【監修:青山健一】
目 次
インビザライン矯正は透明なマウスピースを使って、歯並びを整える治療方法です。メリットが多いため、インビザラインを希望する人も増えています。
しかし、インビザラインは成功例ばかりではありません。いざインビザラインで矯正治療を始めたものの、後悔してしまうケースもあります。
高いお金を払ってインビザラインをするなら、後悔はしたくないものです。そのためには患者さんが、インビザラインのことを理解しておく必要があります。
そこで今回は、インビザラインで後悔しないための対策について解説します。ぜひ、参考にしてみて下さい。
インビザラインで後悔しない方法を解説
インビザライン矯正で後悔しないためには、デメリットや治療時のトラブルに目を向けておくようにしましょう。
これはインビザラインに限ったことではありません。歯列矯正にはメリットとともにデメリットも存在します。
治療を開始する前には、歯科医からきちんと説明を受けるようにしましょう。説明を理解したうえで、治療を開始することをおすすめします。
また、インビザラインは患者さんの自己管理が成功の鍵です。歯科医の指示通りにマウスピースの装着を続ける必要があります。
歯科医の指示を守らないと、治療が思うようにすすみません。間違った使い方をしないように、患者さんで気をつけて下さい。
また、虫歯や歯周病にかかってしまうと治療に影響が出る可能性があります。装置や口の中の環境を清潔に保つようにしましょう。
インビザラインで後悔をしないためにも、患者さん自身がインビザラインへの知識を深めておくことが大切です。
インビザラインの概要
インビザラインでは、アイライナーと呼ばれる透明なマウスピースを使います。インビザラインはアメリカで開発された、矯正治療の1つです。
患者さんの歯型をもとに、マウスピースを作り歯科医の指示に従って、交換をしながら歯並びを整えていきます。
インビザラインで使用するマウスピースは、透明で目立ちません。また、薄くて軽いため装着時の違和感も少ないです。
インビザラインは痛みも少ないため、メリットが多いとして人気が高い矯正治療といえます。
マウスピースには金属は使われていません。そのため、金属アレルギーの人でも安心して治療が可能です。
マウスピースは自分で取り外しが可能なため、食事制限もなく歯磨きも問題なくできます。インビザラインの費用は、70~100万円ほどです。
症状が軽度~中度の人向けの矯正治療です。そのため、患者さんの歯の状態によってはてインビザラインでは改善できない場合もあります。
ご自身の歯並びの状態が、インビザラインで改善できるのかは最終的に歯科医が判断します。
インビザラインを検討するときは、まずは無料の矯正相談を活用して気になることを歯科医にご相談ください。
インビザラインで後悔するケース
インビザラインでの矯正治療で、「やらなければよかった」と後悔してしまうケースには、どのような例があるのでしょうか。
インビザラインで後悔することが多いケースをみていきましょう。
治療が長引いた
インビザラインで治療を始めるときには、歯科医の判断で大まかなスケジュールを立てます。治療期間は症状や種類によりますが、1年~2年半ほどです。
カウンセリングや検査を経て、歯科医が治療にかかる期間をシミュレーションします。しかし、必ずしも予定通りに治療が進むとは限りません。
シミュレーションした通りに歯が動かない可能性もあります。インビザラインは、自分で取り外せるぶん、患者さんの協力が重要です。
歯科医の指示を守らないと、歯がうまく動かせません。そのため、治療が長引いてしまいます。
歯並びの状態が重度の場合は、インビザラインだけでは対応できないケースがあるのです。その際はワイヤー矯正など他の矯正方法と併用することもあります。
そうなると、併用した治療のぶんだけ期間も長くなるのです。期間が長くなると費用もかかるため、後悔するケースがあります。
仕上がりに満足できない
インビザラインで治療をした人全員が、満足のいく仕上がりになるとは限りません。歯科医の計画通りに歯が動かないこともあります。
インビザラインは軽度~中度の歯並び向きの治療です。ワイヤー矯正よりも歯を動かす力は強くありません。
患者さんの症状によっては、治療の効果が出にくい可能性もあるのです。矯正の仕上がりに満足できない場合は、再治療や別の方法を行うことになります。
インビザラインは安価な治療ではありません。それなのに思った通りの仕上がりにならなかったら、後悔する結果になってしまいます。
アイライナーを装着するだけだと思っていた
インビザラインを希望する人の中には、治療ではマウスピースを装着するだけの手軽な治療だと思っている人が多いです。
抜歯をする可能性も少ないとされていますが、そのままでは歯を並べることができない場合は、歯の表面を削ります。
場合によっては抜歯の処置が必要になることもあるため、「こんなはずじゃなかった」と感じる患者さんもいるのです。
また、インビザラインで使う装置はマウスピースだけではありません。マウスピースを着ける前に、アタッチメントという装置を歯に取り付けます。
アタッチメントは白い小さいプラスチックの装置です。動かす歯1つ1つに取り付けることで、マウスピースをしっかりはめ込むことができます。
マウスピースをはめ込むためには、チューイーという器具も必要です。これを面倒だと思う人もいます。
食事を気軽にとれない
インビザラインで使用するマウスピースは、マウスピースを取り外せるため、食事制限もありません。
しかし、食事のたびにマウスピースを外して虫歯や歯周病の予防のために、歯磨きをしてから装着することがベストです。
そのため外出時の買い食いなども難しくなります。調理師など、味見が必要な職種は、インビザラインのマウスピースは不便です。
インビザラインの注意点
インビザラインで後悔しないためには、治療の注意点を知っておくことが鍵となります。
インビザライン治療の際に、患者さん自身に知っておいてほしい注意点をみていきましょう。
装着時間を守る
インビザラインで予定通りに治療を進めるには、マウスピースをしっかり装着することが重要です。
装着時間の目安は1日20時間以上。食事と歯磨きのとき以外は、常に装着していることになります。もちろん、連続で20時間ではありません。
1日のトータル時間が20時間以上であればOKです。装着時間が長いほど効果は高くなります。
逆に装着時間が短くなってしまうと、歯が予定通りに動かずマウスピースが合わなくなることもあるのです。
場合によってはマウスピースを作り直さなければいけません。マウスピースを作り直すと費用もかかりますし、その間は治療が進まなくなります。
そのぶん、治療期間も伸びてしまうため、装着時間は守るようにしましょう。
正しい装着方法を知る
インビザラインのマウスピースは、浮いている状態では効果は望めません。マウスピースの装着は、しっかり奥まではめ込むようにして下さい。
はじめのうちは鏡を見ながら、装着するのがおすすめです。鏡を見ながら、マウスピースを前歯から順番に奥まで、指ではめ込んでいきます。
マウスピースを指ではめた後は、チューイーというロール状の器具を噛んで下さい。チューイーを噛むことで、マウスピースをはめ込むのです。
また、マウスピースは1~2週間ごとに交換することで歯列を整えます。交換のタイミングは歯科医から指示があります。
予定通りに治療をすすめるためにも、歯科医の指示通りにマウスピースの交換をしましょう。
紛失・破損に気をつける
マウスピースの取り扱いにも注意が必要です。紛失や破損をしてしまうケースも少なくありません。
マウスピースを着けたままの食事でマウスピースが変形・破損してしまうこともあります。洗浄の際にお湯で洗うのも変形の原因です。
マウスピースの洗浄の際は、水かぬるま湯で行うようにしましょう。
紛失の原因は、外食時に外したマウスピースをティッシュなどにくるんで置いたら、店員さんにお皿と一緒に下げられてしまったという声があります。
自分でも間違えて捨ててしまうこともあるようです。マウスピースは外したら、専用のケースに入れておく癖をつけておきましょう。
自宅での保管場所も、定位置を作っておくことをおすすめします。
デメリットを知っておく
インビザラインにはメリットも多いです。しかし歯科医によっては、メリットのみの説明しかしないケースもあります。
だからこそ、インビザラインにはメリットだけでなく、デメリットもあることを患者さんに知っておいていただきたいです。
メリット・デメリット両方の説明をしてくれる歯科医での治療が安心です。双方を理解したうえで、治療を開始するようにして下さい。
インビザラインのデメリットは?
インビザラインのデメリットは、すべての症状に対応できる治療方法ではないことです。インビザラインでは対応できない症例があります。
それでも無理にインビザラインで治療を行うと、思うとおりの結果になりません。それどことか、噛み合わせに影響が出てしまう可能性もあるのです。
ワイヤー矯正よりも歯を動かす力が弱いため、治療期間も長くなります。
また、インビザラインは自分で取り外しが可能です。だからこそ装着時間や交換のタイミングを、自己管理をしなければいけないのもデメリットです。
インビザラインで後悔しないためにできること
インビザラインは矯正治療です。保険適用外の治療で高額になります。だからこそ、治療に後悔をしてしまうのは勿体ないです。
そのようなことにならないように、後悔しないためにできることをお話します。
経験と実績のある歯科医を選ぶ
インビザラインを行うには、患者さんの症状にあった治療法の見極めが大切です。場合によっては、インビザライン以外の治療を行う必要もあります。
そこを見極めるには、歯科医の経験と実績が必要です。多くの症例に対応した歯科医であれば、治療中のトラブルにもしっかり対応してくれます。
矯正治療を受けるときは、矯正専門の資格を持った歯科医がいるか確認をしましょう。さらに実績があり、経験も豊富なクリニックが安心です。
クリニックのHPなどで、在籍する歯科医の経歴が確認できます。カウンセリング時に、詳しい説明をしてくれるかも見極めるポイントです。
治療について知っておく
インビザラインで後悔をするケースは、患者さんの知識不足が原因になっていることがあります。治療の流れや内容、を事前に知っておくようにしましょう。
わからないことや不安なことは、そのままにせずに歯科医に相談をして解決して下さい。きちんと説明を受けたうえで、治療をすすめるのが大切です。
インビザラインで後悔したくない人は信頼できる歯科医に相談
インビザラインで後悔したくない人は、経験と実績のある信頼できる歯科医に相談をするようにしましょう。
カウンセリングなどは無料で行っているクリニックも多いです。インビザラインを希望する際は、矯正専門の歯科医で無料相談を受けることをおすすめします。
WEBからも予約が可能ですので、ぜひご活用ください。
まとめ
今回は、インビザラインで後悔しないためのお話をしてきました。メリットが多い治療法ですが、もちろん注意点もあります。
「楽そうだから」「メリットが多いと歯科医にすすめられた」などで、安易に治療を始めるのはおすすめできません。
人によっては適応しない可能性もあります。インビザラインのことを少しでも理解しておくことで、後悔する可能性も低くなるのです。
信頼できる歯科医と相談をしながら、慎重に治療方法を決めていくようにしましょう。