【監修:青山健一】
目 次
出っ歯は見た目に大きな影響を及ぼすという特徴があるため、悩んでいる方が多い歯列のひとつです。
歯が出ていることが気になってうまく笑えなかったり、無意識に口元を手で覆ってしまうこともあるかもしれません。
出っ歯で悩んでいる方に向けて、出っ歯になる原因や治療法を解説します。
目立ちにくい矯正方法もあるため、出っ歯の治療を検討している方は参考にしてくださいね。
出っ歯は遺伝する?
出っ歯は遺伝する傾向にあり、全体の3割は遺伝が原因といわれています。
特に骨格は遺伝しやすく、下顎より上顎が前に出ている「上顎前突」は遺伝する可能性が高いです。
ただし親が出っ歯だからといってすべての方が子どもに遺伝するわけではないため、過剰に気に病む必要はありません。
出っ歯の原因は遺伝だけじゃない
出っ歯になる原因は遺伝だけではなく、日常習慣によって形成される場合もあります。
習慣化されている行動を直すには時間がかかるため、まずは認識するところから始めて日々意識し続けることが大切です。
「家族に出っ歯の人はいないから」と安心せずに、下記のような習慣がある場合には注意しましょう。
日頃の癖
出っ歯は日常生活での「舌癖」「口呼吸」「爪噛み」「幼少期の指しゃぶり」が原因で形成される場合もあります。
「舌癖」とは前歯で舌を噛む・前歯の裏側を舌で押すなどの癖です。
日常的に前歯に力を加えていくことで、徐々に歯が前に出て出っ歯となってしまいます。正しい舌の位置を意識することが大切です。
「口呼吸」は舌の位置がずれることで口の中のバランスが悪くなり、歯並びに影響を及ぼします。
また口が開いていることで前歯を唇で押さえておく力が弱まるため、出っ歯が定着しやすくなります。
爪噛みや指しゃぶりは幼少期に癖として出やすい行動ですが、いずれも前歯を押し出しやすいため注意が必要です。
もし長期にわたり癖が直らない場合は、歯科医に相談してみましょう。
虫歯や歯周病
虫歯や歯周病によって噛み合わせが悪くなると歯が徐々に動き、出っ歯になります。
特に乳歯期の子どもが虫歯になると乳歯が早く抜けてしまい、空いたスペースに歯が動いてしまうため出っ歯を形成しやすくなります。
乳歯期の虫歯だからといって油断せずに、歯科医で定期的に検診を受けて治療することが大切です。
食生活
日常の食事や食べ方で出っ歯が形成されることもあります。
食べ物は前歯で噛みちぎり、奥歯ですりつぶすというのが正しい食べ方です。前歯だけで噛み、すり潰そうとすると前歯のみが発達してしまい出っ歯の要因となります。
またやわらかい食べ物ばかりを食べる食習慣も出っ歯を作る要因のひとつです。
やわらかい食べ物ばかりを食べているとよく噛まなくても飲み込めるため顎が発達せず、出っ歯や歯並びの乱れにつながります。
出っ歯が及ぼす影響
出っ歯になると見た目に影響があるだけではなく、身体的なトラブルも生じます。具体的にどのような影響があるのかみていきましょう。
コンプレックスになる
出っ歯は見た目ですぐ分かる特徴なためコンプレックスになりやすく、話すときに手で口元を隠す方もいます。
歯が前に出ていることで口が閉じられず、常に歯が見えている状態になることもあります。
口が開いている状態にますますコンプレックスを感じ、深く悩んでしまう方もいるため早期治療がおすすめです。
噛み合わせが悪くなる
噛み合わせが悪くなるとさまざまな口内トラブルを招き、食生活や発音にまで影響を及ぼします。
出っ歯によって噛み合わせが悪くなり口が閉じられないことで、口臭の原因となる場合があります。
口が閉じられないと常に口呼吸をすることになるため、唾液の分泌量が少なくなり口の中に雑菌が増えてしまうのです。
食生活ではしっかり噛むことができず食べ物が十分にすり潰されないまま体内に入ることで、消化不良が起こります。
また噛み合わせが合わないと話すときに歯の間から息が漏れてしまうため、きれいな発音ができなくなることがあります。
出っ歯の矯正治療
出っ歯の矯正治療の方法は主に3種類あります。出っ歯の程度やライフスタイルに合わせて適した治療法を見つけることが大切です。
無理のない治療ができるよう、適した方法を考えながら参考にしてみてください。
マルチブラケット矯正
歯が前に出ている程度であれば、マルチブラケット矯正で改善が見込めます。
マルチブラケット矯正とは歯の表面にブラケットという矯正装置を取りつけ、ワイヤーを通して矯正する方法です。
世間に広く知られている矯正方法で、歯全体に矯正装置を取り付けるため噛み合わせを調節しやすい点がメリットです。
歯に力を加えて矯正していくため、矯正を始めたばかりの頃は痛みを伴う可能性があります。
マウスピース矯正
歯性の出っ歯であればマウスピース矯正で治療が可能です。
マウスピース矯正はマウスピースを定期的に取り替えながら歯を動かしていく方法で、少ない痛みで無理なく矯正できる点がメリットです。
ただし出っ歯の原因が骨格によるものだとマウスピース矯正では改善できない可能性があります。
外科矯正
外科矯正とは歯列矯正と外科手術を合わせた矯正のことで、顎の骨格が変形している症状など通常の歯列矯正では改善が難しい場合に用いられる方法です。
外科手術によって顎の骨を切り、正しい位置に固定させます。顎が正しい位置に安定したのを確認したあと、歯列矯正で歯並びを整えていきます。
外科矯正は保険診療で受けられるため、治療にかかる費用が抑えられるのが特徴です。
外科矯正を行える医療機関は限られているため、治療できる病院が近くにない場合は遠方に出向く必要があります。
出っ歯の矯正方法についてさらに詳しく知りたい方は、下記のリンクから無料相談を承っているためこの機会にぜひご利用ください。
目立ちにくい矯正治療の種類
外側から目立ちにくい矯正治療の方法は2種類あります。
矯正治療をする際、一般的に広く知られているワイヤー矯正は目立ちやすいため抵抗を感じる方もいます。
特に接客業に就いている方は歯を見せる場面が多いため、「なるべく矯正装置を目立たせないようにしたい」という方が多いです。
目立ちにくい矯正方法とそれぞれの特徴を紹介しますので、参考にしてみてください。
裏側矯正
裏側矯正はブラケットを裏側に取り付けるため、外側からは目立ちにくいのが特徴です。
ひとつひとつの歯の裏側にブラケットを取り付け、ワイヤーを通して歯の位置を調節します。
裏側矯正はワイヤーによって口が閉じられないなどのトラブルが起こりにくいため、虫歯のリスクを軽減できる点もメリットです。
ただし歯の裏側は表側よりも凹凸が大きいため治療の難易度が高く、表側矯正に比べて治療期間が長くなる場合があります。
インビザライン
インビザラインは審美性に優れたマウスピース型の矯正装置で、外側から目立ちにくく違和感も少ないため、負担がかからずに進められる矯正方法です。
インビザラインは取り外しできるのがメリットですが、1日の装着時間が決められているため基本的に食事や歯磨きの時以外は装着します。
決められた装着時間と正しい装着方法を守りながら一定期間装着し続けることで、歯を正しい位置へ動かしていけます。
出っ歯の矯正治療の注意点
出っ歯の矯正治療は約1~2年程度の治療期間を要し、治療後は後戻りを防ぐ保定期間があるため治療が長期にわたる場合があります。
また前に出た歯を整える際、スペースを確保するために抜歯をする可能性が高いです。
抜歯をすることによってさらに治療期間が長引くことも考えられるため、どうしても抜歯をしたくない場合は歯科医に相談してみてください。
出っ歯の矯正を検討している人は専門医に相談を
出っ歯の矯正治療は専門的な知識や技術を要するため、専門家に相談することをおすすめします。
出っ歯は歯列だけではなく骨格や噛み合わせなどさまざまな要因が絡み合って形成されている可能性があるため、原因の見極めが重要です。
正しい原因を見極め、適切な治療方法を提案してくれる歯科医に相談しましょう。
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まとめ
出っ歯になる原因は遺伝だけではなく、日々の食生活や幼い頃の癖などによって形成されることもあります。
出っ歯の状態を放置しておくとコンプレックスになったり、噛み合わせに異常が生じてさらなる口内トラブルを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
出っ歯の治療方法は「マルチブラケット矯正」や「マウスピース矯正」、骨格が変形している重度の出っ歯の場合は「外科矯正」という方法もあります。
なるべく周囲に知られずに矯正したいという方は「裏側矯正」・「インビザライン矯正」・「部分矯正」という方法もあるため、検討してみてください。
出っ歯の矯正治療は、専門的な知識や技術を持つ矯正歯科の専門医に相談することをおすすめします。
出っ歯を改善すれば人前で口元を見せることや笑うことが、今より楽しくなるはずです。
自分に合う治療方法を見つけて、前向きに治療を検討してみてください。