【監修:青山健一】
目 次
子供の歯を見ていると、生え変わり時期に矯正治療ができるのかどうかが気になるということもあります。
とくに、生え変わりで歯が重なっている状態を見れば、なおさらです。
しかし、生え変わっている最中に本当に矯正治療をしても大丈夫なのか、と不安になることもあります。
そのため、今回は子供の歯の生え変わり時期に矯正治療をしてもいいのかを、注意点も含めて詳しく解説していきます。
子供の矯正治療を検討しているならぜひ、参考にしてみてください。
歯の生え変わり時期に歯並びの矯正はできる?
歯の生え変わり時期は、歯が抜けたり生えたりするために歯並びの矯正ができるかどうかが気になるところです。
歯が生え変わる時期は、歯にとって非常に重要な時期です。さまざまなトラブルに見舞われる時期でもあり、細かく観察する必要があります。
生え変わりの特徴
矯正治療を考えるなら歯の生え変わりには、どのような特徴があるのかを知っておくのが大切です。
生え変わる時期や順番を知っておくことで、矯正治療が必要かどうかを判断できます。
生え変わる時期
歯が生え変わる時期は、早い子供は5歳ごろから歯が抜け始め、すべて入れ替えるには12歳前後までかかるのが一般的です。
遅ければすべての永久歯が生えそろうのに14歳前後までかかることもあり、抜ける時期や生えそろう時期には個人差があります。
そのため、多少抜ける時期が早くても生えそろう時期が遅くても、大して気にする必要はありません。
しかし、思春期を過ぎても乳歯が抜けない場合は、歯科医に相談してみる必要があります。
生え変わる順番
歯が抜けるのには、ある程度順番があります。一番初めに抜けるのは、下の前歯です。前歯が抜けるタイミングで、奥に大臼歯が生えてきます。
7歳前後になると、上の前歯が抜けます。
よほどでない限り3か月ほどで永久歯が生えてきますが、まれに出てこないこともあるため注意しておきましょう。
抜けても生えるまでには時間がかかりますが、もし1年以上永久歯が生えてこないようなら歯科医に相談してみてください。
生えてくるのに、手助けが必要な場合があるからです。
一般的には前歯から奥歯へ向かって歯が順番に抜けていき、11歳前後にはある程度生えそろってきます。
一度に2本抜ける、抜けるタイミングが左右で少し違うなどもあり、個人差があるため特別心配する必要はありません。
ただし、右側が抜けたのに左側は全く抜ける気配がないなどがあれば、歯科医に相談することをおすすめします。
乳歯と永久歯の違い
乳歯と永久歯には、違いがあります。乳歯が抜けて生えてくる大人の歯には、乳歯にはない特徴があります。
永久歯は一生使うことになる歯であり、虫歯になったからといって抜いても新しい歯が生えてくるわけではないため、大切にしましょう。
歯の本数
乳歯と永久歯の違いは、歯の本数です。子供の時は顎も小さく、スペースがないこともあって乳歯はわずか20本しか生えていません。
しかし、永久歯は時間をかけて生えそろい、その間に顔も大きく顎も広がるため親知らずも含めて歯の本数が32本に増えます。
歯の質
乳歯と永久歯の違いは、歯の本数だけではありません。
歯の質も、大きく違います。一生使うだけに乳歯に比べてはるかに丈夫であり、歯の厚みも2倍程度になります。
とはいえ、生えてから2年ほどはそこまで丈夫ではないため、きちんと歯磨きをしなくては虫歯になる可能性が大きいです。
子供が矯正を開始する時期
子供が歯の矯正を開始する時期は、いつ頃が望ましいのかを知っておく必要があります。
正しい時期に矯正治療をすることで、歯の健康が保たれるからです。
子供に矯正治療ができる時期は2つあり、それぞれ第1期治療と第2期治療と呼ばれています。
治療時期について、詳しく知っておきましょう。
第1期治療
第1期治療は、乳歯と永久歯が混合している時期に行われる治療です。
成長が著しい時期でもあるため、うまく利用してあごが広がるように誘導できれば楽に矯正治療を行えます。
すべてが永久歯になってしまうと顎も固定され、歯列矯正のためのスペースを確保するのが難しくなってしまいます。
そのため、歯列矯正をする必要がある子供にとって乳歯と永久歯が混合している時期は、非常に重要な時期です。
第2期治療
第2期治療は、永久歯が生えそろった時期に行う治療です。歯並びやかみ合わせだけでなく、見た目も重視した治療を行います。
第2期治療では、ワイヤーとブラケットを使った治療を行うため、ワイヤーとブラケットは変に目立たないよう白色か透明なものを選ぶようにしましょう。
治療期間は歯の状態にもよりますが、1~2年程度になります。矯正治療の時期に関しては信頼できる歯科医に相談するのが望ましいです。
生え変わり期の歯並びの不安は、ぜひ下記リンクから無料の矯正相談をご活用ください。
子供の矯正の治療方法
どのような矯正治療も、子供にもできるかといえばそうではありません。
とはいえ、まったく治療方法がないというわけでもなく子供の矯正治療の方法は、いくつかの種類があります。
どのような矯正治療方法があるのかを詳しく解説していくため、子供の歯並びが気になる人はぜひ参考にしてみてください。
床矯正
床矯正は、歯を並べるスペースを確保するために抜歯をするのではなく、顎を広げて歯を入れるスペースを作るための矯正方法です。
歯を抜くとどうしても負担がかかり、子供にも嫌な思いをさせてしまいます。
子供の顎は成長途中のため、大人と違って矯正装置を使うことで比較的簡単に広げることが可能です。
床拡大装置を使用すれば顎を広げることができ、食事や歯磨きなどの装置が邪魔になるときには取り外しができます。
そのため、子供にも受け入れやすい矯正方法です。
マウスピース矯正
マウスピース矯正であれば、装着する時間が短くて済むため子供でも比較的やりやすい矯正治療といえます。
常に装着していなくていい、というのは矯正治療を嫌がる子供にとっても受け入れやすいです。
また、痛みも少なく子供にかかるストレスも軽減できます。
調整の必要もほとんどないため、頻繁に通院しなくていいのもマウスピース矯正の利点です。
歯磨きや食事のときには取り外して、装置や歯をきれいに保つ事ができます。
リンガルアーチ
リンガルアーチと呼ばれる器具を装着して、歯を前方や側面に動かす治療方法です。調整が必要なときには、歯科医院に行かなくてはなりません。
リンガルアーチには着脱式や固定式などいくつかの種類が存在し、症状に応じて使い分ける必要があります。
固定式は、成長によって下顎が大きくなりすぎないようにするための装置です。
症状にもよりますが、矯正治療には2~3年かかります。見ただけでは矯正中かどうかがわからないうえに痛みが少ないのが利点です。
そのほか、取り外しができないため口の中が傷ついたりうまく歯磨きできなかったりというデメリットがあります。
もしも口腔内が傷ついてしまったら、ひどくなる前に歯科医に相談してください。信頼できる歯科医と相談して、症状に合ったリンガルアーチを装着しましょう。
固定式拡大装置
固定式拡大装置は、上顎に装着して上顎を大きくするための装置になります。
小臼歯と大臼歯にバンドを付けて固定するものであり、真ん中のねじを回すことであごを広げられる装置です。
顎が大きくなるスピードが速く、拡大量も大きいのが特徴です。
ばねの力を利用するもの以外にも、上顎の拡大に使用する装置、下あごの矯正に使用する装置などいくつかの種類があります。
歯科医に相談して、子供に合った装置を使用しましょう。歯の裏側に装着するため、一見するだけでは矯正治療中であることがわかりません。
ただし、簡単に取り外しができないため、とくに子供の場合は歯磨きをしづらくなるというデメリットがあります。
顎を広げるという特性から子供の方が使いやすい装置であり、使用するなら13歳ごろまでがおすすめです。
ワイヤー矯正
歯の表面にブラケットを付け、ワイヤーを通して歯並びを矯正するための装置です。
歯が動かしやすく、マウスピース矯正などに比べると対応できる症状も多い半面、痛みが強いというデメリットがあります。
また、表面に装着すると矯正治療中であることが目立つため嫌だという人も多くいます。
目立つのが嫌であれば、なるべく歯の色に近いセラミックなどの素材を選ぶようにしましょう。
どうしても気になるようであれば、歯の裏側から装着する方法もあります。
高い技術を持つ信頼できる歯科医に相談し、自分に合った方法を探しましょう。
下記のリンクから、無料の矯正相談の予約ができます。ぜひ活用して生え変わり期の歯並びのお悩みを解消してください。
子供の歯並びを矯正する際の注意点
子供の歯並びを矯正するのは、大人のようにはいきません。
子供としっかりとコミュニケーションを取り、できるだけ理解を得てから始めましょう。強く痛むようなら、すぐに歯科医に相談してください。
虫歯にならないためにも、選ぶ装置は取り外しが可能なのが望ましいです。
とはいえ、簡単に自分で取り外してしまって使用時間が短くなってしまったら矯正治療が失敗してしまいます。
そのようなことにならないためにも、使用時間には注意しておきましょう。
矯正治療は短ければ半年ほどですが、長ければ2~3年かかってしまうこともあります。
症状によって治療期間は大きく変わってくるため、長期になるようなら精神的なケアもしておくことをおすすめします。
生え変わりの時期の矯正は歯科医に相談しよう
歯が生え変わる時期は、非常に重要な時期です。
噛み合わせや歯並びが悪いままだと虫歯になる可能性が高くなるだけでなく、食事を噛むことが難しくなり健康を害するようになってしまいます。
そのようなことにならないためにも、生え変わりの時期の矯正は信頼できる歯科医に相談してください。
まとめ
矯正治療は子供のうちにしておけば、大人になってから無理に歯を抜く必要もなくなります。
重なっている歯をきれいに並べられるなら、虫歯になる可能性も低くなります。
成長途中であるため、顎を広げやすく矯正治療にかかる負担も少なくできるのも子供が矯正治療をする利点です。
ぜひ、矯正治療をしてきれいな歯並びを手に入れましょう。