【監修:青山健一】
目 次
小児矯正は大人の矯正治療に比べて効果が高く、歯並びを治すにはとてもよいタイミングといえます。
しかし、「歯並びが悪化した」や「無駄に抜歯された」などマイナスな意見を聞くことも少なくありません。
今回は小児矯正で失敗する原因や失敗しないための方法を紹介します。
特にお子さんの矯正治療を考えている親御さんは参考にして小児矯正に備えていきましょう。
我が子の小児矯正で失敗したくない方へ
小児矯正は顎の骨が成長段階で行う治療になるため、非常に効果があります。
しかし、治療法を間違えてしまうと効果が出ないだけでなく、悪化してしまう可能性があり注意が必要です。
そのため、我が子の矯正治療を考えている親は絶対失敗したくないと考えるのは当たり前のことです。
では失敗をしないためにはどうすればよいのでしょうか?
失敗しない小児矯正には治療を始める前の検査が非常に大切です。検査や診断を疎かにすると治療法の選択も間違えてしまうことにつながります。
小児矯正で歯科医を選ぶ際は最低でも下記の検査をしてくれる歯科医を選びましょう。
- 歯型をとる
- 頭部X選写真・パノラマ撮影
- 顔と口の写真撮影
- 顎関節の検査
それでも小児矯正で歯科医を選ぶのに迷うこともあると思います。下記のリンクで無料の矯正相談の予約を行っているため、迷っている方はぜひご活用ください。
小児矯正の概要
小児矯正とは第一期治療とも呼ばれており、この時期に歯並びを正すことで多くのメリットを得られます。
小児矯正は歯列や顎が狭い場合に、大人と比べて低いリスクで広げることが可能で、永久歯の生えてくるスペースを確保できます。
また、子どもは適応能力も高く治療後の歯や歯茎、筋肉が馴染みやすいということもメリットです。
小児矯正を行うことで正しく顎の成長を促すため、将来的に抜歯をしなくてはならないリスクを下げられます。
小児矯正の治療時期
小児矯正は6歳から12歳までに行う治療であり、それ以降に行う矯正治療は第二期治療と呼びます。
小児矯正ができる年齢は乳歯から永久歯に生え変わる時期にあたり、顎がまだ成長している時期になるため顎のバランスを整えやすく、スペースの確保がしやすいです。
子どものころから正しい矯正を行うことで、大人になっても歯の健康を保ち続けられます。
主な治療方法
矯正治療には様々な治療法や装置があり、噛み合わせの状況に合わせて正しい治療方法を選ばなければなりません。
小児矯正をする際には「治療期間を短くしてあげたい」や「取り外しができる装置にしてあげたい」など、子どものことを思った要望がたくさん挙げられます。
一般的には床矯正(しょうきょうせい)や透明なマウスピースなど取り外しが可能な矯正方法を選ぶ場合が多いです。
しかし、リンガルアーチや急速拡大装置など固定式矯正装置を使用することもあるため、それぞれのメリットやデメリットを理解して歯科医や子どもと相談をしながら決めましょう。
小児矯正で失敗したケース
前述したとおり、矯正治療に入る前に検査や診断を疎かにして、患者にきちんと説明をしないまま治療を進めてしまうと失敗するリスクは高まります。
治療を失敗してしまうと顔立ちや歯列のアンバランスを招いたり、噛み合わせが悪くなるなどのトラブルにつながるため、注意が必要です。
ここでは小児矯正で失敗したケースを紹介しています。参考にして子どもが矯正に失敗してしまうことを未然に防いでいきましょう。
治療がなかなか終わらない
矯正治療は長期に渡る治療のため、小児矯正であっても治療が長くなってしまうことはあります。長期化したとしても歯並びが改善されていれば問題はありません。
ただし、最初の状態からほとんど変わらない場合には注意が必要です。
小児矯正の場合、床矯正で拡大床をずっと装着したままのお子さんがいますが、拡大床はそこまで大きく拡大できないため、何年も入れ続ける装置ではありません。
このような場合、検査をしっかりとしていなかったり診断ミスの可能性や矯正治療を始めるタイミングを間違えているということが考えられます。
治療がなかなか終わらず、歯並びに改善が見られない場合は通院している歯科医とは別の歯科医にセカンドオピニオンを依頼することをおすすめします。
突然抜歯された
歯科医に「ガタガタになりそうだから抜歯しましょう」といわれて、突然抜歯される人もいるようです。
決して抜歯自体が悪いことではないため、専門家からいわれたら患者自身で判断するのは難しいかもしれません。
しかし、検査や説明もなく抜歯を勧めてきたら注意が必要です。
抜歯をしてしまうと元に戻すことはできません。子どもの将来を考えてしっかりと検討してから抜歯をするかどうか決めましょう。
噛み合わせが悪くなった
矯正治療はしっかりと計画を立てて行わないと、継続しているうちに前歯が出てきて口が閉じなくなってしまうケースがあります。
この症状はオープンバイトと呼ばれる不正咬合の状態で、前歯の噛み合わせが悪くなり隙間ができているのです。
これはきちんと診断をせずに無理矢理歯並びだけを治そうとしたときに起きてしまうため、治療を始める前に治療方針の確認が重要です。
後戻り
歯並びがキレイになってもしっかりと対策をしなければ「後戻り」を起こしてしまい、再度歯並びが悪くなってしまうことがあります。
これは、矯正治療後に後戻り対策をせずに、治療を完了させてしまうために起きてしまいます。
通常であれば後戻りを防ぐためにマウスピースを作成して就寝中に装着するなど、正しい処置をしなくてはなりません。
我が子を守るためには、小児矯正について理解をしていく必要があります。
小児矯正で失敗する原因
小児矯正で失敗をする原因はいくつか挙げられます。子どもを守るためには、歯科医だけでなく親も失敗する原因を理解しておくことが重要です。
ここでは、小児矯正で失敗する原因について紹介していきます。参考にして我が子が同じ状況に陥らないように注意をしていきましょう。
治療前の検査不足
前項でも紹介したとおり、治療前の検査は非常に重要です。治療前の検査をしっかりとしている歯科医は、治療計画をきっちりと立てて治療を進めていきます。
一方治療前の検査が不足している歯科医は検査に基づく説明や診断がないまま、治療を進めてしまいます。
初診相談の際に検査設備について質問をして、設備がそろっているか確認しておきましょう。設備が揃っていない歯科医院は検査をしっかりしない恐れがあるため、注意が必要です。
不必要な抜歯
小児矯正は抜歯をしなくても矯正を行える可能性があります。そのため、抜歯を勧めてきたときには注意して判断しましょう。
特にしっかりと検査や説明がないまま抜歯をしようとした場合には注意が必要です。
歯科医が勧めてきたからといって、安易に了承せずにしっかりと検討をしてから治療を進めなければいけません。
患者自身で判断が難しい場合には他の歯科医院に相談をしてみることも有効な手段です。
歯科医の経験不足
小児矯正は専門性の高い治療のため、担当する歯科医の実績も治療を成功させる上で重要です。
中には歯科医が経験不足のまま治療するケースがあり、小児矯正における重要な判断がなされないこともあり得ます。
歯科医を選ぶときには、日本矯正歯科学会の認定医がいる歯科医院を選択するのがおすすめです。
小児矯正にデメリットはある?
メリットの多い小児矯正ですが、もちろんデメリットも存在します。メリットだけでなくデメリットも理解しておくと、小児矯正の失敗を避けることにつながります。
小児矯正は顎の成長に合わせて治療を進めていくため、成長が終わる15歳前後まで経過観察が必要です。
そのため、治療期間が長くなってしまうこともあり、注意が必要です。
さらに、矯正装置を装着して生活をしなくてはならないため、見た目が気になってしまいます。特に多感な子供にとっては我慢を強要されることとなります。
ほかにも、装置が影響して歯磨きがしにくく虫歯になりやすくなってしまうため、親御さんがしっかりとケアをしなくてはなりません。
今回紹介したデメリットを理解して子どもの治療に活かしていきましょう。
失敗しないためにできること
矯正治療は長期に渡る治療となるため、失敗はできるだけ避けたいと考えるのが一般的です。
治療期間が長いため治療費も高くなりますし、何より子どもに不自由な思いをさせてしまいます。
今から紹介する失敗しないためにしておきたいポイントを理解して、子どもの矯正治療が円滑に進むようにしていきましょう。
経験と実績のある歯科医を選ぶ
矯正治療は専門性が高いため、経験と実績のある歯科医を選ぶことが重要です。
前項でも紹介しているように、日本矯正歯科学会の認定医がいる歯科医を選びましょう。
認定医になるためには5年以上の専門的な研修を行い、学会の試験に合格しなくてはなりません。
つまりこの認定を持っているということは矯正の知識や技術が豊富だと証明できます。
自分の住んでいる地域に認定医がいるかどうかは、日本矯正学会のホームページからも確認ができるため、治療を申し込む前に確認してみましょう。
治療方針を確認しておく
治療を開始する前に治療方針を確認しておくことも重要です。矯正治療は長期の治療のため、治療方針がしっかりと決まっていないと治療が長引いてしまいます。
どういう順序で歯並びがよくなるか、歯科医の説明を受けてから治療方法を決めていきましょう。
特に、曖昧なことをいわず具体的な費用や期間を提示してくれる歯科医は信頼できます。どういう治療で、どれくらい費用と期間がかかるのかを明確にして治療を進めましょう。
小児矯正の失敗が不安な方は信頼できる歯科医に相談
小児矯正は専門性の高い治療のため、失敗に対する不安を抱える人は少なくありません。
特に子どもは不安を感じてしまうと治療に対して後ろ向きになってしまい、治療を円滑に進めにくくなってしまいます。
そのため、親だけでなく子どもも信頼できる歯科医に治療を頼むことが重要です。ネットの口コミや初診相談の際の雰囲気などで歯科医を見つけていきましょう。
また、下記のリンクから無料の矯正相談を受け付けています。矯正について不安がある場合には、こちらに相談することもおすすめです。
是非活用して、小児矯正を円滑に進めていきましょう。
まとめ
今回紹介してきた通り、小児矯正は失敗のリスクも含んでいることが分かりました。そのため、治療前にしっかりと検査をしてくれる歯科医に相談するのが大切です。
子どもの歯並びのためにも、治療を始める前には事前に歯科医を調べて信頼できる歯科医を見つけましょう。