【監修:青山健一】
目 次
「矯正治療方法のインビザラインライトってなに?」と悩んでいませんか。
歯科矯正治療に調べていると、「インビザラインライト」という言葉を何度か見たことがある方は多いと思います。しかし、インビザラインライトについて詳しく理解している方は少ないはずです。
そこで今回は、インビザラインライトについて詳しく知りたい方に向けてインビザラインライトの特徴やメリット、注意点などについて紹介します。
インビザラインライトの特徴
インビザラインライトは、マウスピース矯正治療の1つでありインビザラインという矯正方法の1つ種類です。
通常のインビザラインとの違いは、適応可能になる歯並びの重症度です。
インビザラインライトは、インビザラインが適応になる症状の中でも軽症な歯並びで適応になります。
具体的には、長くても7か月で矯正治療が終了する軽症な歯並びのみの症例です。
インビザラインライト以外にも種類がある
インビザラインの矯正治療は、インビザラインライト以外に短期間で終了する方法が3種類あります。
短期間で終わる3種類の治療方法を理解することで、自分に本当に合った矯正治療の方法を選べます。
3つの短期間で終わる矯正治療方法について理解しましょう。
インビザラインファースト
インビザラインファーストは、子どもの矯正治療を行える方法です。
具体的には乳歯と永久歯が混ざっている子どもでも治療が行えるため、子どものうちから綺麗な歯並びを手に入れられます。
子どもなら誰でもインビザラインファーストの治療を実施できるかというと、そうではありません。
歯並びや歯の生え変わりの状況によっては、適応外になる可能性もあります。
そのため、子どもにインビザラインで矯正治療を行わせたい場合は、近くの歯科医に一度相談してみてください。
インビザライン・i7
インビザライン・i7は、インビザラインライトよりも軽症な歯並びが適応になる矯正方法です。
具体的には、3か月間程度で歯並びの治療が終了する程度の軽症の歯並びが適応になります。
軽度な歯並びのみの対応ですが3か月程度で治療が終了するため、矯正のストレスを感じづらいメリットがあります。
インビザライン・GO
インビザライン・GOは、前歯の矯正治療に特化した矯正方法です。
AIを使用し矯正治療が可能な歯並びがどうかの判断をすぐにできます。前歯のみの矯正治療なため、短期間で矯正治療が終了します。
しかし、奥歯が原因で歯並びが崩れている場合は適応になりません。
インビザラインライトの適応症例
インビザラインライトは、適応になる症例が限られています。
どのような症例が適応になるか紹介するため、自分が適応可能か考えてみてください。
すきっ歯
インビザラインライトは、軽度なすきっ歯を矯正治療できます。
綺麗な歯並びは、すき間がなくぴったり歯が並びます。すきっ歯は隣の歯とぴったり並ばずにすき間がある状態です。
歯に加わるストレスがすきっ歯だと増えてしまうため、見た目上の問題ももちろんですが歯を大事にするという観点からも矯正治療を行うのがおすすめです。
すきっ歯の中でも軽症な場合にインビザラインライトは適応になりますが、自分で適応か判断するのは難しいと思います。
そのため、近くの歯科医師に相談してみてください。
軽度の叢生
インビザラインライトは、軽度の叢生(そうせい)の矯正治療を行えます。
叢生とは、歯が重なっている状態です。すきっ歯は歯と歯の間に距離がありすき間があることをいい、叢生が逆に歯と歯の距離が近すぎて重なった状態をいいます。
歯が重なった状態であっても、インビザラインライトで矯正治療が可能です。
しかし、インビザラインライトは重症な叢生に対応していないため、注意しないといけません。
後戻り矯正
インビザラインライトは、後戻りの矯正治療を行えます。
後戻りとは矯正治療後に矯正器具を外すと、矯正治療前の歯並びに戻っていくことをいいます。
後戻りを防ぐためには希望通りの歯並びになった後に、今の歯並びを固定するために器具をつけないといけません。
しかし、希望通りの歯並びになった後だと今まで丁寧に行ってきた矯正治療も面倒だと感じる方も多いです。
そのため、せっかく希望通りの歯並びになった後に後戻りが起こってしまい歯並びが崩れてしまう場合もあります。
インビザラインライトは、軽度な後戻りが起こった場合に矯正治療が実施できます。
インビザラインライトは前歯だけの矯正に向いている
インビザラインライトは、前歯だけの矯正が治療可能です。
インビザラインにはインビザラインフルという種類があります。
インビザラインフルは奥歯の歯並びも一緒に治療可能です。しかし、治療期間が長くなってしまいます。
インビザラインライトは奥歯の歯並びには対応せずに前歯のみに特化したことで、適応する症例は少ないですが、短期間で治療が終了できるメリットがあります。
奥歯のかみ合わせが問題なく、前歯の歯並びが気になる方におすすめしたい矯正方法です。
インビザラインライトのメリット
インビザラインライトには、さまざまなメリットがあります。
その中でも代表的なメリットの3つを紹介します。
装置が目立ちにくい
インビザラインライトは、装置が目立ちにくいです。
矯正方法には大きく分けて、ワイヤー矯正とマウスピース矯正という2つの方法があります。
インビザラインライトはマウスピース矯正の1つであり、透明なマウスピースを使用するため、目立ちづらいです。
矯正治療をするときに気になる点の1つに「見た目」があります。
矯正治療が原因で歯を見せないようにしたり過度に周りの目を気にしたりする場合もあるため、見た目が気になる方におすすめです。
食事に影響しない
インビザラインライトは、食事に影響しません。
インビザラインライトはマウスピースで矯正をするため、取り外しを行えます。そのため、マウスピースを外して食事ができます。
矯正器具をつけた状態で噛んだり飲み込んだりするのは、違和感を覚える方も多いはずです。
また、食事のときにマウスピースを取り外しできるため、マウスピースにも汚れが付着しづらいです。
ホワイトニングを同時にできる
インビザラインライトは、ホワイトニングを同時に行えます。
ワイヤー矯正だと、矯正治療と同時にホワイトニングは行えません。
なぜなら、ワイヤー矯正中だとワイヤーが邪魔でホワイトニングが行えないからです。
繰り返しになりますが、インビザラインライトはマウスピースを使用して矯正治療を行います。
矯正治療に使用するマウスピースに薬剤を塗ることで、ホワイトニングも一緒にできます。
そのため、ホワイトニングも矯正治療と一緒に行いたいと思っている方にインビザラインライトはおすすめです。
しかし、インビザラインライトが行える歯科医院全てでホワイトニングが行えるわけではありません。
ホワイトニングを同時に行いたい場合は、必ず歯科医師に相談してください。
インビザラインライトの注意点
素晴らしいメリットがあるインビザラインライトですが、いくつかの注意点があります。
その中でも重要な2つの注意点について紹介します。インビザラインライトでの矯正治療が始まった後に後悔しないためにも、理解しておきましょう。
適応症例が限られる
インビザラインライト注意点の1つ目は、適応症例が限られるです。
前述した通りインビザラインライトは前歯のみの軽症な歯並びに対して矯正治療が可能です。
そのため、奥歯の矯正治療が必要な場合や前歯のみの矯正でも重症な場合は、インビザラインライトは適応にはなりません。
自分の歯並びがインビザラインライトで矯正を行えるか判断するのは難しいです。
そのため、歯科医に自分の歯並びがインビザラインライトで対応可能か確認してみてください。
製作可能なアライナーの数
インビザラインライト注意点の2つ目は、作製可能なアライナーの数です。
アライナーとは、矯正治療に使用するマウスピースのことをいいます。
インビザラインライトで製作できるアライナーは14枚となっており、それ以上のアライナーは制作できません。
14枚のアライナーを使用して矯正治療が完成しない場合、製作保証で1回分は作製可能です。
しかし、それ以上のアライナーを作製することはできません。
このような制限があると理解しておきましょう。
インビザラインライトが気になったら歯科医に相談
インビザラインライトで矯正治療を行いたいと思ったら、歯科医に相談しましょう。
インビザラインライトで矯正治療を行えるかどうかは歯科医でないと判断はできません。
そのため、インビザラインライトで矯正治療を行える歯並びなのかは歯科医に診断してもらうようにしましょう。
また、インビザラインライトは比較的早く終わる矯正治療ですが、長くて7か月はかかります。
マウスピース着用時の痛みやどのくらいの間隔で通院しないといけないのかなどさまざまな不安に思うことがあると思います。
その不安を歯科医に話してください。そして、不安が解決してから矯正治療を行うようにしましょう。
まとめ
今回は、インビザラインライトでの矯正治療について悩まれている方に向けてやインビザラインライトの特徴や注意点などをお伝えさせてもらいました。
インビザラインライトは軽症な歯並びの治療におすすめです。しかし、自分の歯並びが適応可能かは個人で判断できません。
そのため、歯科医に相談することが大事です。
この記事で紹介したインビザラインライトの特徴や注意点を理解し、矯正治療を行いましょう。