矯正のゴムかけ中の食事はどうする?歯科医がゴムかけ中の食事の注意点やおすすめの食べ物をご紹介

【監修:青山健一】

矯正のゴムかけ中の食事はどうする?歯科医がゴムかけ中の食事の注意点やおすすめの食べ物をご紹介

矯正治療中の一時期に「ゴムかけ」治療をすることがあります。「ゴムかけ」とは、上あごと下あごの矯正装置にゴムをかける治療です。
ゴムの縮む力を利用して、歯を理想的な位置へ移動させる治療法で、噛み合わせや出っ歯を改善するのに効果的です。

矯正歯科医からの指示がありますが、実際にゴムかけをするのは患者さん自身となります。
自分で管理する治療法のため、食事中にも注意が必要です。今回は、ゴムかけ治療中の食事について説明します。

矯正のゴムかけ中の食事に悩む人は多い?

矯正のゴムかけ中の食事に悩む人は多い?

従来の歯列矯正にゴムかけ治療が加わると、慣れないうちは違和感や痛みを伴うことがあります。ゴムかけ中は食事を楽しめず、悩む人も少なくありません。
しかし、食事のときにはゴムを外しても問題ありません。ゴムを外した方が、食べ物をしっかり噛め、おいしく食べられるからです。

ゴムを外して食事したあとは、歯磨きとゴムの再装着が必要となります。外出先ではやりづらく、ゴムを外したままにする患者さんも多いようです。
ゴムを長時間外していると、歯が元の位置に戻ることがあります。治療を順調に進めるためにも、ゴムを外している時間を最小にしましょう。

ゴムかけ中の食事の悩み

ゴムかけ中の食事の悩み

ゴムかけ治療が始まるのは、歯列矯正が半分以上進んだ頃です。矯正治療には慣れている時期ですが、ゴムかけ治療は口の中をゴムが通っています。
従来の矯正装置とは比べられないほど、食べにくくなります。また、食事のたびにゴムを外すのも面倒です。
ここでは、ゴムかけ中の食事の悩みをみていきます。美味しい食事を楽しむためにも、ゴムかけ治療と上手に付き合っていくことが大切です。

食べ物が挟まりやすい

ゴムかけ治療をするときには、矯正装置にゴムを引っかけるフックを取り付けます。従来の矯正装置よりも、さらに食べ物が挟まりやすい状態です。
挟まりやすいスジのある食べ物、たとえばマグロの刺身などは避けることをおすすめします。そして食後の丁寧な歯磨きは必須です。

マウスピース矯正でもフック、もしくはボタンが装着されます。しかし、マウスピースは食事の時に外すため、ゴムかけ治療特有の食べにくさはありません。

食べにくい

ゴムかけ治療中は、大きな口を開けることが難しくなります。さらに、口の中をゴムが上下に通っているため、とても食べにくい状態です。
ゴムに引っかかってしまうため、固いものは食べにくくなります。特におやつに食べるクッキーやお煎餅には注意が必要です。

大きな塊のお肉を食べるということも難しいです。ゴムを外すのが面倒でも食事のときには外して、しっかり噛んで食べることをおすすめします。
ゴムを外した状態なら、普通の歯列矯正と同じ感覚で食事することが可能です。

人に見られたくない

人に見られたくない

ゴムかけ治療のゴムは透明なものが多く、目立たないように配慮されています。しかし、ゴムかけは口を開けると対面した人にはわかってしまいます。
目立たないようにとマウスピース矯正や審美ブラケットを選んでいる患者さんにとっては不本意です。特に食事中は口もとに注意が向きます。

見た目を気にする人には、ゴムかけ治療中の食事はストレスかもしれません。
学校や職場の仲間には事前に「しばらくゴムかけをする」と伝えておいた方が、気持ちが楽になります。

ゴムの着色汚れ

飲み物だけや軽食の場合は、ゴムを外さない方も多くいます。コーヒーや紅茶がゴムに着色して茶色になることがあります。
カレーを食べて「ゴムが黄色になった」というのは、よく聞く話です。ゴムの着色汚れは、ゴムかけしている方の悩みの種といえます。

コーヒーや紅茶、ワイン、カレーやミートソースは着色する可能性が高いです。女性の場合はリップメイクがゴムに着色することもあります。
特に、若い女性に人気のティントリップは着色しやすいため注意しましょう。

ゴムかけ中の食事はどうする?

ゴムかけ中の食事はどうする?

食事と歯磨きの時以外はゴムかけするというのが、治療の基本です。ゴムかけしたままだと食べにくいからです。
しかし、ゴムかけをしている時間が長いほうが、矯正の効果が期待できます。
そのため、矯正効果を高めるために、あえて食事中もゴムを外さない方も少なくありません。
周りに他人がいるときには、ゴムを外すタイミングがないということもあります。ゴムかけ中の食事を考えていきます。

ゴムをつけたまま食事

ゴムをつけたまま食事をしても問題ありません。しかし、ゴムかけをしたままの状態では食べにくいため、食事の内容は限定されます。
柔らかい食べ物、食べやすさでメニューを選ぶことになります。外食の場合は、麺類が無難です。

ゴムを外さずに食事をすれば、新しいゴムを装着するタイミングを失うこともあります。
夕食後や就寝前と決めて、必ず1日に1回以上は、新しいゴムと交換しましょう。

食事中は外してもよい

食事中は、ゴムを外しても問題ありません。しっかりと食べ物を噛んで消化するという点では、外した方が好ましいと考えられています。
ただし、ゴムは外してもフックは付いているため、挟まりやすい食べ物は避けてください。

マウスピース矯正の場合はマウスピース自体を食事のときには外すため、ゴムを外すタイミングに悩むことはありません。
インビザライン矯正の場合は、ゴムかけ治療にも対応しやすいと考えます。

ゴムかけ中の食事の注意点

ゴムかけ中の食事の注意点

ゴムかけ治療は、矯正治療に慣れてきた時期に行います。そのため、周りが心配するほどには患者さんの負担にはならないようです。
しかし、食事に関しては、それまでの歯列矯正では想像もしなかった問題も出てきます。

ゴムをはずしている間は治療にならないため、「ゆっくり食事をする気になれない」という声もあります。
ここでは、ゴムかけ中の食事の注意点をみていきましょう。ゴムかけ治療の場合のみにおこる問題に対処します。

食事中にゴムが切れることがある

食事中にゴムが切れることがある

ゴムを付けたまま食事をすると、ゴムが切れることがあります。ゴムには、はじめから引っかけるための切り込みが入っています。
普通の輪ゴムよりもはるかに切れやすいです。食べ物がゴムに引っかかって切れることもあり得ます。

切れたゴムは、飲み込んでしまっても問題ありません。ゴムが切れたときのために、予備のゴムを持ち歩くことをおすすめします。

外した場合はつけ忘れに注意

食事のときに外したら、食後に新しいゴムを装着する必要があります。しかし、鏡を見ないと付けにくく、簡単に付けるというわけにはいきません。
「あとでトイレで付けよう」と思っているうちに、忘れることもあります。また、子どもさんの場合は、自分で付けられないというケースも目立ちます。
食事をしたら洗面所に行って「歯磨きとゴムの装着」、毎日のルーティンワークとしましょう。

食後の歯磨きが理想だが…

食後の歯磨きを怠らない

ゴムを外して食事をした場合、食後には歯磨きすることが理想ですが、実際には毎回は難しいと思います。
可能であればいつでも歯磨きをできるように、習慣をつけてください。矯正中は歯磨きセットを常に持参することをおすすめします。
現実的には、できない時も多々あるとは思いますが、歯を衛生的に保つためにも、あくまで理想としては、食後はゴムを外して歯磨きすることが好ましいです。

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矯正のゴムかけ中におすすめの食べ物

矯正のゴムかけ中におすすめの食べ物

ゴムかけ治療中におすすめの食べ物は、柔らかい物、水分の多い物、装置に挟まりにくいものなどです。
うどんやお粥、豆腐や挽肉料理がおすすめです。しかし、調理を工夫することで、ほとんどのものを食べることができます。

野菜類ならスムージーやジュース、お肉や魚は柔らかく煮込んだものがおすすめです。好きなメニューを我慢することのないように工夫しましょう。
矯正中も美味しく食べて、きれいな歯並びを目指しましょう。

食事中に顎間ゴムが切れたら?

食事中に顎間ゴムが切れたら?

食事中に限らず、あくびをしたり笑ったり、大きな口を開けるとゴムが切れることがあります。
家族なら矯正に対して理解がありますが、他人の前でゴムを吐き出す行為は避けたいです。衛生上も好ましくありません。
ここでは、食事中にゴムが切れた場合の対処法をみていきます。ゴムが切れても慌てず、冷静に対処することが好ましいです。

新しいゴムに交換する

食後に新しいゴムに交換します。左右対称にゴムかけしている場合は、片方のゴムが切れたら両方のゴムを交換します。
これは左右のゴムのバランスを保つためです。顎間ゴムは時間が経つにつれて縮む力が弱くなっていきます。最高1日で劣化するといわれています。

ゴムが切れることも想定して、多めに予備のゴムを常に用意しておきましょう。ゴムをかける前には歯磨きをします。

飲み込んでも害はない

食事中にゴムが切れて、一緒に食べてしまうこともあります。食べても飲み込んでも身体に害はありません。
体内に入っても無害で、時間が経つと排泄されます。 大人なら、他人の前でゴムを吐き出すような行為は避けてください。
さりげなくティッシュで口元を拭うふりをして取り出しましょう。最悪の場合、飲み込んでも問題ないため、慌てる必要はありません。

ゴムかけ中の食事の悩みは歯科医に相談しよう

ゴムかけ中の食事の悩みは歯科医に相談しよう

ゴムかけ治療中の食事について、悩みを持っている患者さんは少なくありません。特に子供さんの場合は、学校での給食とゴム交換になります。
休み時間が短く、他の生徒の前で交換しなくてはいけないというストレスがあります。ゴムかけが嫌で、外してしまう子供さんも多いようです。

学校側に配慮を求めるということもできますが、まずは歯科医に相談してみましょう。
症状によっては、就寝中だけのゴムかけで大丈夫な場合もあります。
ゴムかけ中の食事の悩みは、まずは歯科医に相談するのが最良の方法です。

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まとめ

まとめ

ゴムかけ治療中の食事には、悩む患者さんも多いです。しかし、ゴムかけをさぼると、治療期間が長引くというリスクがあります。

また、さぼっていることを歯科医に隠していると、「なぜ治療が進まないのか」と、治療方針の見直しにつながることもあります。
治療において困ったこと、不安に思ったことは、そのたびに歯科医に相談することがおすすめです。
ゴムかけ治療は効果的な治療法ですが、自分で管理しなければなりません。

きっちりと歯科医の指示に従ってゴムかけ治療を続けると、矯正治療も早く完了する可能性があります。
美しい歯並びを手に入れるためにも、歯科医の指示に従って、ゴムかけ治療を乗り切りましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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