【監修:青山健一】
目 次
自分の顔を鏡で見たとき、いつも口角が下がっていて口元が「へ」の字に見えるという悩みはありませんか?
口角が下がって見えるのは出っ歯が原因の可能性があります。
口角と歯並びの悪さは一見関係のないように思うかもしれませんが、実はそうではありません。
歯並びには遺伝の要素もありますが生活習慣や食生活、癖なども影響しています。
口元のコンプレックスの原因になるため、改善したいと考えている方も多いです。
この記事では出っ歯によって口角が下がる原因とその対処方法、歯列矯正の種類についてもご紹介します。
歯並びと口角の関係性
口のまわりには「口輪筋」などの筋肉があり、口角の方向には筋肉のバランスが関係しています。
出っ歯の場合は口元が前方に突出しているため筋肉が引っ張られた状態です。その結果、口まわりの筋肉のバランスが崩れて口角が下がります。
日本人は出っ歯が多いといわれますが、他の人種に比べて上の前歯2本が大きい特徴もあります。
そのため人種的に出っ歯になりやすく、日本人は口角が下がっている人が多い傾向にあり口元の歯並びも目立ちやすいのです。
出っ歯で口角が下がって見える原因
口角の方向は口角を引き上げる筋肉と引き下げる筋肉とのバランスで決まります。
口角を引き下げる筋肉が強い方や、加齢で表情筋の筋肉が弱まっている高齢者は口角が下がりやすいです。
出っ歯の場合は口元が前に突き出ているため相対的に口角が下がって見えるほか、口が閉じにくいことや口まわりの筋肉が緊張しやすいことも原因となります。
口が閉じにくい
出っ歯の方は意識しないと口を完全に閉じることができないうえ、口を閉じると口のまわりの筋肉に無理な力がかかってしまいます。
すると、唇が「へ」の字に曲がってしまうなど不自然な形になります。これが口角が下がって見える原因です。
口まわりの筋肉が緊張しやすい
出っ歯の方が意識して口を閉じようとすると口のまわりの筋肉が緊張しやすくなります。
筋肉が緊張すると口角を引き下げる筋肉が強く作用し、表情筋のバランスが崩れることが口角が下がって見える原因です。
出っ歯で口角が下がったまま放置するデメリット
出っ歯であることが日常生活に悪影響を及ぼすことはイメージしにくいかもしれません。
しかし、出っ歯を治療せずにそのままにしておくと口が閉じにくいために口の中が乾燥しやすくなります。
口の中の乾燥は口臭の原因となるほか、虫歯や歯周病のリスクが高まるなど健康状態に影響が出る可能性があります。
また、口角が下がったまま放置するとどんどん表情筋が衰えるため年齢より老けて見え、口元にコンプレックスを抱く原因となりやすいです。
笑顔を作ることが苦手になり、対人関係の問題が発生することも考えられます。
見た目の印象を左右する
普通にしているつもりなのに、人から「怒っているの?」と聞かれた経験はありませんか。
口角が下がっているとどうしても不機嫌そうに見えてしまいます。
逆に、口角が上がっている人はいつも微笑んでいるように見え、良い印象を持たれやすいものです。
美しい笑顔の基準に「スマイルライン」と呼ばれるものがあります。口元から見える白い歯が下唇に沿っていると高感度が高く魅力的な表情に見えるといわれます。
しかし、歯並びが悪い場合はスマイルラインが崩れるため見た目の印象にも影響しやすいのです。
口角が下がっている人と上がっている人では真逆の印象になります。これが似たような顔立ちやヘアスタイルの人同士でも印象に差が出る原因です。
口元のコンプレックスにつながる
出っ歯をからかわれたことが原因で自分の笑顔や表情に自信が持てないという方も多いです。
歯並びや口元を気にするあまり、笑うことが減ると口まわりの筋肉が衰えてしまうため、さらに口角が下がる原因になります。
「人前では口を開けて笑えない」「人前で話すことが苦痛」など、口元のコンプレックスが原因で人付き合いが苦手になることも考えられます。
出っ歯で口角が下がって見える場合の対処法
歯並びは自分の力だけで改善することは難しいですが、口角が下がって見える原因は歯並びだけが理由とは限りません。
日常生活で無意識に行っている生活習慣や子どもの頃からの癖が原因の場合があり、それが元で口角が下がっている可能性もあります。
下記のような習慣や癖に心当たりがある場合、意識して改善することで対処できる場合もあるため一度見直してみましょう。
習慣の見直し
出っ歯の方に多い習慣が口呼吸です。口呼吸をすると口が開いている時間が長くなるため、口を閉じるときに使う筋肉をほとんど使いません。
表情筋が衰えてしまうため、口角が下がって見える原因となるのです。
そのほかにも爪を噛む癖があると上の前歯が前方に倒れるため出っ歯の原因となり、歯と歯の間に隙間もできます。
下唇を噛む癖があると下の歯が内側に倒されて上の歯が外側に出てしまうため、これも出っ歯の原因となります。
こうした習慣がある場合は歯並びをさらに悪くする原因になるため、意識して改善することが大切です。
食生活の見直し
食事をするときにあまり噛まずに飲み込む、柔らかい食べ物ばかりを好んで食べるという食生活に心当たりはありませんか。
こういった食生活を続けると顎まわりの筋肉が衰えるため、口角が下がる原因になります。
また、食べ物を噛むときに片方の歯ばかりを使うと左右で口角の高さが変わります。
スマイルラインが崩れるため、見た目の印象に影響することがあるのです。
歯列矯正の検討
これまでに説明したように、口角が下がって見える原因には歯並びの悪さが関係している場合があります。
歯列矯正をして歯並びや噛み合わせの問題を改善することで、口角を下げる原因を取り除くことができます。
出っ歯以外にも噛み合わせが悪いなどの自覚症状がある場合は、歯科医師に相談して歯列矯正をするのも手段のひとつです。
下記リンクではインターネットから無料相談をご予約いただけます。出っ歯でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
出っ歯の歯列矯正の種類
出っ歯を歯列矯正で治したいと思った場合、下記のような3つの方法が代表的です。それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
歯の状態によっては希望する治療方法が受けられない場合もあるため、歯科医に相談してみましょう。
セラミック矯正
セラミック矯正は歯並びの悪い部分を全体的に削り、その上にセラミッククラウン(被せ物)を装着する方法です。
歯列矯正と聞いてイメージするような金属製のワイヤーの装着が必要なく短期間での矯正が可能です。
自分の歯に近い色や形で作ることができ、審美的効果も高いのもメリットになります。
ただし、この治療法では自分の健康な歯を削ることになり、場合によっては抜歯が必要になることがあります。
また、セラミック矯正では歯茎の出っ張りを改善することはできないため、歯茎を内側へ動かしたい場合には対応できません。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は歯に「ワイヤー・ブラケット」という装置をつけて歯並びを整える方法で、歯列矯正と聞くとこの方法をイメージする方が多いですよね。
この方法は歯の位置を大きく動かすことができるため、あらゆる歯並びの方に対応できます。
また、自分の歯を削らずに治療できることも大きなメリットですが、不要な歯がある場合は抜歯が必要になる場合もあります。
金属製の装置をつけるために口元に違和感があったり口の中を傷つけてしまったり、慣れるまでに時間がかかるために最低でも1年から3年程度と治療期間が長期間になることがデメリットです。
ワイヤーブラケットには一般的な金属製のメタルブラケットのほか、セラミックでできた目立ちにくいものもあります。
また、歯の裏側にワイヤーなどの器具を装着するリンガルブラケット矯正など、種類が豊富です。
マウスピース矯正
マウスピース矯正の場合は取り外しが可能で、ワイヤー・ブラケットのように装置を固定せずに治療できるのがメリットです。
食事や歯磨きのときにはマウスピースを外せるため、口の中の違和感もワイヤー矯正に比べて軽減できます。
ただし、一定期間装着しないと効果が期待できず、どうしても治療期間が長期間になることや付け忘れが多いと矯正が進まないことがデメリットです。また、自分でマウスピースを洗う必要があります。
マウスピース矯正ではクリニック間の技術差が大きいため、多くの歯科医院では、マウスピース矯正では歯の位置を大きく動かすことはできないため、全ての歯科医院でこの方法での同レベルの治療が受けられるわけではありません。
出っ歯で口角が下がるのを予防する方法
口角を下げる生活習慣を改めることと並行して、日ごろから口角を上げるためのトレーニングをすることも大切です。
特別な道具は必要なく、気が付いたときにいつでもできる簡単なものをいくつかご紹介します。
割りばしを使った方法
割り箸を横にして奥歯で噛み、口角を限界まで上げるように意識します。そのままの状態で30秒間キープしてください。
その後、割り箸を噛んだまま口角を上げたりゆるめたりを3回繰り返します。鏡の前で口角の上がり具合を確認しながら行うとより効果的です。
ウィンクする方法
片方の目をウィンクしながら目と口を近づけるイメージで、口角を引き上げます。反対側も同様に行いましょう。
次に、ウィンクしたまま口から舌先を出して目に近づけ、口を閉じて舌先で上下の歯茎をなめるように円を描きます。
舌の筋肉の衰えも口角が下がる原因となるため、舌のトレーニングも行ってください。
口を膨らませる方法
口を固く閉じたまま片方の頬だけに空気を入れて膨らませてキープし、これを左右で繰り返します。
口角を意識し、上顎の上のほうに空気を集めて膨らませます。これも左右交互に行ってください。
出っ歯による口元の印象で悩んだら歯科医に相談しよう
大人になると骨格や歯並びは完成された状態になります。口角が下がって見える原因はさまざまで、生活習慣や食生活などが原因の場合は先述したトレーニングで改善できる場合もあります。
しかし、口角が下がって見える原因が出っ歯の場合は自分自身で行うマッサージやトレーニングでは根本的な解決ができません。
口元の印象を変えるために美容整形を受けることはリスクが高いため、まずは歯列矯正で改善できないか歯科医に相談してみましょう。
下記リンクではインターネットから無料相談をご予約いただけます。出っ歯でお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
出っ歯は口角が下がって見える原因のひとつで、口元は見た目の印象を大きく左右します。
口角が下がっていると年齢より老けて見えたり不機嫌そうに見られたり、決して良い印象は持たれません。
口元にコンプレックスがあると人前で笑うことが苦痛となり、表情筋が衰えてさらに口角が下がってしまいます。
出っ歯を改善すると引っ張られていた口元の筋肉が正常に戻るため、口角が下がることを抑制できます。
理想的な笑顔を手に入れるため、まずは歯科医に相談してみましょう。