【監修：青山健一】
目 次
インビザラインの歯列矯正では、多くの場合治療の途中でアタッチメントという小さな樹脂の突起物を歯の表面に取り付けます。
これによりアライナー（矯正用マウスピース）と歯をしっかりフィットさせて、歯を計画通り動かすことが可能です。
マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも比較的痛みが少ないといわれていますが、歯が動く過程である程度の締め付け感や痛みを感じることはあります。
今回はインビザラインのアタッチメントによる痛みと対処方法について解りやすく解説をいたしますのでぜひ参考にしてください。
インビザラインのアタッチメントは痛いのか？
矯正治療をする過程において、歯に圧力がかかるために締め付け感や痛みを感じるのはインビザラインでも程度の違いはありますが同じです。
ワイヤー矯正ではすべての歯をワイヤーでつなぐため、いっきに矯正力がかかってしまい強い痛みを感じる場合が多くあります。
インビザラインで矯正治療を行うときもいくつかの過程で痛みを感じることはありますが、少しずつ段階的に歯を動かすために痛みが分散されます。
計画通りに歯を動かすためにアタッチメントを付けると、大きく歯が動くために締め付け感や痛みなどの症状を感じやすくなるのです。
インビザラインでアタッチメントをつける目的
インビザラインでアタッチメントをつける目的は、マウスピースと歯をしっかり密着させて動かす助けをすることです。
両方をしっかりと密着させることで、マウスピースの矯正力が正確に伝わり歯を大きく動かすことが可能になります。
1本ごとに別々の力を加えることもできるため、ねらった部分だけ回転させたり大きく傾けたりする目的にも有効です。
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて矯正力が弱いという課題がありましたが、アタッチメントをつけることで解消されました。
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インビザラインのアタッチメントで痛みが生じる理由
アタッチメントを付けることで発生する痛みの原因について、例をあげながらその理由を解りやすく解説します。
一番の原因は、アタッチメントを付けると歯に今まで以上の圧力がかかり、歯が大きく動くためです。
他にも痛みが発生するタイミングはいくつかありますが、どれもワイヤー矯正の痛みに比べると比較的穏やかです。
アタッチメントが歯を締め付ける
インビザラインの矯正治療で、初めてマウスピースを装着したときに多くの場合は痛みや締め付けられる感覚があります。
このような症状は、一般的に装着して数日程度で慣れるため感じなくなることがほとんどです。
マウスピースの使用に慣れると次は歯にアタッチメントを付けるのですが、このときにも多くの場合は締め付けられる感覚と痛みを感じることがあります。
アタッチメントを付けることで歯にかかる負荷が大きくなるために圧迫感や締め付けられるような違和感が生じます。
この場合も多くの方は数日程度で慣れると感じません。
アタッチメントが唇や口の中を傷つける
アタッチメントを付けることで口の中を傷つける場合がありますが、これは突起物が口腔内で粘膜にこすれて唇の内側や舌を傷つけてしまうためです。
普段はマウスピースをしているため問題ありませんが、食事や歯磨きのときは外すため突起物が舌や唇の裏にこすれてしまいます。
マウスピースを外している時間が長いと口の中を傷つける可能性が高くなることもあり、食事や歯磨きが終わればすぐに装着をしてください。
痛みを感じるタイミング
アタッチメントを付けたときの痛みを感じるタイミングがいくつかあり、初めて付けたときやマウスピースの脱着時と外しているときなどです。
ここではアタッチメントを付けたときに痛みを感じるタイミングや原因と注意点を解りやすく解説していきます。
痛みに関して不安なためにインビザラインの歯列矯正治療を受けるのを悩んでおられる方はぜひ参考にしてください。
マウスピースをつけるとき
マウスピースの脱着にはコツが必要で、毎日数回の脱着を行うときに無理を繰り返すと変形や壊れる原因となるため注意をしてください。
装着するときの注意点は必ず両手で持ってゆっくりと確実に歯に押し付けるようにします。
このときに頬の粘膜をはさむとかアタッチメントに引っ掛けると痛みを感じることがあるために注意が必要です。
また、キチっとはまっていない状態で強く歯を噛むとマウスピースが壊れてしまう原因になるためご注意ください。
装着後は最後に必ずチューイー（アライナー装着の補助具）を使って奥歯や前歯でしっかりと咬み込んでください。
チューイーは歯の隙間を無くすための補助具で、これをしっかりと咬み込むと隙間を無くすことができます。
マウスピースを外すとき
マウスピースを外すときは慣れが必要で、左右のどちらかの奥歯を初めに外し、続いて反対側を外してから必ず両手で持ち奥から前にゆっくり取ります。
注意点は、絶対に片方だけを持って外すとか前歯から外さないように注意してください。
このときにアタッチメントにあたると痛みを感じることがあるために作業はゆっくりと慎重におこなってください。
初めはこの脱着に苦労する人が多く、これは慣れる必要があるために何度もくりかえし練習が大切です。
女性の方で長いネイルをしているために外せない方がおられますが、そんなときは補助器具を使用してください。
アライナーリムーバーという補助器具は先端が爪のような形状になっており、マウスピースにひっかけて簡単に外すことができます。
慣れるまではアライナーリムーバーを使用してください。
歯磨きや食事のとき
歯磨きや食事のときにはマウスピースを外しますが、このときにアタッチメントが口の中で舌や唇の内側にこすれると口内炎の原因になるため注意が必要です。
歯磨きに関しては特に制限はありませんが、歯の表面に多くの突起物があり汚れが溜まりやすいためにブラッシングをしっかりして汚れを落としてください。
ブラッシングが悪くて汚れが残ると接着剤の劣化の原因となり、アタッチメントが取れやすくなります。
食事の後の歯磨きが終われば、できるだけ早くマウスピースを装着するようにして装着時間を長く確保するように心がけてください。
アタッチメントをつけたとき
初めてアタッチメントを歯につけると多くの方は強い圧迫感や、ときには痛みを感じることがあります。
これは歯に対して今まで以上の圧力が加わることで起こる症状のため、特に心配する必要はありません。
矯正治療を計画通りに進めていくためにこれらの症状はある程度仕方がありませんが、ほとんどは数日程度でおさまるためご安心ください。
もし痛みが強くてつらいときや、何日も痛みが続くときは別の原因も考えられるため、歯科医に相談をして対処をしてもらう必要があります。
痛みがあるときの対処法
インビザラインの矯正治療で痛みを感じる原因の多くは、歯に圧力をかけて動くときに発生します。
これは、歯が押されて少しずつ動いていくために、押されている方向に圧力がかかり血流障害や炎症を起こして痛みが発生するのです。
痛みが発生したときの対処方法について解説します。
痛み止めを処方してもらう
インビザラインの矯正治療中に起こる痛みは比較的軽いことが多く、氷などで冷やして様子をみてください。
もし強い痛みが生じたときは、我慢をせずに担当医に連絡をして鎮痛剤を処方してもらってください。
鎮痛剤には炎症を抑える効果もあり、歯の動きに影響を与える可能性があるために必ず歯科医に処方してもらってください。
個人の判断で市販薬を服用すると歯の動きに変化がおこり治療期間が長くなったり、治療費の追加につながることもあるため注意が必要です。
硬い物を食べない
痛みがあるときの食事は、なるべく硬い物は避けて柔らかい物を食べるように気を付けてください。
食事はリゾット、ハンバーグ、つみれ、柔らかく煮た物、うどん、柔らかい果物などがよいです。
それでも痛いときはグラタン、豆腐、オムレツなど舌で押しつぶして食べることができる食べ物にしてください。
まだ痛くて食べるのに苦労するときにはポタージュ、ゼリー、ヨーグルトなどの流動食にしてください。
アタッチメントが外れたときの対処法
アタッチメントは歯の表面に特殊な接着剤で付けるため、食事のときやマウスピースの脱着時に取れてしまうことがあります。
アタッチメントはとても小さいため、患者様が取れたことに気づかないことはよくあります。
もし取れたことに気づいたときはどうすればよいかについて説明しますので参考にしてください。
次回の診察時に再設置
多くの場合は次回の診察日に歯科医がシュミレーションをして、必要があればアタッチメントの再設置をおこないます。
次回の診察日まで日数が開いている場合は、担当医の判断により近日中に通院をして再設置が必要になります。
すぐに通院が必要かどうかは歯科医師の判断になるため、自分で勝手に判断をしないで必ず担当医に連絡をして判断をしてもらってください。
歯科医師の判断によっては様子を見るケースも
歯科医師が診察をして、特に影響がない部分のアタッチメントが取れた場合は再設置をせず様子を見ることがあります。
また、アタッチメントが取れた時期によっては、必要な歯の動きがほとんど終わっているときなども再設置をせずに様子をみます。
アタッチメントの痛みが不安なら歯科医に相談
マウスピース矯正を行うときに、痛みを感じるタイミングがいくつかあることはすでに説明しました。
インビザラインの矯正は約2年もの長期の治療期間が必要となるため、どのような痛みがどれくらい続くのか不安になるのは当然です。
また、アタッチメントは治療が始まって少し過ぎてから付けるため、初めてマウスピースを装着したときに強い痛みを感じると余計に不安になります。
このように治療に関する不安や疑問があるときは迷うことなく矯正専門医に相談をして適切な説明をしてもらってください。
知識と経験が豊富な矯正専門医に相談することで、あなたにとって最善の治療方法を考えて提案してもらえます。
インビザラインの治療で痛みに不安をお持ちの方は、下記のリンク先からインターネットの無料相談予約をして、お気軽に相談してください。
まとめ
今回はマウスピース矯正でアタッチメントの必要性と、付けたときの痛みの原因や対処方法に関して詳しく説明をしてきました。
基本的にインビザラインの矯正はワイヤー矯正に比べて痛みは穏やかですが、ある程度の痛みを感じる可能性があることはご理解いただけたと思います
数年前までインビザラインは極端に歯並びが悪いとか、抜歯が必要な症例の場合は歯を大きく動かす必要があるため苦手とされてきました。
しかし、最近は抜歯が必要な場合でも対応が可能な矯正歯科医院が増えてきています。
できるだけ痛みをともなわず、治療期間の短縮と綺麗な仕上がりを求める方は矯正専門医の治療を受けることが大切です。
当院では知識と経験が豊富な矯正専門医が対応しているため、抜歯が必要といわれ、ワイヤー矯正はしたくないとお悩みの方はお気軽にお問合せください。
あなたにとって最善の治療方法を一緒に考えながらご提案いたします。
1965年 広島県呉市生まれ
