【監修:青山健一】
目 次
咬合性外傷かもしれない、そう考えたことがあるという人も多くいます。
歯はさまざまな組織に支えられていますが、もしも歯を支えている組織が壊れてしまえば大変なことになります。
そのため、いつもすごく力を入れて歯を噛み合わせている、歯茎に違和感を感じるという人は歯科医を受診してみることをおすすめします。
この記事では咬合性外傷について、特徴だけでなく注意すべき症状や治療方法も解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
咬合性外傷の概要
咬合性外傷の特徴は、噛み合わせによっておこる歯周病という点です。
もともと歯周病菌によって引き起こされる歯茎の炎症が、歯周病です。しかし、歯周病にはほかにも要因がある場合も考えられます。
それが、噛み合わせの強さによって起こる咬合性外傷です。
強すぎる力で噛み合わせることによって、歯周組織の負担が大きくなりすぎてダメージを負う状態です。
咬合性外傷の特徴
咬合性外傷の特徴とは、歯がぐらつく・歯周組織が破壊されるなどといった症状が、噛み合わせが原因で現れることです。
特定の歯を過度な力で噛み合わせることによって、その力を受け止めきれずに歯周組織が病変してしまいます。
そのようなことにならないためにも、特定の歯に過剰な力を加えないようにすることが大切です。
しかし、歯周病でもないのに歯がぐらつくなどの症状がある場合は咬合性外傷の可能性があるため、歯科受診を検討しましょう。
外傷性咬合との関係
咬合性外傷と外傷性咬合との間には、どのような関係があるのかを知っておくことが大切です。
なぜなら、咬合性外傷と外傷性咬合は似ているようでいて別ものだからです。
外傷性咬合は、咬合性外傷を起こしやすい噛み合わせであり、症状そのものを指すわけではありません。
詰め物や被せ物によって噛み合わせが悪ければ外傷性咬合であり、咬合性外傷を引き起こす可能性も高くなります。
外傷性咬合かもしれないと感じたら歯科医に噛み合わせの相談をしてみましょう。下記リンクから無料相談の予約ができるため、まずは一度相談してみることをおすすめします。
咬合性外傷は2種類ある
咬合性外傷は、2種類あります。それが、一次性咬合性外傷と二次性咬合性外傷です。
一次性咬合性外傷から二次性咬合性外傷へ症状が進行するのではないか、と考える人もいるかもしれませんがそれは間違いです。
一次性咬合性外傷と二次性咬合性外傷は、別の原因で引き起こされる咬合性外傷であり、別物なので混同しないように気を付けましょう。
それぞれどのような症状なのか、どういった違いがあるのかを詳しく解説していきます。
一次性咬合性外傷
一次性咬合性外傷は、強い力が加わることで歯周組織を傷つける症状です。
歯ぎしりや食いしばりをすることによって、強い負荷が歯周組織へかかるため引き起こされる症状です。
もちろん、一度や二度程度強い力を加えても一次性咬合性外傷とはいいませんが、毎日一定時間以上に負荷をかけ続けていれば危険といえます。
歯の根元などに、影響が出てきます。
二次性咬合性外傷
二次性咬合性外傷は、いわゆる歯周病が原因となって引き起こされる咬合性外傷であり、噛み合わせではありません。
歯周病菌の繁殖によって歯の本体だけでなく、根元にある歯槽骨までも溶かしてしまうため、注意が必要です。
歯槽骨などがもろくなってしまえば特別強い力が加わらなくても、少しの負荷で傷がついてしまうものです。
つまり、二次性咬合性外傷では、正常な噛み合わせであっても歯周組織を傷つけてしまう恐れがあります。
咬合性外傷の主な原因
咬合性外傷の主な原因を詳しく知っておけば、自身が咬合性外傷なのかどうかをある程度自己診断することができます。
咬合性外傷にはいくつかの原因が考えられるため、1つずつ詳しくみていきましょう。
もしも当てはまる原因がある、というのであればまずは歯科医院を受診して検査してもらうことをおすすめします。
噛み合わせ
咬合性外傷の原因の1つは、噛み合わせです。
噛み合わせが悪く強すぎる負荷がかかることで、咬合性外傷が引き起こされます。
とくに歯ぎしりや食いしばりなどを無意識のうちにしてしまう、という人は注意が必要です。
対処法としては、歯列矯正治療をすることで噛み合わせを正常にできます。噛み合わせが正常で負荷が減れば、咬合性外傷までには至らないこともあります。
噛み合わせが強くて歯に負担がかかっていると感じたら、歯科医院を受診して歯科矯正について相談してみてください。
詰め物・被せ物
咬合性外傷は、詰め物や被せ物でもなることがあります。虫歯治療の一環として、虫歯になった部分を削って詰め物や被せ物をすることがあります。
虫歯の処置をしたときに、何も詰められなかった、あるいは被せられなかったなどということはありません。
もちろん、詰め物や被せ物をした際には、何度も歯科医が噛み合わせを確認して調整しています。
しかし、高さが高くなることもあり、そういったときにはどうしても過度な力がかかってしまいます。
歯周病
歯周病も、咬合性外傷の原因の一つです。初期症状としては、歯周病菌によって歯肉炎が起こり、歯茎が腫れてしまいます。
そのまま治療せずに放っておくと歯肉炎から歯周炎になり、歯槽骨が破壊されていってしまいます。
歯を支えるための歯槽骨が破壊されてしまうと歯を支えることができなくなり、通常の噛み合わせる力にすら耐えきれなくなるのが問題です。
初期症状が確認されたときにきちんと歯科医院を受診し、適切な治療を行えば歯周炎にまで発展することを防げます。
注意すべき症状は?
咬合性外傷を疑うときに、注意すべき症状はどのようなものがあるのかを知っておきましょう。
どのような点に注意すべきなのかを知っておけば、早めに受診することもできます。
注意すべきなのは、噛んだときに痛む・歯がグラグラする・歯が折れる・知覚過敏などといった症状です。
それぞれどのような点に注意すべきなのかを、詳しくみていきましょう。
噛んだときに痛む
噛んだときに痛むというのは、虫歯になってしまったからと思いがちです。
しかし、必ずしも虫歯だけが原因というわけではありません。咬合性外傷の場合も、噛んだときに痛むことがあります。
たとえば歯周病で歯茎が腫れている、歯槽骨が壊れているといった場合にも噛んだときに痛みが出ることがあります。
虫歯か咬合性外傷かは素人では判断ができないため、必ず歯科医院を受診してください。
歯がグラグラする
歯がグラグラする、というのは歯が生え変わる時期の子どもにはよくあることでも大人になってからはありません。
歯がグラグラする原因は、いくつか考えられます。
たとえば歯周病で歯が溶けているから・噛み合わせが悪くて変に力が入ってしまっているから・歯ぎしりが癖で必要以上に力をかけてしまっているからなどが考えられます。
そのため、歯がグラグラするというのは、歯や歯茎にダメージを負っている可能性が高く咬合性外傷かもしれないというわけです。
もしも歯がぐらぐらしているのが気になるのであれば、早めに歯科医院を受診してみてください。
歯が折れる
咬合性外傷は、歯が欠ける、歯がすり減るなどの症状がみられます。しかしそれだけではなく、歯が折れることもあるため注意が必要です。
永久歯は、折れてしまえば治ることも、別の歯が生えてくることもありません。
また、歯が折れるということはそれだけ咬合性外傷が進行していて、危険な状態であることを指します。
必ずしも咬合性外傷と断定できるものではありませんが、前触れもなくかみ合わせるだけで歯が折れてしまったなどというときには、早急に歯科医院を受診してください。
知覚過敏
知覚過敏は、冷たい飲み物や食べ物が歯にしみる症状であり、ものすごく痛いときもあれば、大して感じないときもあります。
とくに初期の知覚過敏は1日を通して何の症状も出ないときもあり、なんとなく放っといてしまうという人も多くいるのが問題です。
知覚過敏が進んでくると、冷たい風にあたるだけでもピリピリとした痛みを感じたり、冷たいものだけでなく熱いものを食べても痛みを感じたりします。
知覚過敏が進行して咬合性外傷がひどくなる前に、歯科医院を受診してしかるべき処置をしましょう。
咬合性外傷の治療方法
咬合性外傷を治療するには、歯周病の治療や歯列矯正などによる噛み合わせの改善が必要です。
そのほかにも、歯がグラグラと揺れている場合は、歯周病の炎症を抑えると同時に、揺れる歯を接着剤などでくっつける方法もあります。
また、被せ物や詰め物の高さが合わない、という場合であれば被せ物や詰め物の調整をし直すことになります。
どのような症状が出ているかによって治療方法が違ってくるため、まずは歯科医院を受診して相談してみてください。
歯列矯正で治せるかどうか気になるという方は、無料の矯正相談の活用がおすすめです。下記のリンクから予約ができます。
下記リンクから無料相談を行えるため、ぜひ相談してみてください。
咬合性外傷は予防できる?
咬合性外傷を予防するには、歯や口内に違和感を感じたら早急に歯科医院を受診することが大切です。
歯科医院を受診すると、咬合性外傷になる前に歯並びの矯正や初期の歯周病治療などができます。
原因と思われる症状を治療してしまえば、咬合性外傷になるリスクを下げられます。
歯が痛い・グラグラする・冷たい水が歯にしみるなどの症状があればすぐに信頼できる歯科医に相談してみてください。
早めに対応できれば、咬合性外傷の予防が可能です。
咬合性外傷の悩みは歯科医に相談しよう
咬合性外傷かもしれない、そう感じたら信頼できる歯科医に相談してみてください。
虫歯でも咬合性外傷に似た症状もあるため、レントゲンを撮るなどしてきちんと検査しないと咬合性外傷かどうかわからないときもあります。
無料相談ができる歯科医院もあるため、まずは気になる症状をすべて相談するのがおすすめです。
自分では大したことない、と思っていても放っておくと症状が進んで咬合性外傷になることもあるため、注意が必要です。
まとめ
咬合性外傷は、歯や歯茎が傷ついている、組織が壊れているという症状をいいます。
そうなってしまうと、根本的な治療ができなくなってしまうこともあるため、早めに治療するようにしましょう。
歯や口内に違和感を感じたら放っておくのではなく、必ず信頼できる歯科医に相談してください。早めに対処すれば、歯の健康と美しさを守る事ができます。