【監修:青山健一】
目 次
インビザライン矯正を始めるときにiTeroという機械で口の中のスキャン画像を撮影しますがiTeroとはどのような物か知っていましたか?
この記事では、インビザライン矯正に必要なiTeroでできることをご紹介します。またメリットやアライナーができるまでの流れも詳しく解説します。
これからインビザライン矯正を始めようかと検討している方は参考にしてください。治療を始めるかどうか迷っている方はインビザライン矯正に対する不安がなくなります。
インビザライン矯正に必要なiTeroの特徴を解説
iTeroは口の中を小さなカメラでスキャンして3次元のデジタル画像を直接コンピュータに取り込むスキャニング装置です。
従来のインビザライン矯正では、シリコンやアルジネートといった印象材で歯の型取りを行っていましたが、患者にとっては大きな負担でした。
iTeroでは小さなカメラを口の中に入れるだけで、ほとんど負担に感じることはありません。小さな子供でも不安がないまま終わります。
撮影時間は3分から5分程度です。画像はすぐに確認ができるため取り直しが必要になった場合でも容易に対応ができるのも特徴です。
iTeroでできること
iTeroでできることは「歯の型取り」です。自分で歯の状態を詳しく見ることはとても難しいです。
歯科医にとっても患者の歯並びを見るには歯科用ミラーを駆使して確認しなければなりません。
iTeroで口の中をスキャンすると、口の中をいろいろな方向から立体的に確認ができます。
インビザライン矯正を痛みや苦痛から解放させたといっても過言ではありません。そんなiTeroでできることをご紹介します。
歯型の3次元スキャン
iTeroは小さなスティック状のカメラで口の中をスキャンしながら撮影します。撮影した画像は3次元デジタルデータとして保存されます。
インビザライン矯正ではひとつのアライナーで歯を動かすのは0.25ミリです。そのため、マウスピースを作るための型取りで重要なことは「歯型の正確な再現」なのです。
iTeroによる型取りは従来の方法に比べて正確に再現ができます。なおかつ寸法精度の高い精密スキャンができるため効果的な治療につながります。
データはクラウド上に保存
撮影された歯型の3次元データはコスタリカにあるアライン・テクノロジー社のオペレーションセンターに送られます。
アライナーの制作に関係する3次元データ・シミュレーションデータ・治療計画書はインターネット環境で送信されクラウド上に保存されます。
歯科医院とアライン・テクノロジー社のカリフォルニア本社・コスタリカオペレーションセンター・メキシコ工場で行われるデータのやり取りはすべてがクラウド上です。
データを使ってアライナーを製作
歯科医から説明された治療計画に納得が得られれば、治療計画データはアライン・テクノロジー社に送られアライナーの製作が行われます。
矯正シミュレーションによって決められた必要枚数のアライナーが1枚1枚オーダーメイドで作成されるのです。
一般的に使用するアライナーは50枚前後です。そのすべてが一括で作成されて歯科医に配送されます。
印象材で作成した歯型を空輸していた従来方法に比べてデータをインターネットで送信するため、アライナーの製作期間も短縮されます。
iTeroなら短時間でのスキャンが可能
歯型取りのためにiTeroで口腔内をスキャンするのは3分程度のわずかな時間です。その時間で歯並びや噛み合わせなどの写真を撮影します。
シリコンなどの印象材で歯型を採取する場合は、口の中いっぱいに入った印象材が乾くまで苦痛に耐えながらじっと待っていなければなりません。
iTeroなら、スティック状のカメラで口腔内を撮影するだけの少しの時間で歯型が取れるため、患者に負担がかかりません。
短時間でスキャンしても1秒間に800枚もの大量の写真を撮影しています。この写真を組み合わせて3次元画像が作られるのです。
iTeroのメリット
インビザライン矯正ではiTeroで歯型取りをする歯科医院が増えています。患者の負担が少なく精度が高い歯型取りができることが大きな理由です。
従来と大きな違いは、iTeroでスキャンした画像はデジタルデータとしてクラウド上で保存されることです。
そのため、容易に3次元イメージやシミュレーション画像などに加工することができます。患者も治療に対する理解がしやすくなりました。
このようにiTeroのたくさんあるメリットから、主なメリットをご紹介します。治療の参考にしてください。
放射線を使わない
iTeroのスキャンは光学カメラで行います。レントゲン撮影のように放射線を使用しないため安全に利用できます。
正確なデータをとるために何度かスキャンすることもありますが、その場合でも被ばく量を気にする必要もありません。
iTeroを使用したインビザライン矯正なら小さな子供や妊婦さんでも安心して治療が始められます。
正確な歯型が採れる
iTeroでは光学撮影で歯型を採るため、正確で精密な歯型データが採取できるのがiTeroの一番のメリットです。
従来の印象材による歯型取りでは、型を外すときに少なからず変形したり欠けたりすることがありました。iTero画像はシリコンの印象のように変形や欠けが生じる心配はありません。
さらに、デジタルデータで保存するため時間が経っても変形や劣化しません。いつでも必要なときに採取時の正確な歯型を利用できます。
嘔吐反射の心配がない
iTeroによるスキャンでは嘔吐反射を起こす心配はありません。3分程度、長くても5分ほど口を開けているだけで型取りは終了します。
その間は細いスティック状のカメラが口の中を行ったり来たりします。奥歯のスキャンをする際は喉の奥近くまでカメラが入ることがありますが、喉には触れないため嘔吐反射も起こりません。
印象材による型取りは患者にとって苦痛な時間でしたが、iTeroのスキャンは快適とはいえないまでも痛みや不快な思いをすることはありません。
iTeroについてもっと知りたい場合は、下記のリンクから無料相談の予約ができます。
iTeroでアライナーができるまでの流れ
iTeroでできることやメリットを理解していただけたところで、アライナーができるまでの流れをご紹介します。
治療計画の段階ではiTeroでスキャンしたデータを使って、治療イメージや治療後の歯並びが確認できます。
どの矯正治療でも同じことが言えますが、インビザライン矯正でもカウンセリングがとても重要です。疑問や不安をすべて解決しておきましょう。
初診・カウンセリング
インビザライン矯正を始めるにあたって最初に行われるのが問診とカウンセリングです。
歯科医からインビザライン矯正の治療方法・メリット・デメリット・治療期間・治療費用・考えられるリスクなどの説明があります。
このときに、どこを治療したいのか・どのような歯並びにしたいのかなど希望をこまかく伝えましょう。希望が具体的なほど歯科医が作成する治療計画に反映されやすくなります。
また、治療に関する疑問や不安に感じていることをカウンセリングの段階で確認しておきましょう。どんな小さなことでも質問して不安をなくしておくことが大切です。
検査・治療方針の決定
カウンセリングの結果でインビザライン矯正を希望すると決めた場合は、精密検査が行われます。ただし、この段階では治療契約までは行いません。
精密検査ではパノラマレントゲン・デンタルレントゲン・顔写真・口腔内写真を撮影したのちiTeroによる口腔内スキャンを行います。
iTeroによるスキャン画像は3次元データに変換され、このデータをもとにして治療計画を作成するのです。3次元の歯型イメージはすぐにiTeroのディスプレイで確認できます。
治療方針が決定したら、歯科医が作成した治療計画とiTeroのスキャンデータがアライン・テクノロジー社に送られます。
iTeroで口腔内をスキャン
精密検査の段階でiTeroによる口腔内のスキャンが行われます。スキャンにかかる時間は3分程度です。
1秒間に撮影されるフレーム数が800枚の高速連続撮影が行われ、これらの写真を合成することで3次元の歯型イメージになります。
この3次元イメージはデジタルデータで保存され、歯科医とアライン・テクノロジー社で共有し矯正シミュレーションや治療計画に利用されます。
データをもとにアライナーを製作
アライン・テクノロジー社では、送られたiTeroの3次元データをもとに治療のシミュレーションデータを作ります。
このシミュレーションデータは歯科医とも共有され、何度かチェックと修正が繰り返されて最終的な治療計画が出来上がるのです。
この治療計画を患者が納得すれば、インビザライン治療の契約が結ばれてアライナーの制作がスタートします。
治療計画にもとづいたすべてのアライナーが一括してアライン・テクノロジー社で作られます。精密検査を行ってからアライナーが歯科医に届くまでは約1ヶ月から1ヶ月半ほどです。
iTeroで治療後の歯並びを確認しよう
インビザライン矯正ではiTeroでスキャンした3次元データをもとにして、治療後の歯並びをシミュレーション画像として確認できます。
治療後の歯並びだけでなく、現在の歯並びから治療後の歯並びまでどのように歯が移動していくのかを時系列で確認もできるため患者の納得感も高いのです。
このシミュレーション画像は自由な方向から見られます。普段は見ることが難しい歯の裏側から見たり下から見たりさまざまな方向から確認が可能です。
また、iTeroのスキャンデータやシミュレーション画像はスマホでも見ることができます。
iTeroを使ったインビザライン矯正を希望するなら
iTeroを使ったインビザライン矯正を希望するなら歯科医に相談してみましょう。今ではiTeroが備わっている歯科医院がたくさんあります。
印象材を使った歯型取りのイメージが強い方は、なかなか治療に踏み切れないかもしれませんね。
ご紹介したようにiTeroを使った歯型取りでは苦痛や不快感などはほとんどありません。歯科医に相談することでインビザライン矯正に対する不安もなくなります。
iTeroについてもっと知りたい場合は下記のリンクから無料相談の予約ができます。
まとめ
ITeroの特徴やメリット・デメリットをご紹介しましたが、インビザライン矯正に対する不安を払拭していただけましたか?
iTeroのスキャンで作成した3次元イメージは、まるで体が小さくなって口の中を動き回って眺めているように上下左右360度の方向から確認できます。
今の歯並びと治療後の歯並びが比較できるのも治療を始めるための安心材料になります。治療期間中に歯がどのように動いていくのか目で見て確認できるのもポイントです。
インビザライン矯正は治療前の苦痛や治療中の痛みも少ないため大人から子供まで安心して始められる治療法です。
矯正治療で悩んでいるなら、素敵な歯並びを手に入れるためにも今すぐ歯科医院に相談してみましょう。