インビザライン矯正で行うIPRの特徴を歯科医が解説|IPRのメリットや必要なケースもご紹介します

【監修:青山健一】

インビザライン矯正で行うIPRの特徴を歯科医が解説|IPRのメリットや必要なケースもご紹介します

歯科矯正治療で痛みが少なく目立ちにくいインビザライン矯正を希望される方が増えており、さまざまな歯の状態に対応するためにIPRを併用しています。
インビザライン矯正では、治療前検査で矯正部位を確認するとともに歯を動かすためのスペースを計算します。IPRはそのスペースを作るために歯の一部を削る処置です。
今回は、インビザライン矯正治療と併用されることが多いIPRの安全性と効果について詳しく解説します。

インビザライン矯正では歯を削ることがある?

インビザライン矯正では歯を削ることがある?

歯科矯正では、矯正装置を使って歯の位置を動かしたり抜歯によって歯の動くスペースを確保したりすることがあります。
隣り合った歯のエナメル質の部分だけ薄く削って隙間を少しずつ確保するIPRという処置により、歯を動かすスペースを確保できるようになりました。
抜歯で大きなスペースを空けることなく治療を進められるのがメリットです。

IPRの概要

IPRの概要

日本人の歯のエナメル質の厚みは1~2mmですが、IPRでは削り取る幅が最大でも0.25mmとわずかなため歯に痛みを感じたり虫歯になるということはありません
IPRによって歯を動かすためのスペースの確保ができるため、インビザラインと併用した歯科矯正がスムーズに進み全体の治療期間の短縮を図ることが可能です。

IPRで処置することは歯の移動のためのスペースを作るばかりでなく、上下の歯のバランスを整えたり前歯の傾斜を改善できます。

IPRの特徴

IPRの特徴

IPRのメリットは、抜歯をしなくても矯正治療に必要なスペースを作ることが可能になり患者様の負担を大幅に軽減できるという点です。
エナメル質の一部を薄く削るため、痛みがなく虫歯になることもありません。専用の器具を使うため麻酔の必要もなく安心です。

IPRとインビザライン矯正と併用することで矯正治療を無駄なく進められ、治療効果が高まり全体の治療期間を短縮できます。

削る範囲

インビザライン矯正では治療のために口腔内をスキャンして得た歯型のデータで3D画像を作り、その画像からIPRで削る歯の位置と厚みを判断し治療計画が作られます。
インビザラインを装着してから何週目にどの歯を削るのかという計画を立て、矯正治療と並行しながら慎重に進めることが可能になりました。

歯科医師は、治療計画と患者様の歯の状況を調べながら最適な治療の判断を繰り返すことで痛みや不安のない安心の治療ができます。

IPRの目的は?

IPRの目的は?

矯正治療では乱れた歯並びを歯を動かして並び替える治療のため、歯が動くスペースは必要です。IPRは歯と歯の間を薄く削って治療のためのスペースを作ります。
抜歯など自分の歯を失うことなく歯のエナメル層の一部を薄く削るため、痛みもなく患者様の負担が少ないことが大きな特徴です。

治療前に口腔内の画像から削る部位の特定と削る計画を立て麻酔が必要ない治療を適切な時期にできるため、矯正治療を計画通り円滑に進めることができます。

歯と歯の間にスペースを作る

歯並びを矯正する場合は歯を正しい位置に動かすためのスペースが必要です。IPRでは隣り合った歯を薄く削ってスペースを作ります。
歯の外側を構成しているエナメル質は1~2mmり、この部分を0.2mm程削るのがIPRです。隣り合った歯も削りますから隙間は一か所で0.4mm程度になります。

このIPRを複数行うことで必要なスペースを確保することができます。削る部分が薄いため痛みもなく麻酔を必要としないため患者様の負担も少なく安心です。

歯の形・大きさを整える

IPRは横に並んだ歯の間を削るだけではなく、その機能を活用して上下の歯の形を整えたり大きさを変えることができます。
矯正歯科では歯並びだけでなくかみ合わせなどの治療についても、IPRの技術を使って歯の形を変えることで矯正することが可能です。

IPRを使って上下の歯の大きさや形を整えることで一つ一つの歯の矯正をするだけでなく、口の周りの骨格や顔のバランスを整えることができます。

ブラックトライアングルの解消

ブラックトライアングルの解消

歯と歯の間をよく見ると付け根のところに三角形のすき間が見られることがあり、ブラックトライアングルと呼ばれています。
IPRの技術を使って隣り合った歯を削ることによって歯と歯のすき間が狭まり、ブラックトライアングルを小さくすることが可能です。

ブラックトライアングルは歯の不正咬合などによる歯肉炎が原因で歯茎が下がるため起こりますが、ブラックトライアングルはIPRの技術により歯の形を変えることで解消できます。
インビザライン矯正で行うIPRについて質問や不安なことがありましたら下記ボタンから無料矯正相談をご活用ください。

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インビザライン矯正でIPRを行うメリット

インビザライン矯正でIPRを行うメリット

インビザラインの矯正治療では 治療前に口腔内スキャンを使って歯型データと3D画像を得られるため、IPRの必要な歯を特定し削る幅を決めることができます。
IPRの処置計画とインビザラインの装着予定を一度にできるため、いつどの歯をどのくらい削るかを決められ治療をスムーズに進めることが可能です。

インビザラインによる矯正治療とIPRによるスペースづくりが連動して行われることで、マウスピースの作り替えがなく痛みも少なくなるため患者様の負担を軽減できます。

スペースを確保できる

スペースを確保できる

IPRで歯を削ることでスペースを作ることができますが、計画的に小さなスペースを作り続けることで適正なスペースを確保できます。
抜歯などで大きなスペースを作れますが痛みなど不安が消せません。IPRでは自歯を抜かずに計画的にスペースを確保でき、安心して治療を継続できます。
IPRは事前検査で削る部位と適正な厚みを決めるため削りすぎや余分な隙間が残ったということはありません。

治療期間の短縮

治療期間の短縮

インビザラインは歯型を作る段階で綿密な口腔内スキャンと3D画像を作製するため、IPR技術により治療計画に連動した適切なスペース確保の手順を決定できます。
IPRとインビザライン装着を繰り返すことで、矯正部位に適正な力をかけられるため矯正効果を高めることが可能です。

インビザラインの補正もなく計画的で効果的な矯正ができるため、治療に無駄な時間がかからず治療期間の短縮につながります。

抜歯せずに済む可能性

歯科矯正では歯並びを改善するために歯を動かすスペースが必要なため、抜歯も一つの選択肢として考えなければなりません。
必要なスペースは歯の状態によるため抜歯による大きなスペースを必要としない場合はIPRでスペースを確保する方法を選択します。

隣り合った歯の間に隙間のある「すきっ歯」の場合は、そのすき間を利用して矯正治療が可能となりますから抜歯もIPRも必要なくなります。
幼少期から歯並びの治療を始めることで大人になってからの治療での抜歯を予防できることもありますから、幼少期からの定期的な検診も重要です。

インビザライン矯正でIPRを必ず行うのか?

インビザライン矯正でIPRを必ず行うのか?

インビザライン矯正でIPRを行わなくても治療できますが、インビザライン矯正とIPRを併用して治療したほうがメリットがあるためほとんどの場合IPRを使います。
IPRで得られるメリットは次の通りです。

  • ブラックトライアングルを小さくできる
  • きれいな歯並びになる
  • 前歯の傾斜を改善できる
  • 歯の大きさのバランスを整えられる
  • 治療後の歯の後戻りを防げる

IPRは小さなスペースを作る処置であるため、矯正治療に必要なスペースを確保できない場合はIPR以外の方法を選択することがあります。

IPRが必要なケース

IPRが必要なケース

矯正治療はインビザラインのような矯正装置を使って歯を動かすため、IPRで動かすスペースを用意できることは絶対必要な条件です。
矯正治療前の検診でインビザラインの歯型を作るための口腔内スキャンと3D画像の作成をし、その画像から削る部位を選定して可能な場合にIPRを使います。

IPRは小さなスペースを複数用意して必要な大きさのスペースを確保できます。そのため、インビザライン矯正で歯を動かしても無理なく移動でき痛みも少ないため安心です。

歯を動かすスペースが必要

歯並びを改善するために移動のスペースが必要です。歯並びの状態により必要なスペースが変わりますが、IPRは複数の歯を無理なく削ることで適切なスペースを確保できます。
抜歯などでは余分なスペースが出ると再度矯正が必要になりますが、IPRは治療前段階から計画的に適正で無駄のないスペースを作ることが可能です。

IPRとインビザラインを併用することで、適切なスペースに無理なく歯を移動させるため治療後の歯の後戻りが防止できます。

歯の大きさのバランスを整える

IPRは隣り合った歯の隙間を削ることで歯の大きさを調整でき、歯並びのきれいな状態を確保できます。
IPRでは横に並んだ歯の調整だけではなく上下の歯の大きさや形の調整もできるため、歯列全体をバランスの良いきれいな状態に改善することが可能です。
前歯の傾斜による不具合もIPR処置で歯を的確に削り改善できるため、前歯傾斜による出っ歯の治療に有効です。

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インビザライン矯正とIPRの不安は歯科医に相談

インビザライン矯正とIPRの不安は歯科医に相談

IPRは歯のエナメル質(1~2mm)の部分を0.2mmほど削る処置ですから、痛みはなく削るときに麻酔は必要ありません
IPRは上下の歯も必要に応じて削ることで歯の大きさや形をそろえることができ、美しくバランスよく歯並びを改善することが可能です。

IPRは歯を削るため不安を感じている患者は、ぜひ専門の歯科医にご相談することをお勧めします。歯科医師は安心して治療に進めるアドバイスを用意しています。

まとめ

まとめ

矯正治療は長期間継続しなければならない治療ですから、治療前の検診や面談から患者様の不安を解消し心の負担をできるだけ軽減しながら進めることが大切です。
インビザライン治療にIPRを併用することが患者様の負担を軽減し治療の効果を高めるとともに、治療期間の短縮につながる選択になります。

治療に関して不安なことがありましたら、専門の歯科医院にご相談ください。多くの治療経験と最新の治療法をもとに患者様の不安を解消する提案を用意しています。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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