FKOの特徴や期待できる効果を解説|FKO以外の機能的矯正装置もご紹介します

【監修:青山健一】

FKOの特徴や期待できる効果を解説|FKO以外の機能的矯正装置もご紹介します

FKOは小児矯正でよく用いられる機能的矯正装置です。
子供のうちに歯列矯正を行い歯並びを整える方は多くいます。成長期である小児期の方が歯をスムーズに動かしやすいためです。
ここではFKOの特徴やFKO以外の機能的矯正装置についてもご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

FKOの特徴

FKOの特徴

FKOはエフカーオーと読み、歯列矯正で用いられるマウスピース型の機能的矯正装置の1つです。アクチバトールともよばれています。
FKOはどのような矯正装置なのか特徴をご紹介していきます。

上顎前突に効果がある

FKOは主に上顎前突の治療の際に使用されることが多く、効果が期待される装置です。
上顎前突は出っ歯ともいわれている症状で、前歯や上顎全体が前に突き出ているような状態のことです。

前に突き出ている部分が大きいと見た目も目立ちます。大きく突き出ている場合は、口が閉じられないということもあり日本人に多い症状です。

FKOは筋肉の力を利用して矯正していきます。上顎前突の場合、FKOで下顎を前に突き出した状態にして装着し、下顎の成長を促し矯正していく方法です。

主に就寝時に使用

主に就寝時に使用

FKOは主に就寝時に使用します。1日10時間程度が装着時間の目安です。
FKOはよく小児矯正で使用されますが、日中は学校があるため矯正装置の装着を嫌がるお子さんも多いです。
しかし歯列矯正を行うには、装着時間を守り継続的に使用してもらわなければいけません。

装着時間が短かったり、しっかり装着できていなかったりすると歯並びが整わないからです。FKOは主に就寝時に装着できるため、子供にもストレスなく続けてもらえます。

FKOで期待できる効果

FKOで期待できる効果

FKOを使用することでどのような効果が期待できるのかご紹介していきます。

顎の成長が促進される

FKOは顎の成長を促進する効果があります。上顎前突で使用される場合は、下顎の成長を促して矯正していきます。
顎の成長を促進させるために大きく関係しているのが、咀嚼筋などの筋肉です。咀嚼筋は顎まわりの筋肉のことで、咀嚼に関係している筋肉を総称して咀嚼筋とよばれています。

FKOには、誘導線とよばれている太いワイヤーが付いています。そのワイヤーで前歯などを抑える形で装着させることが一般的な装着方法です。

口にはめて装着することで、下顎が前に引っ張られているような状態になります。
そして顎まわりの咀嚼筋などの筋肉が刺激され動きが活性化されることで、顎の成長が促進されるのです。

舌癖を改善することも可能

FKOは舌癖を改善することも可能です。
舌癖とは舌が正しい位置になく、歯に舌を押し付けていたり歯の間に舌を出していたりする舌の癖のことです。

舌は本来、安静時には上顎についている状態が正しい位置になります。しかし指しゃぶりの名残や口呼吸が原因となり、舌癖へと繋がってしまう可能性があるのです。

舌癖を放っておくと、出っ歯やすきっ歯などの原因となってしまうことがあります。歯並びが悪くなる原因にもなるため、子供の頃から舌癖を改善しておくことは重要です。
FKOを装着することで顎まわりの筋肉のバランスが整い鼻呼吸が促されます。鼻呼吸が促されることで舌癖の改善へも繋がるのです。

FKOの治療期間と費用

FKOの治療期間と費用

FKOを使用した治療を検討している方は、治療期間費用などが気になるところだと思います。
FKOは主に小児治療で使用されることが多く、治療期間は平均で2~3年ほどです。費用は平均で30万円ほどになります。

子供の歯の成長や顎の成長はそれぞれ変わるため、治療期間が短くなったり長くなったりする場合があります。
FKOの治療期間や費用で不安がある場合は、専門の小児歯科医に相談してみましょう。

FKOの治療で気をつけたいこと

FKOの治療で気をつけたいこと

FKOを使用した治療でスムーズに矯正を終わらせるためにも、どのようなことに気をつければよいのかご紹介していきます。

紛失しないようにする

FKOは取り外しが可能な装置になります。主に就寝時に使用するため日中は取り外しておくことがほとんどです。
装置を管理しておかないと紛失してしまう場合があるため気をつけましょう。紛失してしまうと新しい装置を使用することになり、追加で費用がかかってしまう場合があります。

装置を装着していない日中は、FKOの置き場所を決めて管理しておくことが大切です。
また装置の管理を子供だけに任せておくことは、紛失のリスクを上げてしまいます。親がしっかりと管理しておくようにしましょう。

10時間以上装着する

10時間以上装着する

FKOは1日10時間を目安として装着する必要があります。装着時間を守って過ごすようにしましょう。
装着時間が短かったり、装着しなかったりする日があると治療期間を長引かせてしまうことになります。

また装着しない日が続いてしまうと、矯正した歯の位置が元に戻ってしまうことがあるため注意が必要です。これは後戻りという症状で他の矯正治療でも起こりうる症状になります。

矯正した歯は固定されるまで時間がかかります。歯が動いた直後は歯のまわりの組織が不安定なため歯が固定されないのです。
歯が固定されていない期間で装着時間が短いと、なかなか歯の矯正が終わりません。しっかり装着時間は守るようにしてください。

口呼吸だと使用できない場合も

FKOは口呼吸だと使用できない場合もあります。FKOは咬みしめる力を利用して、矯正していく治療方法です。
口呼吸になると口が開いてしまうため、装置が固定されず効果が出ないのです。鼻呼吸であれば、口が閉じた状態になるため装置が固定され効果が期待できます。

口呼吸になってしまう最大の原因は、鼻詰まりです。鼻炎やアレルギーから鼻詰まりが起こり、口呼吸の原因となってしまうのです。
また口呼吸は喉が乾燥し風邪を引き起こしたり、口腔内が乾燥し細菌が増えることで虫歯や歯周病になったりしてしまいます。

改善するには、鼻詰まりが原因であれば耳鼻科で対処しましょう。口呼吸が癖となっている場合は、顎を鍛えるトレーニングが効果的です。

FKO以外の機能的矯正装置

FKO以外の機能的矯正装置

FKO以外にも機能的矯正装置がいくつかあります。
機能的矯正装置とは、咬む力などを利用して筋肉を活性化し歯と顎に働きかけ、自然な咬み合わせに矯正していく装置のことです。
症状によって使用する装置が変わってきます。どのような機能的矯正装置があるのかご紹介していきます。

バイオネーター

バイオネーターは、下顎の成長を促進させるマウスピース型の機能的矯正装置です。咬む力の筋肉の動きを利用して下顎が成長するように促します。

バイオネーターは小児治療でよく使用されます。装置には拡大ネジが付いており、横幅の矯正も可能です。
横幅も調整することで、永久歯が生えてくるスペースを確保でき歯列を整えられます。

基本的に就寝時に装着し矯正していく装置です。取り外しが可能なため、お手入れも簡単にできます。
バイオネーターは、上顎前突(出っ歯)・反対咬合(受け口)・過蓋咬合(深い咬み合わせ)の症例で使用されることが多いです。

フレンケル

フレンケルは口まわりの筋肉をコントロールすることで、綺麗な歯列になるように促す機能的矯正装置です。ワイヤーとプラスチックでできているマウスピース型の装置になります。

左右の歯列と前歯を押さえるような形になっており、口まわりの筋肉が内側へ圧力をかけすぎないように、コントロールしてくれる仕組みです。

圧力がかからないことで顎の成長をコントロールし、歯の生えてくるスペースを確保できます。歯のスペースが確保されることで、綺麗な歯列へと矯正が可能です。
取り外しが可能で、主に就寝時に使用されることが多いです。

フレンケルは、上顎前突(出っ歯)・反対咬合(受け口)・過蓋咬合(深い咬み合わせ)・交叉咬合(歯列が交叉している)の症例で使用されることが多くあります。

EOA

EOAは咬む力を利用して歯列を整えるマウスピース型の機能的矯正装置です。
上下の顎で咬み込み、口まわりの筋肉をコントロールして顎を正常な位置に誘導する仕組みになります。

上顎や下顎の成長を促すことで、正しい咬み合わせができるように矯正していく治療法です。
この装置もマウスピース型のため取り外しが可能です。歯磨きや装置のお手入れもストレスなく行えます。また就寝時に使用するため子供もストレスなく日常生活が送れます。
EOAは、上顎前突(出っ歯)・反対咬合(受け口)・叢生(デコボコな歯列)の症状で使用されることが多いです。

美しい歯並びのために小児矯正を検討しよう

美しい歯並びのために小児矯正を検討しよう

美しい歯並びにするためにも、子供のうちに矯正をすることがおすすめです。
子供は乳歯から永久歯に歯が生え変わる時期でもあり、歯や顎まわりが成長する時期です。その成長を活かして矯正することで、大人の矯正より負担を軽くできます。

大人になると歯や顎も成長が終わっている状態なため、抜歯が必要であったり顎の骨を広げることが難しかったりします。
しかしまだ成長途中である子供の歯や顎は、動きやすく矯正しやすいのです。

子供の歯は13~14歳くらいに永久歯がほぼ生え揃います。子供の歯並びが気になる場合は早めに専門の歯科医に相談するようにしましょう。
小児治療は、第1期治療と第2期治療に分かれています。

第1期治療は6~12歳頃までで、乳歯と永久歯が混在している時期です。第2期治療は12歳以降で永久歯が生え揃った時期のことを指します。

治療の時期によって矯正する内容や費用も変わってきます。どのような治療が必要なのか、治療を始める時期はいつがよいのか歯科医に相談することがおすすめです。

FKOの治療を希望するなら信頼できる歯科医に相談

FKOの治療を希望するなら信頼できる歯科医に相談

FKOの治療を希望しているなら、信頼できる歯科医に相談しましょう。歯並びを悪いままにしておくと、さまざまなことに影響がでてきます。

見た目の問題・虫歯・歯周病・肩こりなどに影響を及ぼしてしまうかもしれません。子供のうちに治療し綺麗な歯並びにしておくことで、歯を健康に保てます。

矯正について悩みがある場合は、無料相談を受けてみましょう。小児歯科の専門医に相談してみることがおすすめです。

まとめ

まとめ

歯並びにコンプレックスをもっている方はたくさんいます。また歯並びが原因でストレスが増えてしまったり、体調にも影響が出てきたりする場合もあるのです。

マウスピース矯正であれば目立たなく治療もでき、社会人からでも矯正している方は多くいます。
しかし子供のうちに歯並びが気になる場合は、小児治療で矯正しておくことがおすすめです。

小児治療であれば抜歯せず、痛みを伴う治療も少ないため、将来綺麗な歯並びにできる可能性が高まります。
FKOの治療で悩んでいる場合は、この機会に専門の歯科医に相談し、ぜひ治療を検討してみてください。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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