Q.矯正治療の根底にある考え方
Ans.私の物の考え方の基本として、人間の考えることはどんなにがんばっても、自然や神様の摂理に比べれば、本当に無力であると思っています。
人間が自然を支配したとか、医学によってたいていの病気は解決できるようになったとか考えていると、後で大きなしっぺ返しを食らうことになると思っています。
矯正治療において、私の行っている歯を抜かないで治療する方法は、私が新しい噛み合わせに歯並びを治しているというよりは、その患者様の歯がきちんと生えていればこう並んでいたという位置に並び替えているだけなのです。
一方、歯を抜いて歯並びを変える場合には、本来歯が生える位置に歯を並び替えるというよりは、歯医者の考えで新しい位置に歯を並べ、新しい噛み合わせを作り出すということなのです。
矯正治療が、美容整形と大きく違うことろは、見た目をきれいにするというだけではなく、下あごは食事をしたり、しゃべったりする機能を伴うということなのです。
見た目だけきれいにするのであれば、新しく作った噛み合わせでもなんら問題はありませんが、機能的に問題がある噛み合わせだと、見た目はいくらきれいでも何かしっくりこなかったりするものなのです。
矯正治療が見た目の回復だけでなく、噛み合わせというとても大切な機能を回復する治療であるだけに、やはりより生理的に自然に近い形で治療していくことが望まれるのです。
Q.矯正治療を開始する時期
Ans.矯正治療の相談に行くと、歯科医院によって説明の違うことが多々ありますが、その際たるものが、矯正治療を開始する時期についてではないでしょうか。
大きく分類すると、
- 乳歯の時期から正しい歯並びにしておくべきである
- 乳歯と永久歯の混ざった時期から治療を始めるべきである
- 永久歯が生え揃ってから治療を開始するべきである
の3つに分類できます。
乳歯のときから治療するべきであり、治療時期は早ければ早いほどいいという先生もいらっしゃれば、大人の歯(永久歯)が生えそろってからの方がいいという先生もいて、患者様からすると、行った医院でいうことが違い、困ってしまうこともあると思います。
早い時期を勧める先生の考え方は、子供の成長は日々著しいので、その成長を利用して早い時期に正しい噛み合わせを作りたいというものです。
一方、永久歯が生えそろってからがいいと考える先生は、早い時期から矯正装置をつけると治療期間が長くなってしまい、子供の歯は大人の歯に比べてとても柔らかいので、虫歯になりやすく、また、本人の治したいという意思が希薄なので、ある程度の分別が出来るようになってから、治療期間も最短で終了させるのが一番いいと考えています。
どの先生も、自分が正しいと思っている時期の治療を薦めると思いますが、後は患者様が自分で合っていると思う時期を選べばいいと思います。
1.乳歯の時期から治療を始めるべきである
これを言われる先生は、乳歯の時期から正しい歯並びにしておけば、永久歯になった時にも正しい歯並びになる確率が高くなるから、なるべく早く矯正治療を開始するべきである、という考え方です。
この考え方は、確率が高くなるということであって、乳歯の歯並びがよければ、必ず永久歯がきちんと生えてくるというわけではありません。
したがって、乳歯で治療を始めても、永久歯で歯並びが悪くなると、患者様からすると、何のために矯正治療をしたのかという疑問がでてきて、歯医者と患者様の間での信頼関係がなくなってきて、疑心暗鬼になるケースも出てきます。
ですから、この時期は骨格的な不正咬合の、顎の成長や、顎のずれだけを注意して管理しながら、本格的な矯正治療は、永久歯が生えてからの方がいいのです。
2.乳歯と永久歯の混ざった時期から治療を始めるべきである
この時期の治療を勧められる先生は、すでに生えている永久歯を正しい位置に動かして、今から生えようとする永久歯が正しく生えてくるように、スペースを確保しておこうという考えであり、小臼歯などを抜く場合には、筋肉や骨などが成長しているうちに、新しい咀嚼システムに馴染ませようと考えられています。
また、顎の大きさを拡大しようとする際には、完全に永久歯が生え揃う前に、歯の生えてくる歯槽骨を側方に拡大しようと考えられています。
この時期から治療を開始する場合には、最終的に全ての永久歯が生え揃ってから、正しい噛み合わせを作ることになるので、矯正治療をしている期間が長くなってしまい、子供の歯は大人に比べてかなりやわらかいので、虫歯になる危険性が高くなってくることと、子供が矯正治療に飽きてしまい、治療への協力が得られなくなる可能性がでてきます。
3.永久歯が生え揃ってから治療を始めるべきである
この時期の治療を勧められる先生の考え方は、最終的に永久歯の歯並びを治すのであれば、永久歯が生え揃ってから、矯正治療を開始すれば、矯正に要する治療期間が短く出来るので、患者様の負担が減ると考えています。
この時期の矯正治療は、顎の成長を利用したり、咀嚼システムを変えていくというものではなく、本来正しく生えるはずだった位置に歯を並び替えれば、咀嚼システムも自然な動きになって、いい噛み合わせになるという考え方です。
どの考え方にも、それぞれ治療をしていく際のメリットとデメリットがあって、治療する先生が自分の得意な時期での矯正治療を勧められますが、それぞれの患者様にとっての適した時期というものがありますので、総合的に見ていつがベストかは、治療する先生の知識の多さなどで、説明が違ってくると思います。
Q.矯正治療によって思い通りの歯並びになれますか?
Ans.患者様の中には、たまに、芸能人の○×さんと全く同じ歯並びにして下さいと言う方がいますが、歯の大きさや、顎の骨などの関係で、他の人と全く同じ歯並びにすることは不可能な場合がほとんどです。
「十人十色」と言いますが、歯並びも人によって美しさに違いがあります。
美容整形治療で全員が松島奈々子さんになることは無理なのと同じで、その人の骨格に合った美しい歯並びというものがあるのです。
それが他の人から見て違和感があったり問題があるようでしたら困りますが、患者様の強い思い込みだけで、絶対に○×さんのような歯並びにしたいという人は、矯正治療をすることを考え直された方が懸命だと思います。
そういう誤解を持って治療を行うと、治療後にトラブルになって歯科医も患者様も不幸になってしまいます。
患者様の要求や希望に最大限こたえられる努力をすることは大切なことですが、患者様の要求ばかりを優先させて、見た目の歯並びのことのみを考えて治療を行い、矯正治療後に逆に体調が悪くなるようでは、医療従事者として何のために治療を行なったのかがわからなくなってしまいます。
患者様の声には謙虚に耳を傾け、体に悪影響の出る限界線では、医師としてき然として、無理だということを説明することが大切だと思います。
患者様も、遠慮することなく自分の希望を伝えることは大切なことですが、可能なことと不可能なことの識別を、治療前にはっきりさせておいたほうが、歯科医と患者様両方にとって幸せなことだと思います。
Q.どうやって歯は動いていくのですか?
Ans.ブラケットと呼ばれるセラミックスや金属を歯の表面につけて、ブラケットの中央の溝に針金のようなものを入れて、歯に力を加えます。
まず、力が加えられる方向の歯根膜が圧縮され、貧血状態になって、歯根膜を通過する血液が減少します。
それを体が感知し、その周辺の科学的環境が変化し、細胞のパターンが変化してきます。
それは、圧縮された部分から、歯根膜に隣接する歯槽骨組織を溶かしていく破骨細胞というものが出現して、働き始めるからです。
骨を溶かすこの破骨細胞のみでは顎の骨はダメになってしまいますが、圧縮される方向と反対側の引っ張られる側では、歯根膜が引っ張られることによって膨張し、歯槽骨を新しく造っていく造骨細胞も出現し活動し始めます。
歯根膜内の血流量が減少すると、骨を溶かす破骨細胞が出現し、血流量が増加すると、骨を新たに造る造骨細胞が出現し、これらがうまくバランスをとりながら歯を動かしていくのです。
矯正治療中に、ワイヤーを外して歯を磨いてもらう時に歯がグラグラ動くので、歯が抜けるのではないかと心配する患者様もいますが、このような過程の状態であるだけで、治療後はきちんと歯は動かないように固定されますので全く心配することはありません。
Q.どうして月に一度ぐらいしか歯を動かす矯正治療を行わないのですか?
Ans.矯正治療をしている人は、早く治療を終了して欲しいと全員の方が思っていると思います。
見た目も違和感も気にならなくて、治療が楽しいという人は一人もいないと思います。
それに反して、治療はだいたい月に一度のペースというのは、患者様にとってはとてもストレスに感じられるのではないでしょうか。
なぜ毎日でも治療してくれないのだろうと疑問に思っている人も少なくないと思います。
大まかな動き方を説明しますと、治療を行って一週間から10日目ぐらいまで歯は動き続け、残りの約三週間は、歯根膜と歯槽骨の再生と修復が行われているのです。
患者様の立場からすると、初めの一週間は歯の動きを実感されえることも多いのですが、残りの期間は何のために時間を待っているのかわからず、早く歯を動かして欲しいと感じている方も多いと思います。
治療と治療の間隔を短くして、歯根膜と歯槽骨の修復過程を短縮してしまうと、歯や骨組織へのダメージを与えてしまう場合があるのです。
そのため、矯正治療は、最低でも三週間の間隔よりも頻繁に力を加えて治療することを避けるような予約の取り方をしているのです。
たとえ目に見えて動いていない時期も、今は骨が作られているのだと思ってじっと我慢してください。
Q.矯正治療は何歳だと手遅れだということはありますか?
Ans.矯正治療によって歯は何歳でも動きますので、年齢的に手遅れということはありません。
しかし、筋肉の運動に関しては、年齢を経ている人ほど、長年筋肉に間違った運動を教え込まれているので、矯正治療後の筋肉の回復力に若い人と比べると差が出てきます。
弾力性のある若い筋肉は、噛み合わせを正しい位置に作り変えるとすぐにその位置で正しく機能し始めますが、年齢が進むにつれて正しい噛み合わせの位置に対応することに時間がかかることがあるのです。
そして、長年間違った噛み合わせで使用された筋肉は、身体、特に頸椎のゆがみを招き、それが長い間蓄積されると、正しい噛み合わせを作っても、体の不快症状の改善が若い人ほど劇的には見られないこともあります。
ですから、手遅れということはありませんが、早い時期に治療を受けることが可能なら、若い人ほど治療結果は体に対して効果的なのです。
五十歳を超えても治療を受ける人もいますが、往々にして、年齢が進むと「今さら治療したって先は長くないし」とか「この年で治療するのは恥ずかしい」と否定的な考えの人が多く、体力の衰えのためかこれからの人生に対してもあまり前向きなことを言われない人が多いです。
治療が手遅れかどうかはその患者様の気持ち次第だと思います。
Q.矯正治療は何歳でするのが一番いいのですか?
Ans.これも歯科医院によって考え方がいろいろあるので、行く歯科医院によって全く逆のことを言われて困ってしまう患者様をよく見かけます。
ここでは、始める時期によるメリットとデメリットをお話します。
基本的には、早い時期に正しい噛み合わせを作っておくことがいいです。
しかし、たとえば、乳歯の時にきちんとした歯並びの人でも、永久歯になると問題のある歯並びになることもありますし、逆に乳歯の時は悪い歯並びの子供が、永久歯では問題のない歯並びになることもあります。
もちろん、確率的には、乳歯の時にきちんとした歯並びの子供の方が永久歯もきちんと並ぶ確率は高いのですが、乳歯の時から矯正治療を始め、永久歯が全て生えそろうまでの間治療を続けますと、矯正期間がとても長くなります。
それに伴い治療費も高くなり、子供の精神的ストレスもたまり、虫歯へのかかりやすさも高くなってしまうというデメリットが出てくるのです。
乳歯がある早い時期に矯正治療を始めても、短期間で治療が終了し、費用的にも安く終わりそうで、子供の治したいという気持ちが強ければ、早く治療を始めてもいいと思います。
特に子供の頃の歯というのはまだ完成していないために、大変虫歯になりやすく、長期間に及ぶ矯正治療は、十分に虫歯に対する管理に気をつけないといけないので、できれば避けたいところです。
永久歯が生えそろってからの矯正治療のメリットは、治療期間が最短で終えられることと、本人の治療したいという意志が子供の時より強いため、矯正治療に対する協力度が高く期待できることです。
デメリットとしては、完全に成人になってしまった場合、骨や筋肉の成長が期待できないので、骨格的な問題に対する治療には限界があることです。
一般的にいって、乳歯の時期や10歳ぐらいまでの子供の矯正治療では、予防的な意味合いが強い矯正治療にになりますが、12歳以降の大人を含めた矯正治療は、全ての大人の歯を利用した本格的な矯正治療になります。
それぞれの患者様によって、求めるものや、おかれている立場、環境など条件が違っていますので、メリットとデメリットを十分考えて、患者様自身が選択して欲しいと思います。
Q.なぜ芸能人は急に八重歯が治るのですか?
Ans.芸能人は、有名でお金があるから、特別の治療をしていると思っている人が多いのにはびっくりしてしまいます。
そして噂というものが、いかにいい加減なものかということもよくわかります。
歯並びの悪い芸能人は、まずほとんどが、歯を抜いたり、削ったり、被せたりして、見た目の歯並びをきれいにしていますが、噛み合わせに関しては一切変えていないので、体調の改善や顎関節症の治療とは関係なく、美容整形と同じ扱いの治療になります。
彼(彼女)らの治療は、矯正治療に比べて、削ったりするので治療が早く終了して、人が気づいた時には治っているというメリットがあります。
しかし、歯を抜いたり、削ったりしているので歯や体にとってはいいことではありません。
削ったりする治療も、治療してすぐに問題が出ることは少なく、治療後10年、20年経った時に、歯の堅さも弱くなり、虫歯になりやすくなったり、歯が折れやすくなったりします。
顔が商売道具の特殊な職業の人達なので、人に気づかれないように短期間で治療を終了することが大切なので、美容的なことのみを考えた、歯を抜いたり、削ったり、被せたりする治療も仕方のないことだと思います。
人によって価値観は違いますから、体調が良くなるからといって、矯正治療を押しつけるわけにはいきません。
当クリニックにおいてもデビュー前に歯並びと色をきれいにするように所属事務所から言われて治療を希望して来院する人がいます。職業が一般の人と全然違いますので、患者様の希望通り、短期間で人に気づかれずにきれいに見えるように審美治療を行ないます。
歯を抜いたり、削ったりする治療を希望される患者様には、そのデメリットも十分にお話した上で、それでもよければ治療を行ない、治療した以上は少しでも長くいい状態で使用していただけるように十分なアフターケアをしていくようにしています。
八重歯の芸能人が八重歯を抜くと人気が落ちる、と言う占い師や歯科医師がいますが、それは、審美治療によって噛み合わせが悪くなり、体調が悪くなってしまうということが起こりうると言いたいのだと思います。
長い目で人生を考えられている方には、できれば、安易に歯を削ったり、抜いたりして見た目だけを良くするのではなく、正しい噛み合わせを作り、体調も見た目もよくなるように矯正治療を選択して欲しいですね。
Q.矯正治療はいろいろな方法があるのですか?
Ans.矯正治療と一口に言っても行なっている歯科医院でやり方が違うということを、患者様は不思議に思われます。
虫歯の治療でさえ、クリニックによって微妙に方法や考え方が違うのですから、大きく噛み合わせを変えていく矯正治療ではその治療方法や治療結果に大きく違いが出てきます。
大きく分けて、治療器材や材料によるハード面の違いと、噛み合わせというソフト面での考え方の違いがあります。
まず、治療器材や材料による違いとして、金属の装置で治療をしていくのか、目立たないセラミックで治療していくのかの違いがあります。
金属の場合は、丈夫で壊れたり外れたりしにくいので、治療中のトラブルは少ないのですが、目立つのが難点です。
セラミックの場合は、金属に比べて、壊れたり外れたりしやすいので、結果的に、治療期間が少し長くなってしまう場合もあり、料金的にも金属よりは割高になりますが、目立たないことが最大のメリットです。
目立たないといえば、最近では歯の裏側に矯正装置をつけて治療を行なう、舌側矯正法という方法が注目を集めています。
この舌側矯正法は、人から気づかれずに治療を行なえるというのが最大のメリットですが、治療中はとてもしゃべりにくく、舌が傷だらけになってしまうことや、表から行なう矯正よりも治療期間が長くなってしまうことと、料金がかかってしまうことが欠点です。そして舌側矯正法の場合、多くのケースで、小臼歯を抜歯しないといけないのが最大の欠点です。
次に、骨の成長を抑制するヘッドギアやチンキャップという、頭にかぶる物を使用するのか使用しないのかを治療前に確認しておかないと、後になってこんなものはつけられないということになって、トラブルにもなりかねません。
特に大人の場合は、社会生活的にもヘッドギアを受け入れられるのかどうかを確認しておく必要があります。
そして、歯を抜く必要があるのかないのか、外科的手術をする必要があるのかないのかは、歯科医院によって診断が違いますので、治療前にいくつかの歯科医院で相談してみて下さい。
さらに、噛み合わせのゴールに対する考え方は歯科医院によって大きく違いますから、これが最も重要になってきます。
富士山に登るには、車、バイク、自転車、徒歩と、どれがいいかは、早く到達したい人、自分の足で登りたい人など、人の価値観によって違いますので、どの手段が正しいということはないと思います。
治療方法も、どの方法で治療しても正しい噛み合わせが作られるのなら問題はないと思います。
矯正治療におけるゴールは、見た目的にも機能的にも正しい位置に噛み合わせを作ることです。これが、見た目はいいが、機能的には問題があるとすれば、どの治療方法で治療しても患者様は最終的に満足されないでしょう。
その先生がどういう噛み合わせを正しいと考えているかでゴールが違ってくるのです。噛み合わせの考え方に、唯一絶対の統一された概念がない以上、その先生の治療経験や向学心で治療結果に大きな違いが出てきます。
その意味でも、できれば、治療を受けた人の感想を聞いて、治療するクリニックを選ばれることをお勧めします。
Q.矯正治療を途中で止めたりできますか
Ans.人の気持ちはちょっとしたことで変わりますし、三日坊主というように、途中でやる気がなくなってしまうこともあります。
しかし、矯正治療の場合は、途中でやめたら、それまでの時間も費用も全て無駄になってしまうのです。
全て終了していい噛み合わせになるか、元のように戻ってしまうかの二通りしかありません。
三ヶ月治療したから三ヵ月分だけきれいになる、ということはないのです。オール・オア・ナッシングなのです。
大人が自分の意志で決断して矯正治療を始めた場合は途中でやめる人はいませんが、親が治療を希望して強制的に子供に治療をさせる場合は、子供が途中で嫌になってしまうこともあり、最後まで治療するためにいろいろ説得しながら治療を続けていくのが大変な場合もあります。
子供の時に矯正治療を行なうのは、顎や体の成長を利用できる点は利点なのですが、自分の意志で治療したいという気持ちが弱いのは、最大の欠点になります。
また、結婚式やその他のイベントで、一時的にでも途中で矯正装置を外すということは不可能ではないのですが、いろいろな意味で無駄が増えてきますので、そういうイベントに治療が間に合いそうもない時は、イベントを終えてからスタートする方が賢明だと思います。
矯正治療終了後に患者様に感想を聞くと、「すごく大変だった」という人もいれば「思ったほど大変ではなかった」という人もいるので、必要以上に心配することはないと思いますが、心掛けとして、大変な治療を一年近くするのだという覚悟をある程度しておくことが大切です。