【監修:青山健一】
目 次
歯の長さが揃っていないと見た目が気になってしまうと思います。
特に前歯は最も見られる歯になるため、自身の歯をコンプレックスと考えている人も少なくありません。
今回は、前歯が長い原因や矯正方法に紹介します。是非、コンプレックスを抱いている人は参考にしてください。
歯の長さの理想のラインは?
審美歯科的には歯の長さの理想のラインには「スマイルライン」という基準があります。
スマイルラインとは口角をあげて笑ったときに上の前をの先端を結んでできるラインのことを呼び、このライン1つで相手に与える印象が大きく違います。
具体的には上唇のラインから女性なら3~3.5mm、男性なら2~2.5mm下に歯の先端があるのが理想とされており、これが審美歯科的に歯の理想のラインです。
歯は相手に与える印象に大きく関わってくる部分のため、矯正治療をしようと考えているのならスマイルラインを理解して治療を進めましょう。
前歯が長い原因
前歯が長いというコンプレックスを抱えている人は少なくありません。この前歯が長いことには様々な原因があります。
例えば、出っ歯も前歯が長く見られてしまいますがこれは遺伝の影響だったり普段の癖が影響していたりします。
前歯が長く見えると見た目に影響するだけでなく口内を傷つけてしまったり呼吸に影響があったりしてしまうため早めに治療が必要です。
前歯が長い原因は大きく2つあり「全体的に大きい」か「相対的に大きく見える」が挙げられます。この2つの原因について紹介していきます。
全体的に大きい
歯は永久歯に生え変わったら基本的には大きく変わることはありません。そのため、歯が大きいのは遺伝の影響が大きい場合があります。
歯が大きいと歯を削る必要がありますが染みたり痛みがでることはほとんどありません。しかし、虫歯や歯周病のリスクが高まるため注意が必要です。
また、歯を削る場合はそのままだと隙間を矯正しないと「すきっ歯」になってしまうため医師に相談をして治療を進めましょう。
相対的に大きく見える
相対的に歯が大きく見えるということは、周囲の歯が前歯に比べて大きく見えているということになります。ではどういうときに歯が大きく見えるのでしょうか。
まずは前歯2本以外の歯が小さい場合です。これは側切歯や犬歯が前歯より小さかったり奥に位置していたりするときになりがちです。
次に出っ歯の人で先ほどの場合とは逆に前歯が突出している状態になるため、歯が大きく見えてしまいます。これは前歯が唇側に傾いて前歯が突出している状態です。
最後に歯肉退縮です。これは歯周病やブラッシングの影響で歯茎のラインが下がって歯の根本がむき出しになって歯が大きく見えてしまいます。
これらは矯正治療で治療することも可能になるため、気になる場合は医師に相談をしましょう。
歯の長さが不揃いになるその他の要因
ほかにも歯の長さが不揃いになる要因はあります。例えば、「乱杭歯」や「捻転歯」など歯並びが悪いことによって歯の長さが不揃いに見えてしまうことです。
前歯部は中切歯、その隣の側切歯、犬歯の左右に6本と上下合わせて12本の歯で形成されており歯のバランスが悪いと全体的に長さが不揃いに見えてしまいます。
特定の歯が小さい・小さく見える
特定の歯が実際に小さい場合はそれに合わせて削ったり歯列矯正で目立たなくすることしかできません。
子供の場合であれば歯の生え変わりのタイミングで歯が生え変わっていない歯が小さく見えてしまうことがありますがこれは生え変われば問題ありません。
しかし、実際は歯は正常の大きさでも小さく見えることがありますがこれは歯並びが大きく関わっていることがあるため、歯列矯正が必要です。
歯が小さい・小さく見える場合は判断が難しいことがあるため、気になったときは早めに歯科医に相談をしましょう。
歯茎のラインが乱れている
歯茎のラインが乱れている場合、ほとんどが歯茎が下がっている状態です。
これは歯周病の悪化などによる歯肉退縮の状態になり歯周病の進行状況によって完全に回復できます。ほかにも噛み合わせや加齢などによっても起こってしまいます。
この状態は治療が早ければ早いほど効果があるため、歯茎のラインが気になった人は早めに歯科医と相談をして対処していきましょう。
歯の長さを揃える矯正と費用
歯の長さを揃える矯正治療は基本的にワイヤー矯正かマウスピース矯正をすることが一般的です。
費用の内訳は「初診相談料」、「検査・診断料」、「矯正費用」、「通院費(装置、ワイヤー調整料)」さらに歯を削る場合はその分がプラスされるという感じとなります。
また、歯の状態によっても治療内容は変わっていくため費用が気になる場合は歯科医院にいって診察を受ける必要があります。
ここでは歯の長さを治療する矯正方法は様々な種類があるためそれぞれの特徴について確認してみましょう。
表側矯正
表側矯正とは歯の表面矯正装置を着けるタイプの矯正治療で「ラピアル矯正」とも呼ばれています。
この治療法は矯正治療ではメジャーで様々な症例に使用されているため特に理由がなければこの治療法で矯正治療を進めることがおすすめです。
デメリットとしては歯の表面に装置がくるため、いかにも治療している見た目になってしまうことと治療中は基本的に装置はつけたままになり歯ブラシをしづらくなってしまうことです。
見た目は材質で目立ちにくくできますし虫歯もきちんとケアをすれば防げるため医師の指導を聞いて治療を行いましょう。
裏側矯正
裏側矯正は「舌側矯正」や「リンガル矯正」とも呼ばれています。
この治療法は表側矯正に比べて歯の裏側に矯正器具を装着するため、目立ちにくいという点が最大のメリットとなっています。
しかし、表側矯正にも増して歯磨きなどのケアを念入りにする必要があり虫歯になりやすい点がデメリットです。
また、舌に装置があたりやすく違和感が気になる人もいるため装着する前に医師と相談をして決めましょう。
インビザライン(マウスピース矯正)
インビザライン矯正はマウスピース矯正とも呼ばれ「アライナー」と呼ばれる透明なマウスピースを使用する治療法です。
この治療法はほかの矯正治療のように取り付けたら簡単には外せないというわけではなく手軽に外せて食事ができるというメリットがあります。
ケアも取り外して入念にできるため、メンテナンスもしやすく矯正治療の不自由さを軽減できます。
しかし、マウスピースにはデメリットがあり都度オーダーメイドで作らなくてはならないため値段が高くなってしまうという点です。
セラミック矯正
セラミック治療は歯を削ってセラミックのかぶせ物をする治療法です。これは歯を削って調整をしなくてはならない場合に使用されています。
この治療法はほかの矯正治療のように歯を動かして治療するわけではないため、治療期間が圧倒的に短く済むというメリットがあります。
しかし、歯並びを根本から治すわけではないため部分的にはよくなりますが全体的な矯正にはならず全体的に歯並びが悪い場合にはほかの治療法を併用して治さなければなりません。
この治療法は前歯のみの矯正や歯の色合い修正などで用いられる治療法です。
歯の長さを揃える矯正は保険適用が効く?
基本的に矯正治療は保険適用外になるため、治療を受ける前に費用の確認は必要です。しかし、前歯から3番目までの歯を治療した際に保険が適用される場合があります。
通常、歯を削ったときに使用するかぶせ物は銀歯でないと保険を適用できませんが前歯の場合は白いかぶせ物で治療できることがあります。
しかし、材質はハイブリッドレジンでなくてはならないなど制約があるため矯正治療の際はあらかじめ保険適用が可能か確認をしておきましょう。
歯の長さを揃えて見た目も健康も整えよう
何度もお伝えしていますが、歯は人の印象に大きく関わってしまいます。
歯並びでストレスを溜めてしまうことで精神的なストレスで身体まで調子を落としてしまうことは珍しくありません。
しかし、歯並びは体質的な的なものと考えて中々治療を進められない人もたくさんいるため、一人で悩まずに早めに歯科医に相談をして改善をしましょう。
コンプレックスが解消されるだけでも日々の生活が楽しく前向きになれます。
まとめ
前歯の長さがばらついているのは実際に長いだけでなく長く見えているということもあるということが分かりました。
自分が実際のところどちらなのかというのは、鏡を見ているだけでは判断できないことも多くあると思います。
自分で迷う前に医師に相談してどちらなのか判断してもらう適切な治療を受けることで正しい歯並びを獲得しましょう。