デーモンシステムと従来のブラケットとの相違点をご紹介|デーモンシステムによる矯正のメリット・デメリットも詳しく解説

【監修:青山健一】

デーモンシステムと従来のブラケットとの相違点をご紹介|デーモンシステムによる矯正のメリット・デメリットも詳しく解説

デーモンシステムとは、1990年代にアメリカで誕生した新しい矯正方法です。現在日本でも取り扱いのある矯正歯科医院が増えています。
メーカーのデータ比較によると、従来の矯正装置と比べて矯正期間が短くてすむ、痛みが少ない、歯磨きなどが楽にできるなど大好評です。

ワイヤーには形状記憶合金を使用しブラケットとワイヤーの摩擦を1/20まで減らした結果、通常のワイヤー矯正と比べ多くのメリットをもたらしています。
通常のワイヤー矯正やマウスピース矯正とどのように違うか、デーモンシステムの仕組みやデメリットについても説明します。

デーモンシステムの概要

デーモンシステムの概要

デーモンシステムは、アメリカの矯正歯科医の名前を取って名付けられた歯列矯正装置名です。矯正治療名としても使われます。
萌出した歯に矯正治療を施すには、どこにどのぐらいの力をかければいいのか、対象となる筋肉や神経、骨の形成を考えなくてはなりません。

デーモンシステムは従来の矯正器具で起こる摩擦力を抑え、矯正期間を短くする結果をもたらしています。理由は優れたブラケットと特殊ワイヤーです。
歯の矯正時の圧力は、強すぎても弱すぎてもいけません。従来はそのバランスをとるのが非常に難しいといわれていました。

デーモンシステムは、ブラケットにシャッターを取り付け、ほとんどのワイヤー矯正で必要だった結紮(けっさい)をなくすことに成功しました。
これによって摩擦力はワイヤー矯正と比べて20分の1まで減り、短期間で歯が移動するという実験結果がでています。

従来のブラケット装置との相違点

従来のブラケット装置との相違点

従来のワイヤー矯正は、ワイヤー、ブラケット、結紮で構成されています。結紮はワイヤーを留める部品でメタルとモジュールの2種類です。
審美的な理由でブラケットの種類は透明なプラスチックやセラミック製もあります。裏側矯正もワイヤー矯正の1つです。

いずれもワイヤー矯正のデメリットは、取り外しができないことや歯の痛み、虫歯の発生の可能性などがあります。
ブラケットの形状は結紮と呼ばれるゴムやメタルでワイヤ―を固定できるようになっています。歯科医の技術で結紮をきつくしたり緩めることも可能です。

難点はワイヤーの固定が完全にできないため、適切な矯正圧力がかからず歯の移動に時間がかかります。
ワイヤー矯正は最も効果的な1つの矯正方法として昔から歯科矯正で使われています。これ以上歯の移動を早めることは不可能だといわれてたほどです。

一方、デーモンシステムのブラケットは、セルフライゲーション(自己結紮)と呼ばれ、ブラケットにシャッターが付随しています。
ブラケットのシャッターを閉めるとワイヤーが固定され圧力が逃げません。ブラケットへの摩擦力を減らし、少ない圧力で歯を移動させます。

1990年代に日本に導入されたデーモンシステムはたちまち広がり、現在は多くの歯科矯正医院で対応できるようになりました。

デーモンシステムのメリット

デーモンシステムのメリット

デーモンシステムはローフォース・ローフリクション(弱圧、弱摩擦)が最大の強みです。他にも下記のようなメリットがあります。

治療中の痛みが軽減される

デーモンシステムの矯正方法は、痛みが少ないことで評判です。
歯根にかかる圧力には慣れるとはいうものの、通常のワイヤー矯正では鈍い痛みを訴える患者様も多く途中で断念する方もいらっしゃいます。
痛みを我慢しなくてはいけないのは、毎日のストレスでしかありません。
デーモンシステムは、ワイヤーと装置の摩擦を20分の1に削減したことで、痛みが緩和したことが話題となりました。

治療期間が短縮可能

今までよりも弱い力でなぜ治療期間が短縮されるのか、それは歯列矯正には過剰な圧力は必要ないからです。
歯を移動するために必要な圧力は歯根1㎝2に対して約80㎏以下が必要ということがわかっています。今までのワイヤー矯正の場合、摩擦が生じていました。

デーモンシステムではブランケットのシャッターがワイヤーをしっかり固定するため、効率よく圧力がかかり、従来の日数よりも早く歯が移動します。
また適正な弱い圧力は歯根や歯肉のダメ―ジが少なく、口腔内の代謝が活発になることも歯の移動が早くなった理由の1つです。
調査によると従来比で20%から30%矯正期間が短くなったという報告がでています。

通院回数が少なくてすむ

通院回数が少なくてすむ

デーモンシステムでの治療通院回数は状態にもよりますが、平均して1.5ヵ月から2ヵ月に1回の通院が必要です。
通常のワイヤー矯正の場合は1ヵ月に1回のペースで通院しますが、ブラケットとワイヤーのメンテナンスに手間がかからないため通院回数が少なくなります。

抜歯する可能性が低くなる

抜歯する可能性が低くなる

デーモンシステムで理想の位置に歯が移動すれば、歯列移動のために抜歯を検討している箇所がなくなる可能性もあります。
従来のワイヤー矯正では、歯根にかかる圧力が弱いため抜歯でスペースを確保し誘導するように移動させる治療でした。

どんな方向からでも歯根に効率的に圧力がかかるため歯が動きやすく、その分抜歯が必要ない可能性が増えたということです。
既存の歯を失わずに矯正治療ができる点は患者様からも共感を頂き、人気の矯正方法となっています。

歯や顎関節への影響が少ない

痛みを生じるとストレスホルモンが分泌され、体内の組織は痛みを回避しようと神経や筋肉組織に無意識に働きかけます。
矯正治療の痛みが続くと歯槽骨や歯肉にも栄養が届きにくいため炎症を起こしやすいです。

デーモンシステムなら従来のワイヤー矯正よりもずっと少ない圧力で歯を動かすため、無理な負担が歯や顎にかかりません。
他の矯正方法と組み合わせて使えば一層治療範囲が広がり、無理なく歯を正しい位置に戻すことができます。

歯根吸収などのリスクが抑えられる

歯根吸収とは、歯列矯正によって、歯が動くたびに歯根が削れて短くなる症状です。
従来の歯列矯正は、歯根に前後左右に圧力をかけるため歯根吸収は避けられないという概念が常識となっていました。

しかし、デーモンシステムは非常に効率的に歯列に圧力をかけられるため歯根への負担が少なく歯根吸収の発生率も抑えられています。
歯根吸収は矯正中や矯正直後は問題ありませんが、加齢によって歯肉が弱まると歯根がぐらつき歯が抜けたり歯周病になりやすいです。

デーモンシステムのデメリット

デーモンシステムのデメリット

非常に多くのメリットをもつデーモンシステムですが、あえてデメリットを理解しておくことで冷静に矯正方法を判断できます。
どの矯正方法にもメリットデメリットは存在し、矯正治療に完璧という言葉はありません。しかし相対比較し優先順位をつけることで、満足度の高い治療になるはずです。

ワイヤーが目立つ

デーモンシステムに使われる特殊ワイヤーは、改良をかさねあまり目立たなくなりましたが、裏側矯正やマウスピースに比べると目立ちます。
アメリカでは矯正治療はマナーの1つとして捉えられており、矯正器具をつけている大人がいても珍しくありません。

日本では、矯正治療を恥ずかしいと思う文化があるため、ワイヤーが気になる方はマウスピース型の矯正をお勧めします。

矯正器具の厚みで違和感が生じる場合も

デーモンシステムのブラケットはワイヤーを固定する独特のシャッターがついているため、横からみると結紮タイプよりも厚みがあります。
この厚みが歯肉や唇にふれるのが嫌という人はいるかもしれません。
改良を重ねてかなり薄くなりましたが、ブラケット自体が気になる方は別の矯正方法を選びましょう。

デーモンシステムの見た目が気になる人は

デーモンシステムの見た目が気になる人は

デーモンシステムの難点は、その審美面です。矯正期間は数ヶ月以上かかるため、納得した上で矯正治療を始めましょう。
デーモンシステムで見た目を気にする人は下記の矯正方法も検討可能です。

デーモンクリア

デーモンシステムのメーカー、オルムコ社がその審美的問題を解決するために開発したのがデーモンクリアです。
メタル製のブラケットをセラミックに変え、メタル版と遜色ない矯正力を維持しながら審美効果がアップしました。

これなら、外見を気にする方でも検討していただけます。ワイヤーは透明にはなりませんが、ブラケットが見えにくくなりました。

マウスピース矯正

マウスピース矯正

デーモンシステムの見た目が気になる患者様には、マウスピース矯正がおすすめです。取り外しも可能で上記のインビザラインは透明な素材で人気があります。
これなら矯正しているからといって、歯を気にすることはありません。

インビザラインは全体矯正です。マウスピースの扱いしだいでは矯正が戻ってしまったり、歯が動かない場合もあるため注意しましょう。
矯正器具は、ご紹介した以外にも用途に応じて他にもいろいろあります。もちろん患者様の歯の状態にあわせた治療計画が必要です。

マウスピースでも、デーモンクリアでもデメリットはあります。冷静な判断をもって最善の方法を選択しましょう。
ご不安な方は、下記の無料矯正相談へお気軽にご相談ください。

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デーモンシステムは子どもにも適用可能

デーモンシステムは子どもにも適用可能

デーモンシステムは子どもにも適用可能です。歯と矯正器具の摩擦が軽減するため、柔らかい歯肉や歯根に負担がかかりません。
またデーモンシステムなら結紮がなくワイヤー交換も簡単ですから、治療椅子に長い時間座っていられないお子様には向いています。

又ブラケットを外す際も、余計な力を入れることなく簡単で痛みもありません。ワイヤーの破損などは、すぐに主治医に診察してもらってください。

デーモンシステムで矯正治療を行いたいなら

デーモンシステムで矯正治療を行いたいなら

画期的な矯正方法のデーモンシステムは、従来の矯正の問題点をクリアし、治療期間が短くなるという利点もあります。
取り扱いをしている歯科医院が限られるため、上記の無料矯正相談にてお問合せください。

患者様の症状によっては、他の矯正方法も組み合わせて治療を行う場合もあります。歯科医の説明を理解した上で治療を始めましょう。
デーモンシステムをはじめ歯列矯正で気になることがあれば、無料相談を活用して歯科医に聞いてみましょう。

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まとめ

まとめ

デーモンシステムは素晴らしい治療方法ですがデメリットもあるため、よく考えて選んでください。
歯列矯正がいかに科学的に歯列を移動させるか、その難しさが理解できたのではないでしょうか。
自分の歯にとって最善な方法を選択しましょう。そのためには、実績のある通院可能な歯科医院を見つけることが必要不可欠です。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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