顎が小さい大人の矯正について歯科医が解説| メリット・デメリット・歯を抜かない治療法も紹介します

【監修:青山健一】

顎が小さい大人の矯正について歯科医が解説| メリット・デメリット・歯を抜かない治療法も紹介します

歯並びをキレイにする歯列矯正をお考えの方の中には、「小さい顎」についてお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では顎が小さいと歯並びが悪くなる理由やリスク・自分でできる改善方法・歯科医師による治療方法などについて解説します。

大人でもできる歯列矯正治療や外科的手術メリットやデメリットなどの解説もご参考になさってください。

顎が小さい大人が抱えやすい問題

顎が小さい大人が抱えやすい問題

顎が小さいと顎が引っ込んで見えることやお顔がゆがんで見えることなど、見た目のお悩みを抱える患者様が多くいらっしゃいます。
その他にもデコボコの歯並び(叢生)や噛み合わせが悪い不正咬合、虫歯や歯周病になりやすいなど、お口の中のお悩みも多いのが現状です。

ここでは顎が小さい大人が抱えやすい問題について詳しく解説いたします。

出っ歯・八重歯になりやすい

出っ歯・八重歯になりやすい

なぜ、顎が小さいと出っ歯や八重歯などになりやすいのでしょうか。それは顎のサイズが小さいため、歯が並ぶスペースが足りないことが原因と考えられます。
人間の歯は親知らずを含めると上顎と下顎に16本ずつ合計32本。親知らずを数えないとしても合計28本の歯が並ぶスペースが必要です。

顎が小さい患者様の場合、歯が並ぶスペースが足りないため歯が前にせり出す「出っ歯」や歯が重なって生えてくる「八重歯」になりやすい傾向があります。

虫歯や歯周病になりやすい

一般的に出っ歯や八重歯などは虫歯や歯周病になりやすいといわれています。それは歯並びが複雑なため歯磨きがしにくいのが原因です。
また、顎が小さい方は上顎と下顎のサイズが違うため口が閉じにくく、知らず知らずのうちに「口呼吸」になっている傾向があります。

口呼吸により口の中が乾燥すると雑菌の繁殖を促してしまうため、虫歯・歯周病・歯肉炎・歯周炎などになりやすく、十分注意が必要です。

いびき・骨格への影響

顎の小さい方はいびきをかきやすいという報告があります。なぜかというと、顎が小さい方はもともと顎や舌の筋肉が弱い傾向があるためです。

舌をささえる筋肉が弱いと就寝時に舌が落ち込み気道をふさいでしまうことがあり、これがいびきの原因とされています。
思い当たる方は睡眠時無呼吸症候群にも注意が必要です。

また、噛み合わせの悪さが原因で体のゆがみを発生させることがあるのをご存じでしょうか?噛み合わせの悪さは骨格のゆがみの発端となることもあります。

小さい顎を改善する方法

小さい顎を改善する方法

小さい顎を改善したいけれど「大人になってからでは無理だろう」とのお声を耳にしますが、大人になってからも改善を目指せる方法があります。

例えば、食べものをよく噛むことや舌のトレーニング、歯科矯正や外科的手術などの中から、ご自分にあった改善方法をご検討なさってはいかがでしょうか。

次にそれぞれ詳しくご紹介していきます。

大人になっても噛むことを意識

小さい顎の方は筋肉が弱い傾向がありますが、体のエクササイズのようにお口の筋肉(咀嚼筋)舌の筋肉(舌骨筋群)は鍛えられます。

  • よく噛むことを意識する
  • お料理の材料(お肉や野菜など)を大きく切ってよく噛むようにする
  • 固いものを食べる
  • 左右均等に噛むことを意識する

など、毎日少しずつの積み重ねで症状を改善させていく方法があります。

歯科矯正治療

歯科矯正治療

小さい顎の改善のためには歯科矯正治療が有効な手段のひとつです。
例えば、歯に矯正装置とワイヤーを取り付ける「表側矯正」「裏側矯正」、透明なマウスピースをかぶせる「マウスピース矯正」などがあります。

矯正期間はお口の状況によりさまざまですが約2~3年ほどで、デコボコの歯並びをキレイに整えるとともに噛み合わせをよくする効果も期待できます。

外科的手術

顎が小さいため上の歯と下の歯の「ずれ」が大きく、歯列矯正だけでは治療できないと判断された場合は外科的手術を選ぶという方法もあります。

顎骨延長手術(顎の骨を切断し延長金具を装着する手術)により、下顎を前に出したり、上顎と下顎の噛み合わせのバランスを整えたりすることができます。

矯正治療よりも短期間ですぐ結果が得られるメリットがある一方、治療には入院が必要で手術による痛みや腫れの症状への心構えが必要です。

歯科治療についての疑問や不安は歯科医によくご相談ください。下記リンクから無料相談をインターネットでご予約いただけます。

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顎が小さい大人の矯正メリット

顎が小さい大人の矯正メリット

顎が小さいことによる悩みやコンプレックスをお持ちの方が矯正をしたときには、どんなメリットが得られるのでしょうか。
歯列矯正は歯並びを整えるだけではなく、口腔トラブルを改善したり、外見の悩みを解消したり、うれしいメリットが期待できます。

歯並び・噛み合わせの改善

歯科矯正治療をすると顎が小さい方によくみられる出っ歯・八重歯・乱ぐい歯などの歯並びや噛み合わせが改善します。
口元の突出感が減る・発音がしやすくなる・あごの付け根が痛む顎関節症などが改善することは、患者様にとってうれしいメリットです。
また、噛み合わせの悪さが原因と考えられる頭痛や肩こりなども改善し、体調が整うメリットも報告されています。

口腔内トラブルの改善

口腔内トラブルの改善

歯科矯正治療により歯並びや噛み合わせが改善すると、さまざまな口腔内トラブルの改善が期待できます。
なぜなら歯並びがスッキリ整うと歯磨きなどのマウスケアがしやすくなることが大きな理由のひとつです。

また、噛み合わせが整い口をしっかり閉じられるようになると、虫歯や歯周病のリスクが軽減し、お口の中をさわやかに保てるようになります。

外見の改善

歯科矯正治療により歯並びや噛み合わせを整えると、お顔の印象など外見の改善にもつながります。
出っ歯や八重歯などでふくらんで見えていた口元がスッキリし、特に横顔のシルエット(Eライン=エステティックライン)が整う効果が期待できます。
お口の中だけではなく、外見の改善も見込めることは患者様にとって大きなメリットです。

顎が小さい大人の矯正デメリット

顎が小さい大人の矯正デメリット

これまで矯正によるさまざまなメリットをとりあげてきました。しかし、やはり良いことばかりではなくデメリットもあることは否めません。

例えば、矯正装置をつけている間は、歯磨きがしにくくなる・発音しにくくなる・矯正装置が舌に当たり痛むことなどが予想されます。
ほかにも、大人の矯正治療による抜歯の必要性や治療期間・費用などについても詳しく解説いたします。

抜歯が必要な場合がある

矯正治療には歯を動かして整えていくためのスペースが必要です。特に顎が小さい方はスペースの確保が難しく抜歯が必要な場合があります。

抜歯に抵抗感を持たれる方が多いと思いますが、抜歯すると歯を大きく移動できるため矯正治療の効果をより得られるのは言うまでもありません。

抜歯するのは上顎の第一小臼歯(犬歯のひとつ後ろ・中心から四番め)や第二小臼歯(第一小臼歯の後ろ・中心から五番め)が多く見うけられます。

子どもの矯正より時間と費用がかかる

矯正治療は一般的に子どもより大人の方が時間と費用がかかります。
それは、発育期の子どもはまだ骨が柔らかく歯や骨を動かしやすい一方、大人は歯も骨も完成されているためです。

矯正期間と費用はお口の状況によりさまざまですが、治療期間は約1年~3年・費用は約70万~110万円ほどかかるのが一般的といえます。

その他にも、初診カウンセリング料や精密検査費がかかったり、治療後アフターケアの期間が必要だったりすることもあります。

抜歯しない治療法なら

抜歯しない治療法なら

抜歯を希望されない患者様には、お口の状態により適応できない症例もありますが「マウスピース矯正」「MEAW矯正」「歯槽骨形態修正」などの治療方法があります。
抜歯をしないで済むメリットがある一方、口元は変わらない・行っているクリニックが少ないなどのデメリットがあります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は透明なマウスピースを歯全体に被せて徐々に歯並びを整えていく治療方法で、目立ちにくいためとても人気です。

取り外しができるため食事に影響がない・痛みが少ないメリットがある一方、装着時間を守れず十分な効果が得られない・無くしやすいデメリットもあります。

お口の中に歯を動かすスペースがない場合は、マウスピース矯正を希望しても適応外とされるケースが多い治療方法です。

歯槽骨形態修正

歯槽骨とは歯と顎の骨の間にある骨のことで、歯槽骨形態修正は顎を広げ歯を並べるスペースをつくる治療方法です。
臼歯(奥歯)を後方へ移動させて歯並びを整えていきますが、場合によっては歯と歯の間を削る治療を施すこともあります。
歯並びを整えるのと同時に適切な噛み合わせに誘導していく治療方法です。

非抜歯治療を希望しても抜歯が向いている人もいる

非抜歯治療を希望しても抜歯が向いている人もいる

矯正治療で健康な歯を抜歯することに抵抗がある方は多くいらっしゃいますが、歯並びやお顔のラインを整えるためにはやむを得えない場合もあります。

例えば、

  • 上顎と下顎の「ずれ」が大きい
  • 歯が並ぶスペースが足りない
  • 前歯が前に出てしまう
  • 噛み合わせが悪い

など、非抜歯治療では些細な効果しか見込めないが、抜歯してスペースを広げれば大きな効果が得られるときにはおすすめすることがあります。

顎が小さくて悩んだら歯科医へ相談

顎が小さくて悩んだら歯科医へ相談

顎が小さいことによるお顔のゆがみや歯並びの乱れ、ストレスやコンプレックスをお持ちの方は、ぜひ矯正歯科医院に相談なさってください。

矯正歯科専門医院なら数ある種類の中から患者様にあった治療方法を提案されるでしょう。「悩みを解消する治療方法がある」とわかるだけでも、きっと心が軽くなります。

歯科矯正治療の疑問や不安についての無料相談をインターネットでご予約いただけます。下記リンクからぜひお気軽にご予約ください。

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まとめ

まとめ

顎が小さいために抱えてしまうトラブルを解消するさまざまな方法をご紹介してきました。
食事をよく噛んで食べることや虫歯・歯周病などのリスクを回避するマウスケアなど、毎日自分でできる方法を習慣づけることも有効です。

ご自分の努力だけではどうにもならない歯並びやフェイスラインの改善は、歯科医師による歯列矯正・外科的手術などがあります。
豊富な種類の中から、あなたに合った治療方法をきっと見つけられます。心から笑顔になれるステキな歯並びを手に入れてください。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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