【監修:青山健一】
目 次
クリンチェックはインビザラインで矯正治療をする際に使います。
治療に使用するマウスピースを装着してどのように歯を動かして矯正するかを3D動画でシミュレーションして確認することです。
クリンチェックにはアメリカのアライン・テクノロジー社が開発したソフトを使用します。
この記事では、クリンチェックの特徴や流れを詳しく解説し、歯の動き以外にもクリンチェックで確認できることも併せてご紹介します。
クリンチェックの特徴
クリンチェックはインビザラインを生み出したアメリカのアライン・テクノロジー社が開発した3Dシミュレーションソフトです。
インビザラインはワイヤー矯正と違い治療の流れをシミュレーションできます。歯がどのように動くのか3D(立体的)で確認できることが特徴です。
歯科医師だけが歯の動きをイメージするのではなく、患者様も自分の歯並びがきれいになる様子を一緒にシミュレーションを見られるため、患者様のモチベーション向上にもつながります。
インビザライン独自の工程
治療過程がシミュレーションできる矯正治療はインビザライン以外にもあります。
しかし、歯の動きを治療開始から完了までシミュレーションできるものはインビザライン以外にはなく、世界中の臨床例を集めた膨大なデータ量で的確な治療計画を立てられるのです。
自分で治療計画を確認できないワイヤー矯正と違い、患者様のご要望をうかがいながら満足のいく仕上がりを目指して一緒に計画を立てられます。
3D画像によるシミュレーション
そのシミュレーション画像を使い、医師が微調整をします。
ここではアタッチメントを追加する、IPRの見直しや患者様のご要望を取り入れるなどの見直しと確認が主体です。
クリンチェックが終了したらデータをアライン・テクノロジー社へ送りマウスピースを作成します。
インビザラインやクリンチェックについて気になることがありましたら、下記リンクから無料の矯正相談を予約できます。
クリンチェックの役割
治療の進行を事前に確認できるクリンチェックは、とても大切な役割を持っています。
それはインビザライン矯正の治療計画とシミュレーションです。ここでは、クリンチェックがインビザライン矯正においてどのような役割を担っているのか解説します。
クリンチェックで確認できること
クリンチェックでは、患者様が矯正を始めてから治療が終了するまでをシミュレーションして3D動画で確認できます。
治療中の歯の動きと治療後の歯並びを自分の目で見られるなら不安も解消されますね。ここではクリンチェックで確認できることを詳しく解説します。
治療後の歯並び
治療が終わって想像どおりの歯並びになるのか患者様はとても不安です。
シミュレーションされた矯正後の歯並びを患者様が実際に見ることで、要望を歯科医師に伝えて希望通りの仕上がりに調整することが可能になりました。
治療中の歯の動き
クリンチェックの最大の利点は、治療の過程で歯がどのように動いていくのかを患者様の目で確かめられることです。
3D動画で確認できるため、患者様の不安も軽くなり治療へのモチベーションを維持できます。
さらに、抜歯をしたらどうなるか、アタッチメントやIPRをするとどうなるのかをシミュレーションできるため、歯科医師まかせにならず患者様の不安も軽くなるのです。
必要なアタッチメントやIPR
インビザラインはマウスピースを装着して矯正するため、矯正の途中でマウスピースと歯が合わなくなってしまい、矯正をする力が弱くなります。
このように矯正力を弱めることなく持続できるのがアタッチメントです。マウスピースと歯を密着させて維持できるようにして、患者様の意思では取ることができません。
アタッチメントに使われる素材はコンポジットレジンとよばれる虫歯治療の詰め物に使われることの多い歯科材料です。
色も歯と同じような白色で目立ちません。様々な種類があるため、歯科医師に最適なアタッチメントを判断してもらいましょう。
IPR(Interproximal Reduction)は歯と歯の間の隣接面をダイヤモンドポイントかやすりで0.1~0.5mmほど削る処置です。
歯列不正を解消するために歯を削り、大きさの調整・歯が動くスペースの確保などに使われます。
抜歯をしなくても歯が並ぶスペースの確保が可能です。
両方ともクリンチェックでインビザラインを作成する際に、アタッチメント使用の有無・IPRを行うのかを判断します。
クリンチェックから治療開始までの流れ
ここからはインビザライン矯正の治療工程をご紹介します。
インビザラインで矯正治療を行うのは、クリンチェックの前後にさまざまな工程を経てからです。
虫歯や歯周病などのお口のトラブルはマウスピースを装着する前に治療をしておきます。
型取りと検査が終わってからシミュレーションが届くまでが2週間、マウスピースの作成にさらに2週間かかるため、余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
診察
まずは医師の診察からです。インビザライン矯正ができる症例なのかを判断し、問診で患者様の理想の歯並びについて話し合います。
口腔内検査を行い、この時点で見つかった虫歯や歯周病も治療を完了させて治療開始です。
検査・型取り
虫歯などの治療が終われば次は精密検査と型取りです。精密検査とはレントゲン撮影と口腔内写真を撮影します。
口腔内写真はさまざまなアングルからお口の中と、正面と横顔の顔貌も撮影対象です。そして、歯型を取るには2種類の方法があります。
シリコンなどの印象材で型を取る方法と、iTero(アイテロ)というデジタル機器でスキャンする方法です。
アライン社へ情報を送る
口腔内写真、歯周のレントゲン写真、型取りをした歯型がクリンチェック作成のための材料です。
クリンチェックが終わったら、歯科医師の判断や患者様の要望などを取り入れ調整したシミュレーションをアメリカのアライン・テクノロジー社へ送り、マウスピース作成を依頼します。
マウスピース作成
2週間前後で実際に使用するマウスピース(アライナー)が届きます。マウスピースを患者様にお渡しして治療開始です。
歯科医師からマウスピースの装着方法や1日の装着時間、交換時期の説明を受けます。装着や洗浄は患者様の自己管理です。定期的に通院して歯の動きなどを確認します。
治療開始
マウスピースの装着時間が短いと歯が動くスピードが遅くなり、予想もしない方向へ動くこともあります。指定された装着時間を守りましょう。
虫歯になった場合は虫歯治療が優先です。
しかし、矯正歯科では虫歯治療を行っていない場合もあるため別の歯科医院で治療するケースもあります。
無料の矯正相談は下記のリンクから予約可能です。インビザラインについてご興味のある方は、ぜひご活用ください。
クリンチェックのメリット
ここでは、クリンチェックを行うことでのメリットを解説します。クリンチェックはインビザライン矯正をするためには避けられない工程です。
歯が動いていく様子をご自分の目で確認できるため治療のモチベーションが上がるという話も聞きます。
治療の工程を把握できる
何よりも画期的なのは治療工程を患者様と歯科医師が共有できるということです。
治療計画は歯科医師だけが分かるものでしたが、クリンチェックは患者様が治療過程の3D動画を確認して治療を始める前に要望を出せます。
アタッチメントやIPRもこの時点で行ってからの様子が確認でき、患者様も治療が終わってからこんなはずではなかったという後悔も避けられます。
モチベーションを維持しやすい
治療工程を実際に動画で確認することで、患者様自身の歯がどのように動いていくのかをイメージしやすくなります。
患者様の要望もすべてではありませんが取り入れることが可能なため、結果が分からない、歯科医師に任せきりは怖いという不安から解放されるのです。
クリンチェックは歯科医による調整も大切
クリンチェックは歯科医師による調整も大切です。歯科医師の技術が未熟でもインビザラインを治療に使うことはできます。
しかし、患者様にあった矯正をするならばやはり経験と高い技術が必要です。
シミュレーションができる前では仕上がりのイメージがわきませんが、3D動画ができあがればどうやって患者様ご自身の歯が動いていくかをイメージできます。
シミュレーション動画はアライン・テクノロジー社が口腔内写真や歯型をもとに動画を作ったため、どうしても患者様のご要望からはズレてしまうのです。
このズレを直すために歯科医師の調整が必要になります。
クリンチェックの疑問点は信頼できる専門医に相談を
インビザライン矯正は費用も高く、時間も最長3年と時間もかかります。患者様の大事な歯並びと時間と費用を歯科医師に委ねるため疑問や不安も当然です。
クリンチェックは経験の浅い歯科医師でもできてしまいます。しかし、患者様のご要望にお応えできるのはやはり経験から来る確かな技術です。
インビザラインの症例経験をホームページに公開している歯科医院もあるため、診察を受ける前に調べてみることをおすすめします。
インビザラインの確かな知識と経験がクリンチェックには必要です。患者様の不安と疑問を解決するために歯科医師とスタッフにどんなことでもご相談ください。
迷われている方は治療前にシミュレーションを見ていただいて、治療をするか否かを判断していただいても結構です。検査は4,000円ほどになります。
まとめ
クリンチェックについて解説しました。インビザライン矯正が一般的になりつつある流れのなかで、クリンチェックは欠かせない工程です。
口腔内写真や歯型などがあればシミュレーションが出来上がってしまいますが、やはり歯科医師の調整が必要不可欠になります。
クリンチェックの時点で出来上がったシミュレーションに関しての疑問はぜひおっしゃってください。
経験豊富な歯科医師が患者様のご要望にできるだけお応えしますが、最終的には歯科医師の判断です。
インビザラインに対応できない症例もあります。歯列矯正にご興味があるのならば、ぜひ歯科医院にご相談ください。
矯正治療の経験豊富な歯科医師が患者様の症例やライフスタイルに配慮した治療方法をご提案します。ご相談だけでも結構です。
患者様の大切な歯並びのために的確なアドバイスをいたします。