【監修:青山健一】
目 次
インビザラインで歯茎が下がるという問題は、歯列矯正を検討している人なら、一度は聞いた事があるかもしれません。これは、歯肉退縮ともいいます。
できれば矯正治療は歯だけではなく歯周組織も考えた矯正計画が必要です。インビザラインで起こる可能性のあるリスクの原因と対策を考えます。
インビザラインで歯茎が下がるケース
インビザラインで全員が歯茎が下がるわけではありません。歯の矯正は歯の位置が変わるため歯肉がそれに対応できない人がいます。症例をみてみましょう。
歯茎が薄い
歯周の筋肉は歯と同様、人によって異なります。歯茎が薄い人は日本に多いです。
普段からやせ型で消化力が弱い方、普段から歯ブラシを過度にかけている方などは歯茎が薄くなりやすいです。歯並びが不ぞろいの方にも多くみられます。
歯茎が薄いということは、歯を支える歯肉が弱いということです。これは体の骨と筋肉の関係にも関係します。歯列矯正は自分の骨を変えているのと同じです。
矯正中に歯周病が悪化した
歯周病とは、歯の周りの病気の事です。口の中は最も細菌が多く繁殖します。治療中は、マウスピースを装着するため細菌が増えやすいです。
元々歯周病の方は、さらに細菌が溜まるため、矯正治療をするリスクが高くなります。特に気を付けたいのが歯ブラシとマウスピースの洗浄です。
歯周病は歯は細菌感染が原因となります。矯正治療中に歯周病が悪化すると、歯茎が下がったり痛みを生じてくるためすぐ相談しましょう。
歯列を拡大する必要がある
歯列矯正で歯列を拡大する必要がある方は、歯茎がさがりやすいといわれています。歯列を外に広げて空間を作るため、隙間に細菌が溜まりやすくなるからです。
時間をかけて、ゆっくり歯列矯正する事で歯が戻りにくくなります。本来は歯肉も一緒に変化していきますが、追いつかないと歯茎が歯をカバーできません。
子供のとき、歯並びを直すのが多いのはこうした歯列矯正のリスクがないうちに治療できるからです。
矯正歯科選びには無料相談を活用することをおすすめします。気になることは事前に確認しましょう。
インビザラインで歯茎が下がる原因
インビザラインで歯茎が下がる原因は、いくつか考えられます。問題を予防するためにも、矯正中の人も含めて事前に知っておくことが必要です。
マウスピースの装着時間を守れていない
歯列矯正は、期間が長いため通常では必ず治療計画を作成します。マウスピースの装着時間は、大切なポイントです。定期的に確認する必要があります。
インビザラインのマウスピースは治療計画にもとづいて患者さんに合うようにして作られています。装着時間もそれぞれ計算されるシステムです。
もし守れないと歯肉が固まらずすきまができる原因となります。どうしても治療計画とは異なる装着時間になる場合は、相談しましょう。
過度なブラッシングで歯茎を傷つけている
前歯を含む歯列矯正は最も多いケースです。マウスピース矯正中に神経質になりブラッシングしすぎてしまうとかえって歯茎を傷つけていまいます。
歯茎が下がっていると感じて、歯ブラシで無理やりこすってしまうと悪化するため、小さな変化でもとにかく歯科医に相談しながら対処しましょう。
矯正歯科では、ブラッシングの方法も丁寧に教えます。矯正歯科は骨や筋肉の事も理解し、患者さんと一緒に治療するのが本来です。
歯茎が下がるデメリット
歯茎が下がってしまうと見た目が悪いだけではなく、いろいろな問題を抱える事になります。どういったものがあるか見てみましょう。
虫歯・歯周病のリスクが高くなる
歯茎が下がるということは、歯の周りの歯肉が変化についていけずに起こる一つの事例です。歯の露出が増えると、細菌に触れるリスクが増えます。
本来歯肉で守られていた歯の部分はデリケートで今まで露出している所よよりも柔らかい性質です。そのため、虫歯や歯周病に感染しやすくなります。
歯茎が下がるとブラックトライアングルと呼ばれるすき間が作られ、細菌が溜まりやすくなります。すき間には歯ブラシをしても菌が残ってしまうのです。
矯正中に使うマウスピースの洗浄や歯ブラシに必要な洗浄は普通の歯磨きではありません。よく聞いて指導に従いましょう。
見た目が悪くなる
歯列矯正をしている人は、見た目を気にして始める人が多いです。マウスピース矯正は目立ちにくいですが、歯茎が下がると見た目に大きく影響します。
歯茎が下がるのは、加齢による自然現象のため、原因は違う理由だとしても、矯正治療中の事を知らない人がみたら老けた印象を持つかもしれません。
歯肉は簡単に元に戻せるわけではありません。矯正治療で見た目が悪くなるというリスクはあります。解決法はありますから、まずは専門医に相談してください。
骨や筋肉は口腔外科の分野で歯科医ができない所もあります。矯正歯科にはいろいろな分野で分かれていますが、トータルケアができる矯正歯科が安心です。
知覚過敏になる可能性がある
歯の知覚過敏は、一時的なものかもしれません。見逃しがちですが、ほっておくと虫歯の原因になります。また歯がしみるというのも同様です。
歯が受ける刺激が原因で痛みを生じているため、歯茎が下がると知覚過敏になりやすいといわれています。外にでている歯の面積が広くなるからです。
笑ったときに見える上下の歯は、人にもよりますが見える所は比較的よく歯磨きをしますが、奥歯などは見えないため歯茎が長くなってもあまりわかりません。
しかし、知覚過敏は歯茎が下がってしまうのが原因で起こる場合があります。痛みが生じたらはっきりとした原因を突き止め改善しましょう。
歯茎が下がった場合の対策
あんなに注意したのに、残念ながら歯茎が下がっているのを発見したときは、専門医でみてもらってください。患者様と相談しながら対策を練っていきます。
担当の歯科医師に相談する
定期健診が前提ですが、それでも歯に関する不安が起こってしまった場合は、自己診断をせず、すぐに原因を知るために歯科医に相談するのが近道です。
ブラッシングやマウスピースの洗浄を丁寧に行う
保定期間中は歯科にいかない期間ではありません。トラブルが起こってからでは遅いのです。マウスピースの洗浄も歯科医に聞きましょう。
歯ブラシなども正しい使い方を教えてくれますし、便利な薬での洗浄方法などを勧めてもらえます。自分の歯を大切にする事がなによりも優先です。
マウスピースは、現在日々改良されていて、それに伴って洗浄方法も変わる事があります。一般的に約1週間ほどでマウスピースは交換です。
口の中は酵素などで汚れも落ちますが、マウスピースがばい菌だらけでは意味がありません。壊れないように丁寧に優しく洗いましょう。
矯正器具の不具合を放置しない
マウスピースなど、矯正器具の不具合が起こったら我慢せずにいつでも歯科医へご相談ください。マウスピースはその人に合わせて作る特注です。
直すにも時間がかかります。どうしても、最初の付け心地はいいとはいえませんが、痛みや疼きが続くようでしたら歯科医に相談しましょう。
マウスピースは常に同じ形ではなく、歯列の変化に応じて作り変えていきます。目に見えない奥歯などは患者さんが感じる違和感が重要です。
放置しておくと、せっかく矯正したのに歯列が元にもどったり、歯茎が下がってしまう事にもつながります。注意して歯の観察をしてみましょう。
歯茎が下がる場合の治療方法
歯茎が下がる、又は下がってしまった場合の治療法はいくつかあります。よく使われるのは歯肉を移植する方法と、歯骨を移植する方法です。
どちらも自分の体の一部を問題の部分に移植するため不具合が起こる事はありません。最近ではヒアルロン酸を注入する方法もでてきました。
歯茎が下がったとき、見た目が悪くなっても歯科矯正の専門的な問題はないと判断されると、様子をみましょうといわれるかもしれません。
インビザライン成功のポイント
日本ではインビザラインの矯正は最近見かけるようになりましたが、海外では一般的な治療法です。ポイントにそって歯列矯正を成功させましょう。
マウスピースの装着時間を守る
ワイヤーのタイプと異なり、マウスピースの装着で前後、左右の歯にかける圧力を一つ一つの歯に対して決める事で少しずつ歯を動かしていきます。
取りはずしが簡単にできるのがメリットのインビザラインでは、装着時間を守らない事が矯正が失敗するケースの一つです。
マウスピース・口腔内を清潔に保つ
マウスピースは食事中に外してよい事になっています。普段なら朝晩の歯磨きで済ませている人も、矯正中は毎食後、歯と矯正器具を磨きましょう。
お口の中の細菌の数を減らせば、歯茎がさがったり、痛みが生じるのも防いでくれます。それにはまずマウスピースも口の中も清潔にする事です。
口の中の細菌は、普段は食べ物を分解したり外からのばい菌から口の中を守る役目もしています。しかし細菌は増えすぎるとそのメリットがでません。
矯正器具やそれを洗浄する薬は、矯正歯科でご紹介できます。まずは一度ご相談をして自分の歯にあった適切な洗浄方法を行っていきましょう。
インビザラインの不安は歯科医院に相談しよう
インビザラインは、新しい歯科矯正法のためトラブルが増えています。インビザラインは別の矯正知識が必要になるので専門医が理想です。
患者さんにあった矯正の治療計画をたてて総合的に矯正治療を行っていいます。インビザラインに関する実績も、情報も、もちろん豊富です。
日本にはたくさんの歯科医院があります。しかしインビザラインは矯正治療の認識が異なる部分があるため矯正歯科専門がおすすめです。
矯正治療を一旦開始すると数週間では終わりません。長い付き合いになるからこそ歯科医との相性も大切なポイントになってきます。
無料相談を活用すれば、治療を受ける前に歯科医との相性を知るきっかけになります。ぜひ下記ページの無料相談をご検討ください。
まとめ
インビザラインを含む歯列矯正を検討している方は、一度専門医と話してみましょう。不安を取り除き納得して決められます。
インビザラインが成功するかしないかは、歯科医の腕よりも患者さんとの二人三脚です。きれいな歯並びを手にいれるために頑張りましょう。
治療期間が長いため、ずっと通える歯医者さんが家や会社の近くにあると便利ですが、難しい場合は評判がいい歯科に行くのが一番です。
またすでに開始している方は、矯正治療中はいつもより歯を大切にして治療を成功させましょう。歯は一生の宝です。お大事になさってください。