って歯並びを台無しにしてはいけません。
この方法を選ぶ場合は、事前に歯科医とじっくり相談しましょう。
マウスピース矯正
透明な目立ちにくい装置を使って矯正するのがマウスピース矯正です。この矯正方法でも、「全体」か「部分」かが選べます。
全体矯正なら最大2年、部分矯正なら半年ほどが通常の完了までの期間です。
ブラケットよりはわずかですが短めの期間で完了できます。口元を印象づける前歯だけの矯正にも適した方法です。
ほとんどの場合、マウスピース矯正なら抜歯の必要もありません。
また、この方法のメリットは、装置を自分で取り外すことができることです。結婚式の当日にまだ治療が終わっていなくても、取り外すことができます。
マウスピースの大きさは様々あり、カスタムメイドのものもあります。
期間についてあまり気にせずに矯正してもらいたいならおすすめです。
ただし、歯の状態によってはこの方法で対応できない場合もあるため注意しましょう。
また、抜歯が必要な状態ならブラケット矯正の方がスピーディーに終わることもあります。
ハイブリッド矯正
ワイヤーブラケットとマウスピースを組み合わせるハイブリッド矯正もあります。部分的にワイヤーを取り入れることでマウスピース矯正の治療期間短縮も可能です。
この方法ではまずはワイヤーで治療してから、マウスピースに切り替えるのが一般的です。
マウスピースだけでは矯正できない場合でも、ハイブリッドならできることもあります。この方法に対応している歯科医院かどうか、事前に確認しましょう。
ブライダル矯正の計画を立てましょう
ここまで紹介してきた期間を参考に当日までに間に合わせる計画を立ててみてください。もし間に合わないという場合でも、大丈夫です。
ここでは間に合わない場合の計画例をみていきましょう。
間に合わない場合はどうする
通常1~3年の期間がかかってしまう全体矯正は、間に合わない可能性が高いです。どうしても全体を矯正したい場合は、取り外し可能なマウスピース矯正がおすすめです。
どうしても全体の治療が必要というわけでなければ、部分矯正も検討しましょう。
いずれの方法にしても、歯科医が対応できない場合もあるため早めに相談しましょう。
初めから目立たない矯正をする
期間的に間に合わないなら、最初から目立たない方法で矯正するのも1つの選択肢です。特に目立たないのは、裏側矯正です。
この記事でも説明したとおり、装置をはめている間に違和感はあります。しかし、装置の種類によっては、コンパクトで違和感の少ないものもあります。
裏側矯正を選ぶなら、装置の種類もチェックして歯科医院を選択しましょう。
矯正治療中でも結婚式を晴れやかに
矯正治療中でも見た目の心配や違和感なく結婚式を迎えたい。そんな方のために、マウスピース矯正以外にもう1つ選択肢があります。
それは、式当日や前撮りの日だけブラケットを外してもらえる歯科医を選ぶことです。
矯正歯科の中には、大切な1日だけの取り外し処置に対応しているところもあります。
成人式は対応不可なところでも、結婚式はOKの可能性があるためチェックしましょう。こうした歯科医院を選べば、表側でも裏側でも、当日気にせず式に出られます。
しかし、考慮すべき注意点もあるので押さえておきましょう。まず、取り外しにはやはり余分なコストがかかってしまいます。
また、一度取り外すと、治療完了までの期間は延長されてしまいます。
さらに、どこの歯科医院でも取り外し処置ができるとは限りません。友人の結婚式に出るだけという場合は対応しない、という医院もあります。
式の準備で忙しい中、歯科医院に出かけなくてはなりません。
これらのメリットとデメリットを比べたうえで、じっくり検討しましょう。
結婚式に向けた矯正治療Q&A
これまで説明した内容も踏まえつつ結婚式に向けた矯正のよくある疑問にもお答えします。
期間があまりない
期間があまりなく、結婚式当日までに治療完了したいなら部分矯正がおすすめです。矯正装置をはめて式に出ることが不安なら、マウスピース矯正を検討しましょう。
ブラケットでも取り外し処置を行ってもらうという選択肢もあります。
見た目だけが心配なら、裏側矯正も可能です。
式までになるべく治療を進めたいのであれば、中断期間を少なくしましょう。
マウスピースの場合は、普段からなるべく取り外さないようにしてください。
治療中に虫歯のようなトラブルがあると、中断する必要が出てきます。
早く治療を終わらせたいなら、普段からの歯のケアも大切にしましょう。
結婚式で矯正装置を外せる?
マウスピース矯正の場合は、自分で当日に取り外すことが可能です。ワイヤー・ブラケットでも、歯科医に頼めば外してもらえることがあります。
取り外した時の抜歯による歯の隙間を埋める対応もしてもらえます。取り外してもらう場合は、早めに相談しましょう。
費用や期間が追加されることも考慮に入れておいてください。
矯正とホワイトニングを同時にできる?
マウスピース矯正や裏側矯正であれば、ホワイトニングとの平行処置も可能です。特にマウスピース矯正の場合は、自宅でのホワイトニングもできます。
この2つの方法は、矯正装置が目立ちにくいのが特徴です。華やかな式できれいな白い歯を見せたいなら、これらの方法がおすすめです。
歯並びだけでなく、歯の白さでも印象を変えられます。
銀歯をセラミックに変えたい
矯正と一緒に銀歯をセラミックにできる歯科医院もあります。しかし、見た目の美しさを考えると、矯正後にセラミックにしたほうがきれいです。
「結婚式の時だけ隠したい」というのであれば、並行治療できるか相談しましょう。
結婚式に向けた矯正治療でお悩みの方は専門医に相談
大切な式をきれいな歯で迎えるためにも、矯正の方法選びは重要です。この記事を読んで悩んでいるなら、積極的に歯科医に相談しましょう。
矯正専門の歯科でも、それぞれ得意分野は異なります。歯科選びの際は、結婚式に向けた矯正治療の実績もチェックしましょう。
式までの期間や理想の歯並びを説明し、ご自身に合った方法を見つけてください。
まとめ
この記事では、結婚式に向けて矯正したい方向けの情報をお伝えしました。
矯正に時間がかかるからといって、決してあきらめないでください。
当日だけ装置を外せる方法や、短期間で完了する部分矯正があります。
目立たない矯正方法を選ぶのも1つの選択肢です。
迷っているなら、ぜひ専門の歯科医に相談しましょう。
写真や映像に残る大切な式に、できるだけ美しい姿で臨みたい。
口元を気にせず、式を晴れやかに迎えたい。
この記事が少しでもそんな皆さんのお役に立てたのであれば幸いです。