【監修:青山健一】
目 次
外傷性咬合になったらどうしたらよいのか不安な方も多いと思います。
外傷性咬合は誰でもなる可能性があり、放っておくと歯を失うリスクを高めます。しかし、外傷性咬合という言葉を聞きなれない方も多いはずです。
そこで今回は、外傷性咬合について知りたい方に向けて外傷性咬合を放置しておくリスクや治療方法について解説します。
外傷性咬合の特徴
簡潔に説明すると外傷性咬合は、歯や歯茎、骨に過度な負担がかかり損傷しやすい状態をいいます。
外傷性咬合の1つが、噛み合わせの悪さです。噛み合わせが悪い期間が長く続くと、歯や歯茎にダメージが蓄積され、さまざまな病気を引き起こします。
そのため、外傷性咬合になっている場合は早期の治療を行うことが重要です。
しかし、外傷性咬合の初期は自覚症状がない場合が多いため、痛みが発生する状態になった後に分かる場合が多いです。
痛みが出た後の治療には時間がかかることも多いため、噛み合わせが悪いと思ったら歯科医に相談してみましょう。
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外傷性咬合の主な原因
外傷性咬合の主な原因は、3つあります。外傷性咬合になっていないか知るためにも、原因について詳しく理解しましょう。
早期接触
外傷性咬合の原因の1つ目は、早期接触です。
早期接触とは、口を閉じたときにある部位の歯と歯だけが最初に接触してしまうことをいいます。
きれいな歯並びだとさまざまな歯が同時に接触するため、歯に加わる負担を分散できます。しかし、早期接触が起きているとその部分の歯だけに負担が加わるため、負担を分散できません。
そのため、早期接触している部分だけに負担がかかり外傷性咬合になります。
ブラキシズム
外傷性咬合の原因の2つ目は、ブラキシズムです。
ブラキシズムとは歯ぎしりのことをいい、「グラインディング」「クレンチング」「タッピング」の3つの種類に分けられます。
グラインディングは歯をすり合わせる歯ぎしり、クレンチングは強く噛みしめる歯ぎしりです。また、タッピングはカチカチとリズムよく行う歯ぎしりです。
基本的に歯と歯が当たるときに、歯に負担が加わります。そのため、何かを食べるときに歯に負担がかかります。
歯ぎしりをしていると食事をしていないときも歯に負担がかかるため、外傷性咬合になる可能性が高いです。
ブラキシズムはしていないと安心している方も注意が必要です。
日中はブラキシズムをしていない方でも眠っているときに無意識で行っている場合も多いため、注意しないといけません。
無意識でブラキシズムをしている場合もマウスピースを使用して歯へのダメージを減らせるため、気になる場合は早めに歯科医に伝えるようにしましょう。
咬合干渉
外傷性咬合の原因の3つ目は、咬合干渉です。
咬合干渉とは、上下の歯が噛みあったときに下顎を左右に動かせない状態をいいます。咬合干渉になっていると噛み合わせが悪い証拠になります。
噛み合わせが悪いと歯に過度な負担がかかりやすいため、咬合干渉になっていると外傷性咬合になりやすいです。
外傷性咬合を放っておくリスク
外傷性咬合を放っておくリスクは高いです。
外傷性咬合を放っておくとどのようなことが起こるか理解し、外傷性咬合の原因を早めに治療する重要さを理解しましょう。
咬合性外傷を引き起こす
外傷性咬合を放っておくリスクの1つ目は、咬合性外傷を引き起こすことです。
咬合性外傷とは、歯を支える組織損傷です。咬合性外傷は、2つの種類に分類できます。
問題がない歯に負担がかかり起こる外傷を一次性咬合性外傷といい、歯周病などの問題がある歯に負担がかかり起こる外傷を二次性咬合性外傷といいます。
外傷性咬合を放っておくと歯にダメージが蓄積され、咬合性外傷になる可能性が高いです。咬合性外傷にならないためにも、外傷性咬合の状態のときに治療をしましょう。
歯周炎の悪化
外傷性咬合を放っておくリスクの2つ目は、歯周炎の悪化です。
外傷性咬合は歯だけでなく歯周に負担を過度に与えるため、長期間放置しておくと歯周が炎症し歯周炎が悪化する可能性が高いです。
また、歯周炎が悪化すると歯周病になる場合もあるため、注意しましょう。
歯周病は進行すると歯が抜ける恐ろしい病気です。大事な歯を失わないためにも、咬合性外傷にならないうちに治療をしてください。
歯の動揺
外傷性咬合を放っておくリスクの3つ目は、歯の動揺です。外傷性咬合は歯に過度な負担を与えるため、歯の根本についている膜が広がる場合があります。
その膜が広がってしまうと、歯周病になっていなくても歯が動くようになります。歯の動揺が長く続くと歯を失うリスクも高まるため、早めに歯科医に相談してください。
慢性的な痛み
外傷性咬合を放っておくリスクの4つ目は、慢性的な痛みです。
外傷性咬合は歯に過度な負担を与え続けるため、急な痛みではなく慢性的な痛みが続く可能性があります。
歯の痛みが続き歯科医院でみてもらっても虫歯や歯周病になっていないと判断され、外傷性咬合と分かる場合も多いです。
外傷性咬合と咬合性外傷の関係
咬合性外傷は、歯根膜変性や歯根吸収などの症状をいい、外傷性咬合は噛み合わせや歯ぎしりなどをいいます。
簡潔に説明すると、外傷性咬合は歯の支持機能に損傷を与える原因であり、まだ歯の支持機能に損傷が起こっていません。咬合性外傷は、歯の支持機能が損傷してしまった状態をいいます。
つまり、外傷性咬合だと分かったときに治療を始めることで咬合性外傷まで進行するのを止められます。
そのため、心当たりがあったらまず歯科医に相談してください。
外傷性咬合を治す方法
外傷性咬合を治す方法は、2つあります。治す方法を理解して、咬合性外傷へ進行を止めましょう。
歯列矯正
外傷性咬合を治す方法の1つ目は、歯列矯正です。
歯列矯正は、外傷性咬合が噛み合わせの悪さで起こっているときの治療方法であり、治療期間や費用は歯並びの状況によって大きく異なります。
具体的には治療期間が半年~1年半程度であり、費用は10万円~150万円程度です。
歯列矯正では、矯正装置から歯に負荷を加えて歯を適切な位置に移動させます。矯正装置は大きく分けてワイヤーとマウスピースの2つの種類があります。
矯正治療といったら、矯正装置が目立つから嫌だと感じる方も多いはずです。
しかし、最近では透明なマウスピースを使用したり歯の裏側にワイヤーの矯正装置をつけたりするため、矯正装置が目立ちにくくなっています。
噛み合わせの状況によって治療方法や期間も大きく変わるため、歯科医に相談してみてください。
ストレス解消
外傷性咬合を治す方法の2つ目は、ストレス解消です。
歯ぎしりはストレスの影響で起こっている可能性が高いです。そのため、歯ぎしりで外傷性咬合になっている場合はストレスを解消しないといけません。
ストレス解消の方法はさまざまありますが、自分に合ったストレス解消方法をみつけることが大事です。
例えば、筋トレをしたり温泉に行ったりする方法でストレスが減る方もいます。また、読書をしたり映画鑑賞をしたりすることでストレスが減る場合もあります。
さまざまなストレス解消方法も試して、自分に合った方法をみつけましょう。
外傷性咬合を悪化させないために
外傷性咬合を悪化させないために重要なことは2つあります。自分の意識で悪化を防げる場合もあるため、ぜひすぐに取り入れてみてください。
歯ぎしり・食いしばりを予防する
外傷性咬合を悪化させないために重要なことの1つ目は、歯ぎしりや食いしばりの予防です。
歯ぎしりや食いしばりを日常生活の中で行ってる方も多いです。
例えば、仕事中に食いしばりをしていたりドラマや映画を鑑賞中に歯ぎしりをしてしまったりなど、無意識の中で歯に負担をかけている場合があります。
そのため、歯ぎしりや食いしばりをしないようにすることを意識すれば、日常生活で歯に加える負担を減らせます。
マウスピースの活用
外傷性咬合を悪化させないために重要なことの2つ目は、マウスピースの活用です。
日常生活で意識しても歯ぎしりや食いしばりを改善できない場合や夜寝ているときに歯ぎしりをしている場合は、マウスピースをして歯の負担を減らします。
マウスピースの作成は歯科医院に行かないとできません。そのため、歯ぎしりや食いしばりで悩んでいる場合は、歯科医院に行きましょう。
外傷性咬合の悩みは歯科医に相談しよう
外傷性咬合に悩んでいる方は、歯科医に相談してください。外傷性咬合の原因はさまざまあり、原因に合わせた方法で対処しないといけません。
しかし、外傷性咬合の原因を自分でみつけるのは難しく、誤った対処方法をしてしまうと咬合性外傷に進行してしまうリスクが高いです。
そのため、専門家である歯科医に相談をしてください。歯並びや噛み合わせの状況や虫歯や歯周病の有無なども含め外傷性咬合の原因を探し、適切な治療方法を行い咬合性外傷への進行を止めます。
歯並びや噛み合わせの相談は、下記のリンクから予約ができます。無料の矯正相談をぜひご活用ください。
まとめ
今回は外傷性咬合について知りたい方に向けて、外傷性咬合を放置しておくリスクや治療方法について紹介しました。
外傷性咬合を放置しておくと、咬合性外傷に進行してしまったり歯周炎が悪化したりしてしまいます。
そのため、外傷性咬合が起きている原因をみつけ適切な治療を行うことがとても重要です。
外傷性咬合は噛み合わせの悪さやブラキシズムなどさまざまな原因で起こっているため、自己判断するのは難しいです。
そのため、原因や治療方法を選択するには専門家である歯科医を頼りましょう。また治療に対して不安に思っていることがあれば、遠慮なく歯科医に聞いてください。
そして、咬合性外傷にならないように適切な治療を受けましょう。