【監修:青山健一】
目 次
歯列矯正は、出来るだけ早い時期、幼少期から始めた方がよいと考えられています。成長途中の顎や、これから生えてくる永久歯の矯正ができるからです。
高校生も歯列矯正を始めるのには遅くありません。実は、永久歯が生えそろった高校生の時期は、矯正治療を始めるのにはとても良い時期だといわれています。
高校生ともなると、気になるのは矯正装置の見た目でしょう。今はちょっと見ただけでは矯正をしているとわからない矯正装置が揃っています。
大人になると矯正にも時間がかかるため、高校生のうちに矯正治療を始めてみませんか。
矯正治療中の見た目を気にする高校生は多い?
高校時代は思春期にあたり、高校生はとても多感です。高校生の見た目に対するコンプレックスは、大人が考えるよりも大きいのです。
歯並びが悪いというコンプレックスを解消するための矯正が、新たなコンプレックスになる可能性もあります。
そのためにも、ちょっと見ただけでは矯正していると気がつかない、マウスピース矯正や裏側矯正をおすすめします。
高校生が歯列矯正を受けるメリット
ほとんどの高校生は永久歯に生え変わっているため、矯正治療の内容は大人と変わりません。
しかし、高校生は成長途中のため大人よりも治療しやすく、治療にかかる期間も費用も少なくなります。
高校生は小中学生と違って、親にいわれていやいや治療を受けるわけではありません。高校生なら理解を持って自己管理ができるはずです。
このように、高校生の矯正治療にはいくつかのメリットがあります。ここでは、高校生から矯正を始めるメリットを紹介します。
治療期間の短縮
高校生が歯列矯正をする最大のメリットは、治療期間が短縮されることです。成長途中の高校生なら顔や顎の骨格が完成していません。骨の代謝も活発です。
20代以降の大人と比べて、歯を移動させるのに必要な時間は少ないと考えます。そのため、大人になってからの矯正治療よりも、治療期間が短縮されるでしょう。
治療期間が短いと通院回数も少なくなり、必要な費用も少なくて済みます。
また、治療期間が短いということは本人への負担も少なく、ストレスになりにくいというのもメリットです。
成長期の健康促進
歯並びが悪く歯が重なっていると、きれいに歯磨きをすることが困難です。そのため、悪い歯並びを放置していると、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
また、噛み合わせが悪い場合は、しっかり噛めないために消化不良を起こしやすくなります。
このように、歯並びの悪さは、高校生の健康に害を及ぼす可能性が大きいです。歯列矯正することが、成長期の健康促進になります。
思春期におけるコンプレックスの解消
思春期にあたる高校生はとても多感です。自分の外見が気になり、歯並びの悪さにコンプレックスを感じている高校生は多くいます。
また、噛み合わせが悪くて発音に問題がある場合も、大きなコンプレックスとなります。
高校生のうちに歯列矯正をすることで、これらのコンプレックスは解消できるはずです。
コンプレックスを解消することでポジティブな気持ちになり、勉強や部活を頑張れるでしょう。
歯列矯正を検討する高校生の不安
歯並びを治したいと悩んでいても、矯正治療に対して不安を持っている高校生も多いと考えられます。
小学校時代に見た、お友達の口にガッチリはまった矯正装置を思い出しているのかもしれません。
見た目も悪く、痛くて勉強や部活に影響がでることを心配しているケースもあります。ここでは、矯正治療をためらっている高校生の悩みをみていきます。
矯正中の見た目
歯列矯正を検討している高校生が悩む、1番の理由は見た目です。
一般的に知られている矯正装置はメタルブラケット・ワイヤーといって、かなり目立つものです。
しかし、今はワイヤーが気にならない矯正装置があります。
マウスピースや裏側矯正などです。高校生や社会人は、ほとんどの人が目立ちにくいタイプの矯正装置を付けています。
マウスピース装置はつけ心地も悪くなく、痛みもありません。多くの矯正歯科で扱っているため、クリニックで相談をしてみましょう。
部活動や生活への影響
スポーツをする高校生なら、マウスピースを使っての矯正治療がおすすめです。ワイヤー系の矯正装置の場合、口の中を傷つける恐れがあります。
また、吹奏楽部で楽器を吹く場合は、矯正装置が邪魔になることがあります。このような場合は、治療法を決める前に、矯正歯科に相談をしましょう。
受験期における治療
高校生になってすぐに矯正を始めなければ、受験の時期と矯正治療が重なることは避けられません。
受験の時期に矯正治療をすることに、不安を感じる高校生は多いようです。
特に気になることは、矯正装置による「口の中の不快感」です。この不快感がストレスになって、勉強に身が入らないことはあり得ます。
そのためにも、口の中に違和感の少ない、矯正装置を選ぶことが大切です。治療前に矯正歯科医としっかり話し合いましょう。
受験のことを考えると、高校生になってすぐに矯正治療を始めることをおすすめします。
見た目に配慮した矯正治療
一般的な矯正装置といえば、メタルブラケット・ワイヤーです。歯の表面に取りつけるタイプで、治療費が安いというメリットがあります。
しかし、見た目を気にする高校生にはおすすめできません。今は、ちょっと見ただけでは矯正しているとは分からない矯正装置があります。
ここでは、見た目に配慮した矯正装置を紹介します。矯正歯科ではいくつかの施術を用意しているため、相談して矯正装置を決めましょう。
マウスピース矯正
マウスピース装置は、1人1人の歯型をとって作られる矯正装置です。中でもインビザラインは、見た目の美しさと扱いやすさで人気です。
定期的に付け替えていくことで、理想的な歯並びへと導きます。取り外しが簡単で、食事のときには外すことも可能です。
透明にできているため、ちょっと見ただけでは矯正しているとわかりません。通院回数も少なく、忙しい高校生にはぴったりです。
非抜歯の矯正のため、治療期間が短いのも魅力です。しかし、簡単に取り外せるため、自己管理が必要になります。
食事のあとは歯磨きをしてからはめる、マウスピースは自分で清潔に保つなどです。通院回数が少ないため、費用は通常のブラケットと同じくらいです。
裏側矯正
一般的なメタルブラケット・ワイヤーは、歯の表に装置します。これを歯の裏側につけるのが裏側矯正です。この矯正方法なら、周囲に矯正治療を知られることはありません。
しかし、装置が舌に当たり、不快に感じる人も多いようです。また、費用も高くつきます。通常のブラケットと比べて約2割増しになります。
審美ブラケット矯正
一般的なメタルブランケット・ワイヤーを、白や透明にしたのが審美ブラケット矯正です。いかにも金属という見た目ではなく、目立ちにくくなっています。
透明ブラケット矯正とも呼ばれ、見た目にこだわる患者さんのニーズに応えた装置です。素材は主にセラミックのものが多く使われています。
高校生が矯正治療をはじめるときの注意点
高校生から矯正を始める場合、どのような矯正治療が適切なのか、そもそも矯正治療で治るのか、悩むことも多いでしょう。
また、受験や成人式を控えており、どのタイミングで始めたらよいのかも悩むところです。ここでは矯正を始めるにあたっての注意点をみていきます。
進学や就職による転医
個人差もありますが、高校生の矯正治療は一般的に1~3年程度です。(治療方法によって変わってきます)
そのため、高校生の後半に治療を開始すると、治療途中に進学や就職によって転居することもあります。
その場合は転医することになりますが、矯正治療の転医は色々と難しいので、できるだけ早めに矯正をスタートするか、卒業までに矯正治療が終了できるかをご確認の上で矯正治療をスタートすることをお勧めいたします。
治療開始時期の検討
前述のように、高校生の矯正治療は、一般的に1~3年程度です。(治療方法によって変わってきます)
そのため、受験の前には治療を終えておきたいと考えるのなら、高校入学してすぐに治療を開始しなければなりません。
なるべく転院を避けるためには、早い時期に歯科クリニックに行くことをおすすめします。
自分の希望を歯科医に伝えて、最適なスケジュールを組んでもらいましょう。
矯正治療をはじめるタイミングや見た目の不安は歯科医に相談しよう
歯列矯正は長期間治療を続ける必要があり、かかる時間と費用は大きくなります。
矯正治療を考えているのなら、まずクリニックへ行って歯科医に相談しましょう。歯列矯正の無料相談を行っているクリニックは多いです。
高校生の矯正治療は「いつまでに終えたいか」を考えて、計画的に進める必要があります。見た目を気にする高校生のために、クリニックにはいろいろな矯正装置も揃っています。
歯列矯正をするのなら、長い期間お世話になるクリニックです。信頼できるクリニックを選ぶためにも、まずは歯科クリニックに行ってみることをおすすめします。
まとめ
歯列矯正は、一般的には早く始めるほうが好ましいとされています。しかし、小さい頃だと矯正に対しての理解がありません。
口の中の違和感や、矯正装置の見た目にストレスを感じる子どもも多くいます。高校生なら治療への理解もあり、前向きに治療に専念してくれるでしょう。
気になる見た目ですが、今はマウスピース矯正など、見た目にもわかりにくい矯正装置があります。つけ心地も良く、ストレスなく矯正が可能です。
放置しておくと、歯並びは悪化するおそれもあります。小学生のときに矯正をしそびれた、という方は、ぜひ高校生からの矯正治療をご検討ください。
見た目の良い歯列矯正で、楽しい高校生活を送りましょう。