【監修:青山健一】
目 次
さまざまな種類がある歯科矯正ですが、その中でも気になるのはキレイライン矯正です。費用が安い、痛みが少ないなど歯科矯正でもっともネックになっていた部分が解消されている矯正方法だからです。
今回は、キレイライン矯正のハードの概要から痛いときの対処法までを詳しく解説していきます。
また、どうやって痛みを抑えることができているのかも紹介します。もし、始めるかどうかを迷っているという人がいるなら、この記事を参考にしてみてください。
キレイライン矯正って
キレイライン矯正って聞いたことはあるけど、具体的に他の矯正との違いがよくわからないという人も多くいます。
基本的には簡単な症例に特化した矯正方法であり、治療中は透明なマウスピースを使用するために誰にもばれることなく治療を開始して、終えることが可能です。
そのため、安さ重視でとにかく歯の治療をしていることは誰にも内緒にしたい、という人にはおすすめの矯正方法といえます。
対象は主に前歯だけであり、奥歯を大きく動かすことはできません。
噛み合わせを重視した矯正方法ではないため、もしも噛み合わせを治したいというのであれば別の矯正治療にしましょう。
ソフトとハードはどう違う
キレイライン矯正に使用するのはマウスピースですが、実はマウスピースには2種類があります。それが、ソフトとハードです。
この二つの違いとは、つける時期の違いです。例えば名前の通りハードタイプは硬くて歯を動かすにはぴったりの矯正器具といえます。
歯の矯正において、いきなりハードタイプのマウスピースで歯を動かしてしまうと、痛みがでる可能性も高くなってしまいます。
ソフトタイプのマウスピースを使うことによって何が違うかといえば、歯を強引に動かすわけではなく事前にある程度準備する期間を設けて痛みをできるだけ抑えられるということです。
1枚で0.25mm歯が動く
もともとマウスピース矯正では、歯を大きく動かすことはなかなかできませんでした。
そのため少なくても0.3mm、多ければ歯を1mm近く動かすことができるワイヤー矯正に比べると、かなり多くの期間が必要になっていました。
しかしどんどん技術は進歩し続けていて、マウスピースでも1枚で0.25mm動かすことができるようになり治療期間も大幅に短縮されています。
注意点
治療をするにあたっては、いくつかの注意点があることを覚えておく必要があります。
歯は、体にとって非常に大事な部分です。こういった矯正治療は、専門医の計画に基づいて行われるので必ず注意点は守るようにしてください。
もっとも重要な注意点としては、治療を受けている専門医の指示を必ず守ることがあげられます。
また、痛みがあるからといって勝手にマウスピースを外したり自己判断でハードとソフトを付け替えたりしないこと、決められた装着時間は守ることも大切です。
自分で勝手にマウスピースの装着時間を短くしたりハードとソフトを付け替えたりしてしまうと、その後の治療計画がずれてしまうことがあります。
そのほかにも、骨などにも影響が出て大変なことになってしまう可能性もあるからです。
もしも痛みが治まらないなど困ったことがあれば、自己判断をする前に必ず治療を行っている医師に相談してください。
キレイライン矯正の流れを解説
キレイライン矯正の流れとは、基本的にはほかの矯正と変わりありません。キレイライン矯正が可能かどうかを専門医に相談して決めてから、精密検査を行います。
その後、歯型を取って専用のマウスピースを製作してもらい、医師の指示のものとに装着します。
きちんとした計画に基づいて装着時間などを決めることになるため、必ず医師の指示を守って行動しましょう。
治療が終わっても歯が戻らないように、その後のケアも定期的に通院しながら医師の指示に従って行ってください。
キレイライン矯正中の痛みの原因と対処法
そもそも、キレイライン矯正中の痛みとはどのようなものがあるのかを知っておきましょう。痛みと一口にいってもその原因はいくつかあり、発生する時期も違ってきます。
比較的痛むことは少ないキレイライン矯正ではありますが、まったく痛みがないというわけではないことを覚えておく必要があります。
痛みの種類やその原因、対処法までを詳しく知っておくことで治療を安心して始めることができるからです。
装着した時の痛み
痛みの原因の一つは、装着したときに歯を動かすからです。もともとあった位置から移動させるため、痛みが出るのは仕方のないことといえます。
とはいっても、ワイヤー矯正などとは違ってキレイライン矯正の場合はわずか2、3日で痛みもなくなってきます。
その間は鎮痛剤を飲むなどすれば、それほどひどく痛むことはありません。
ただし痛みには個人差もあるため、我慢できないほど痛いと感じたなら一度マウスピースは取り外して、治療を行っている医師に相談してください。
交換の時の痛み
キレイライン矯正は2種類のマウスピースを適切な時期に交換して使うことで、痛みをできる限り抑えて歯の矯正をすることが可能です。
しかし、マウスピースを交換するたびに我慢できないほど大きく痛むのであれば、治療を行っている医師に相談する必要があります。
拡大床が歯肉や舌にあたり痛む
歯をきれいに並べるためには、もともとあった位置から歯を移動させる必要があります。しかし、歯を移動するには空間が必要です。
もちろん、歯と歯の間に隙間があれば問題はありませんがそこまで大きな隙間がそうそうあるはずはなく、結局のところスペースを確保する必要があります。
そのため専用の装置を使って拡大床を作ることになりますが、その拡大床が歯肉や舌にあたって痛みが出るケースもあるということを覚えておきましょう。
そんなときには、口腔内にあたる部分を紙やすりで削ったりはさみでカットしたりすることもできます。
とはいえ、治療を受けている専門医が近くにいる場合は必ず相談してからをおすすめします。病院で調整してもらうほうが、確実で問題も起きないからです。
久しぶりにマウスピースを付けた時の痛み
久しぶりにマウスピースを付けたら歯が痛む、ということもあります。それは、歯がもともとあった位置へ戻ってしまっているからです。
そのようなことにならないためにも、必ず装着時間や期間を守るようにしてください。
我慢できないくらい痛むようなら、必ず治療を受けている医師に相談する必要があります。
キレイライン矯正の治療の痛みがなぜ少ないか
ワイヤーやブラケットで矯正すればかなり痛むのに、キレイライン矯正の痛みが少ないのはなぜかと疑問に思うことも多々あります。
もちろん、キレイライン矯正の治療で痛みが少ないのには、それなりの理由があります。ここでは、痛みが少ない理由を詳しくみていきましょう。
硬さの違う2種類のマウスピースを交互に使うため
キレイライン矯正のときには、硬さの違う2種類のマウスピースを使用します。
いきなり硬いマウスピースを装着したり、ワイヤーのように初めから大きく歯を動かしたりしないため歯の痛みも最小限に抑えることができます。
歯によって最適な力がかかるマウスピースを使用
もともとある位置から歯を動かすということは、それだけ歯に負担をけるということでもあります。
そのため矯正には痛みを伴うものですが、キレイライン矯正では歯によって最適な力がかかるマウスピースを使用します。
強引に大きく歯を動かすわけはなく、歯の種類によって必要なだけ力をかけることができるマウスピースを使用して少しずつ移動させるというものです。
歯の移動による負担や痛みをできる限り抑えることができようになることが、大きな利点といえます。
口腔内を傷つけにくい
何より重要なのが、口腔内を傷つけにくいという点です。基本的には、ワイヤーやブラケットを利用した矯正方法が一般的です。
しかし、従来の方法では口を大きく動かさなくてはならない食事中にはどうしても口腔内を傷つけてしまいがちです。
歯磨きのときにも取り外すことができないため、隙間に食べかすが残りやすいというのも大きなデメリットでした。
しかし、キレイライン矯正に使うマウスピースであればとがっている部分がないため口を大きく動かしても口腔内を傷つける心配が非常に少ないといえます。
さらに取り外しが容易なため、食事中や歯磨き中は外すことができるのも口腔内を傷つけにくい要因です。
痛みが少ないキレイライン矯正治療でキレイな歯並びを
痛みが少ないキレイライン矯正治療で、キレイな歯並びを実現することができます。かかる費用も安く済み、治療中に口を大きく開けても目立たないというのも大きな利点です。
とくに前歯は、歯並びが悪いとそれだけでよくない印象を与えてしまうこともあるためぜひ矯正治療をしておきたいところです。
マウスピースに関するQ&A
マウスピースに関して、さまざまな疑問を感じることも多々あります。そういった、マウスピースに対する疑問が解消されないと正直装着するのは不安、という人も多くいます。
今回は、マウスピースについてよくある質問とその質問に関する答えを掲載したため、使用前にぜひマウスピースに対しての理解を深めておきましょう。
Q1.マウスピースを付けると発音が変になる?
A.マウスピースを付けると、言葉の発音がしにくくなることはあります。ただし、装着している間ずっとというわけではありません。
何日かしてマウスピースを装着していることに慣れれば、とくに問題なく普段道理の発音で話をすることができるようになります。
Q2.マウスピースを付けると違和感があったり痛かったりする?
A.マウスピースを付けると、やはり異物を歯に装着するわけですから違和感があることがあるのは当然のことです。
そのうえで、歯を無理に元の位置から移動させるため痛みを感じることがほとんどです。
ただし、キレイライン矯正ではできる限り痛みを抑えるように計画して治療するため、そこまで気にすることはありません。
もしもどうしても我慢できな程痛い、ということがあれば治療を行っている歯科医師に相談してください。
Q3.もしも失敗したら?
A.基本的に医師の指示通りマウスピースを装着していれば失敗することはほぼありません。
ただし、当然のことながら医師の指示通りにできず自己判断でマウスピースの装着時間などを短くしてしまえば、失敗することもありえるため注意が必要です。
そういったときには正直に医師に話をして、再度精密検査をして計画書を作り直してもらうなどしてください。
キレイライン矯正の痛みで悩んだら専門医に相談
キレイライン矯正は、できる限り痛みを少なくしてはいますが、だからといって全く痛まないわけではありません。
もしもキレイライン矯正の痛みで悩んでいるようであれば、必ず治療をしている医師か信頼できる専門医に相談することが大切です。
まとめ
キレイライン矯正は、簡単な症例であれば、費用が安くてなおかつ痛みが少ない、画期的な矯正方法です。
とはいえ、歯の並びや状態などによってできるかどうかが違ってくるため、だれにでも希望すればできるというものではありません。
そのため、キレイライン矯正を実行する場合には、必ず信頼できる専門の歯科医師に相談してください。
簡単な症例で、自分に合った治療法であるなら、キレイライン矯正も選択肢の1つになります。