【監修:青山健一】
目 次
口の中の粘膜をよく噛んで口内炎が出来やすい・口内炎の痛みに悩まされることが多いという人は少なくありません。
口内炎ができる原因はさまざまですが、頻繁に口内炎ができる人は歯並びの悪さからくるものかもしれません。
今回は、口内炎は悪い歯並びが原因なのかを詳しく解説していきます。口内炎になりやすい歯並びの特徴や口内炎を放置するリスクなども一緒にみていきましょう。
口内炎は悪い歯並びが原因?
口内炎はさまざまな要因でできますが、悪い歯並びが原因となってできる可能性も高いです。
歯並びが悪いと、歯の凸凹した部分が粘膜に頻繁に擦れることで口内炎ができやすくなります。
また、歯並びが悪く上下の歯が正しい位置で噛み合わせていないと、口の粘膜を巻き込み噛んでしまうことで口内炎となります。
このように歯並びが悪いと口内炎ができる可能性が高いため、悪い歯並びの近くや口の粘膜を噛んで口内炎がよくできるなどの症状があるという人は、歯並びを見直してみましょう。
口内炎が起こる仕組み
歯並びの悪い部分は歯が粘膜に擦れて傷が付きやすく、粘膜の傷付いた部分に細菌が入って炎症が起こることで口内炎となります。
口内炎にはさまざまな種類があり、種類によって少しずつ口内炎ができる仕組みが違います。では、口内炎の種類別に詳しく仕組みをみていきましょう。
カタル性口内炎:粘膜の傷付いた部分が炎症を起こすことで発症する口内炎で、歯並びが悪い人はカタル性口内炎になることが多いです。
アフタ性口内炎:ストレス・免疫力の低下・栄養不足・睡眠不足・疲労の蓄積によって発症する口内炎で、歯並びが悪くなくてもできやすい口内炎です。
カンジタ性口内炎:口の中にいるカビ菌が繁殖しすぎると起こる口内炎で、白っぽい口内炎や舌が白くなるなどの症状が乳児や高齢者によくみられます。
ヘルペス性歯肉口内炎またはウイルス性口内炎:ヘルペスウイルスが原因でできた水疱が、潰れることによってできる口内炎です免疫力低下時や小児に多いヘルパンギーナ・手足口病を患った際にもみられます。
口内炎が起こる仕組みは種類によってさまざまですが、口内炎になれば痛みを伴い食事や歯磨きの際にしみることが多いです。
とくに歯並びの悪さが原因でできるカタル性口内炎は、食事や会話をすると我慢できないほど痛みが強い場合もあり、生活に支障をきたしたりストレスの原因になったりします。
口内炎になりやすい歯並びの特徴
歯が擦れたり粘膜を噛んだりすることで口内炎になりますが、歯並びが悪いと口内炎になりやすいです。
では、どのような歯並びが口内炎になりやすいのか、口内炎になりやすい歯並びの特徴をみていきましょう。
ハサミ状咬合
奥歯で噛んだときに上手く噛み合わず、ハサミのように噛み合わせがずれていることをハサミ状咬合といいます。
上の奥歯が外側・下の奥歯が内側にずれて生えていることで、ハサミ状咬合になりやすいです。
ハサミ状咬合は噛んだときに頬の粘膜を巻き込みやすく、粘膜を一緒に噛んでしまうことで頬に傷ができて口内炎になることが多いです。
また、ハサミ状咬合の影響で歯の形が尖った状態になっていると、尖った歯の先が頬の粘膜にあたることで口内炎になる場合もあります。
出っ歯
上の前歯が出ている出っ歯も口内炎になりやすい歯並びです。出っ歯で前に飛び出している歯の先が唇の粘膜に擦れやすく、擦れた粘膜が口内炎になります。
また、出っ歯の具合によっては常に唇に歯があたっているというケースも稀ではありません。
唇に歯があたり続けることで口内炎が治らない・常に口内炎ができているという人は、早めに歯科医院での治療をおすすめします。
下記のリンクでは、インターネットから無料相談をご予約いただけます。歯並びによって口内炎ができやすいと悩んでいる人などは、ぜひお気軽にご相談ください。
口内炎を放置するリスク
痛みを伴う口内炎は放置するのもつらいですが、歯並びによって頻繁に口内炎ができる人は放置してしまうことも珍しくありません。
しかし口内炎を放置すると、さまざまなリスクを伴います。次は口内炎を放置するリスクについて詳しくみていきましょう。
口臭が強くなる
口内炎によって粘膜が炎症している部分は細菌が繁殖しており、口臭が強くなる原因になります。
また、炎症によって口腔内の温度が上がると口の中が乾燥しがちになりますが、乾燥もまた口臭の原因となります。
さらに口内炎ができていると、痛みがあることから口内炎付近の歯磨きがおそろかになる場合が多く、歯垢の磨き残しが口臭の原因となるのです。
口腔がんになる危険も
粘膜に傷が付いてできた口内炎であれば、2週間以内に治ることがほとんどです。しかし、口内炎は口腔がんの原因となる場合もあります。
なかなか治らない口内炎がある場合は、口腔がんの初期症状の可能性も否定できません。
傷が付いてできた口内炎と口腔がんの初期症状である口内炎は別物ですが、専門医でも見分けることが難しいほど似ている場合もあります。
長期間できている口内炎を放置すれば口腔がんになる可能性もあるため、口内炎が2週間以上治らない場合は早めに歯科医院を受診しましょう。
歯並びが原因による口内炎の治療法
歯並びが原因で口内炎が頻繁にできる場合は、歯並びや歯の形を整えて口内炎ができにくいようにする必要があります。
歯並びの症例によって異なりますが、歯並びが原因による口内炎の治療法をみていきましょう。
歯を削る
歯の角や先が粘膜にあたって口内炎ができている場合、歯を削る治療を行います。
削るといっても歯の角や先を丸めたり形を少し変える程度のため、噛み合わせに大きな変化が出ることはありません。
歯を削ることで頬にあたらなくなり、口内炎ができることを防げます。また、噛むときに粘膜を巻き込むことも防げるため、歯を削ることで口内炎ができなくなります。
被せ物をする
歯並びが悪く口内炎ができやすい場合は歯に被せ物をし、歯の形・大きさ・向きを変える治療を行うこともあります。
とくに前歯に傾斜がみられる・前歯が大きいなどで出っ歯の場合、歯の先が唇にあたり口内炎が頻繁にできることも珍しくありません。
出っ歯の場合はセラミックを前歯に被せるセラミック矯正治療を行うことで、歯の向き・大きさ・歯並びを整えて口内炎ができやすい歯並びを改善します。
歯列矯正する
歯並びが悪く口内炎ができやすい場合は、歯列矯正で歯並びを改善することで口内炎ができにくくなります。
歯列矯正は歯の並びだけでなく歯の向きを変えることも可能です。歯を削る・被せるなどの治療では改善できない場合は、歯列矯正を行うことも検討しましょう。
歯並びや歯の向きがよくなれば頬に傷が付くこともなくなるため、口内炎の減少へつながります。
歯列矯正で改善が期待できること
口内炎の治療にもなる歯列矯正は、歯並びがきれいになり口内炎ができにくくなる他にもさまざまなメリットがあります。
では、歯並びをきれいにする歯列矯正で改善が期待できることは他にどんなことがあるのかを詳しくみていきましょう。
噛み合わせがよくなる
歯列矯正は噛み合わせのバランスもみながら治療を進めるため、矯正治療が終わった頃には歯並びだけでなく噛み合わせもよくなります。
口内炎ができやすい歯並びでもある出っ歯やハサミ状咬合は、歯並びだけでなく噛み合わせもよくないことが多いです。
しかし、歯列矯正を行えば歯並び・歯の大きさ・歯の向き・噛み合わせ・顎のバランスなどの状態を改善できます。
口内炎ができやすい他に噛み合わせが悪いと気になる場合は、歯列矯正を考えてみましょう。
歯みがきしやすくなる
歯並びが悪いと汚れが溜まりやすいですが、歯列矯正できれいな歯並びになれば汚れが溜まりにくく歯みがきがしやすくなります。
歯磨きがしやすい歯並びできれいにブラッシングを続けていると、口内炎だけでなく虫歯・歯肉炎・歯周病の予防も可能です。
歯磨きがしやすくなることでさまざまな疾患を予防できるほか、歯垢を落としやすいためお口の清潔を保ちやすく口臭の予防にもつながります。
審美性も高くなる
歯列矯正を行えば口内炎の治療や虫歯などの予防だけでなく審美性も高くなるため、口元の見た目に自信がもてます。
歯列矯正には目立たない治療法もあるため、矯正しているとまわりに気づかれずに治療を行うことも可能です。
口内炎が頻繁にできると口を開けるのもつらいですが、歯列矯正で口内炎ができにくくなり審美性も高くなれば、会話をしたり笑顔になったりすることが楽しくなります。
悪い歯並びによる口内炎で悩んでいるなら
口内炎ができる原因は歯並びによるものばかりではありませんが、歯が口の粘膜によくあたる・口の粘膜を噛む頻度が高いという人は悪い歯並びによって口内炎ができている可能性が高いです。
悪い歯並びによる口内炎で悩んでいるなら、歯並びを矯正したり歯を削ったりする治療を行うことで改善できます。口内炎の痛みを我慢せずに、早めに歯科医へ相談しましょう。
下記のリンクでは、インターネットから無料相談をご予約いただけます。歯並びによって口内炎ができやすいと悩んでいる人は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
口内炎ができるのは歯並びのせいだからとあきらめてはいけません。歯並びを歯列矯正で整えるなどの治療を行うことで、口内炎ができやすいお口の状態を改善できます。
出っ歯などは歯並びがよい場合も多く、きれいな歯並びなのに口内炎ができやすいと悩んでいる人も少なくありません。
歯列矯正は歯の並び方をきれいにするだけでなく、噛み合わせのバランスや歯の形を整えることもできます。
口内炎がよくできると悩みがある人は、まずは歯科医院を受診し改善できる方法を提案してもらいましょう。