【監修:青山健一】
目 次
日本人の歯並びに対する意識は年々高まりつつあります。特に20~30代女性の矯正人口は増加傾向です。
一方で、「矯正はしたいけれど治療中の見た目が気になる」という理由から、歯列矯正をなかなか始めることができない女性も少なくありません。
しかし、歯列矯正中の女性、いわゆる矯正女子を可愛いとする風潮も高まっています。
歯列矯正に悩む女性も多いと思いますが、矯正女子が可愛いとされる理由、矯正治療を始めるメリットを踏まえて歯列矯正について検討してみましょう。
矯正女子は可愛い?
かつては、歯列矯正で装着するワイヤーが見た目の美しさを損なうとされてきましたが、歯列矯正の普及に伴ってそのイメージは変化してきています。
ワイヤーを歯の裏側に装着する裏側矯正やマウスピース矯正など、目立たない治療法が普及してきたことも、大人の女性の歯列矯正に対するハードルが下がってきた要因です。
また、「#矯正女子」というハッシュタグをつけてSNSで矯正治療中のようすを投稿する女性も多く見られます。
歯列矯正で装着するワイヤーを隠さない女性も増えてきており、有名人やモデルといった人前に立つ職業の女性でも歯列矯正を隠さない人が増えてきました。
こうした時代の流れに伴い、「歯列矯正は隠すことではない」「可愛くなるために必要な努力」といった価値観が生まれつつあります。
また、矯正女性に対しても「逆にワイヤーが可愛い」「歯並びを治そうとする美意識が高い女性」など、男性・女性を問わず好意的なイメージが高まっている傾向です。
歯並びに対する意識が高まりつつある現代社会の中で、女性の矯正は魅力のひとつと変化しています。
歯並びは第一印象に大きく影響する
歯並びに対する意識が高まってきたのは、歯並びが印象を大きく左右することが理由のひとつといえます。
初めて人に会ったとき、その人がどのような人か何をもって判断するか考えてみましょう。
多くの人が、見た目の雰囲気からその人がどのような人かをイメージするはずです。つまり第一印象は視覚からの情報に頼るしかなく、見た目が大きく影響します。
第一印象を決めるうえで、人が無意識のうちに見てしまうのが顔です。そして歯並びを含めた口元は、顔の印象を大きく左右します。
きれいな歯並びは、見た目が美しいだけではなく清潔感も与え、魅力的な印象を与えます。
仕事においてもプライベートにおいても、相手に与える印象はとても重要なものです。好印象を与えるうえで、歯並びは重要な役割を果たしています。
第一印象に影響する歯並びの特徴
きれいな歯並びは好印象につながります。逆をいえば、歯並びの状態によっては印象を損なう可能性があるということです。
第一印象に影響する歯並びの特徴について解説していきます。
出っ歯
前歯が前に出ている出っ歯は、目立ちやすい歯並びの1つです。出っ歯だから悪い印象を与えるということはありませんが、歯の印象が強く残りやすい傾向があります。
また、出っ歯は横から見たときに口元が前に出ている輪郭につながりやすく、横顔へのコンプレックスになりやすいです。
人によっては、口を閉じようとすると顎に梅干しのようなシワができることもあり、口を閉じた際の印象にも影響します。
八重歯
八重歯に対して「可愛い」「愛嬌がある」など好意的な印象を抱く人も多いです。
しかし、八重歯を可愛いものとして好意的に見るのは日本特有の感覚といえます。
欧米では、「ドラキュラや悪魔をイメージさせる」として好ましくない歯並びと捉えられています。
また、欧米では八重歯をそのままにしていると「歯の治療ができない育ちが悪い人」と思われてしまうこともあるようです。
人によって印象が大きく異なる八重歯ですが、欧米をはじめとする海外ではあまりよい印象ではないものと覚えておきましょう。
叢生
叢生は、歯と顎の大きさのバランスが乱れることで歯が重なってしまう状態のことです。いわゆる歯並びがガタガタの状態のことをいいます。
ガタガタの歯並びは目につきやすく、第一印象に大きく影響します。
また、叢生は磨き残しが発生しやすいため虫歯や歯周病にもなりやすいです。虫歯や歯周病は口元の清潔感を損なう要因となります。
見た目の問題だけではなく歯の健康を考えても、叢生はリスクの高い歯並びといえます。
すきっ歯
歯と歯の間に隙間があるすきっ歯は、医学的には歯間離開あるいは空隙歯列といいます。
日本人では古くから、すきっ歯は「幸せが歯の隙間から逃げていく」と言われており、ネガティブな印象を与えやすい歯並びです。
また、すきっ歯は歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい、虫歯になりやすい、滑舌が悪くなりやすいなどのデメリットもあります。
歯の健康を考えても治したほうがよい歯並びのひとつです。
矯正治療のメリット
きれいな歯並びは好印象につながりますが、矯正治療のメリットはそれだけではありません。
歯列矯正がもたらすメリットについて解説していきます。
噛み合わせも良くなる
歯列矯正は、歯並びを治すだけではなく同時に噛み合わせも治していきます。
噛み合わせがよくなったことで、輪郭がきれいになる、小顔になるなど見た目の変化が見られる場合も少なくありません。
見た目の変化以外にも、噛み合わせが良くなると
- 正しく噛むことができ、食事がしやすくなる
- 滑舌がよくなる
- 肩こりや頭痛などが改善する
- 顎関節の痛みがなくなり、口が開けやすくなる
などのメリットがあります。
噛み合わせの悪さが肩こりや頭痛、顎関節症につながっているケースも多いです。
矯正治療によって噛み合わせを整えていくことで、身体全体のバランスも整いやすくなります。
Eラインが整う
顔を横から見たときに鼻先と顎先を結んだラインをEラインといいます。
美しい横顔の条件として、口元がEラインから出ていないことが挙げられます。
日本人の骨格を考えると、口元がEラインの少し内側あるいはEラインに触れるくらいが美しいEラインです。
出っ歯や叢生の場合、口元がEラインからはみ出てしまうことが多く、反対に顎が出すぎていると口元がEラインの内側に大きく入りすぎてしまいます。
歯列矯正によって歯並びがきれいに揃うと、Eラインも整います。
横顔は他人によく見られるものです。Eラインが整うことで、前から見ても横から見ても美しい印象を与えられます。
矯正装置の見た目が気になる人の解決策
審美的な観点から見てもメリットがたくさんある歯列矯正ですが、それでも治療中の見た目が気になるという女性は少なくありません。
しかし、治療中の見た目の問題を軽減する方法もあります。
矯正装置の見た目が気になる人は、見た目に配慮した治療方法を視野に入れて検討してみましょう。
目立ちにくい矯正装置を使う
目立ちにくい矯正装置を使用することで、見た目が気になるというストレスを軽減できます。
歯の表側にワイヤーを装着する場合でも、歯の色になじみやすいホワイトワイヤーやブラケットを使用することで、他人から矯正装置がわかりにくくなります。
また、歯の裏側にワイヤーを装着する裏側矯正やマウスピース矯正は、他人に気付かれにくい矯正方法です。
カラーゴムで可愛くする
ワイヤーとブラケットを結ぶ役割のゴムをカラフルにして、矯正装置をおしゃれに楽しむこともできます。
カラフルなカラーゴムを使用すると矯正装置は目立ちやすくなりますが、明るく可愛らしい印象を与えます。
カラーゴムの配色で個性を演出する人も多いです。
見た目が気になるからこそ、思い切って矯正装置を大胆におしゃれする矯正女子が増えています。
最近では、矯正中の審美的な問題に配慮した治療方法が増えています。歯列矯正をしたいけれど見た目が気になるという人は、まずは医師に相談してみましょう。
矯正治療の注意点
歯列矯正中は、日常生活の中で気を付けなくてはいけないことがいくつかあります。
矯正治療の注意点も併せて理解しておきましょう。
虫歯や歯周病に気をつける
歯列矯正中は、矯正装置を装着するため歯磨きが難しくなります。磨き残しがあることで、虫歯や歯周病のリスクは高まります。
装置を装着しないマウスピース矯正の場合でも、毎日のケアを怠ってしまうと虫歯や歯周病になりやすいです。
きれいな歯並びを完成するためには、健康な歯を維持することが大切です。
虫歯や歯周病にならないよう、治療中は口の中を清潔に保つようにより一層心がけましょう。
治療期間には個人差がある
歯列矯正の治療期間は、平均1年半~2年ほどといわれることが多いですが、実際は人によってさまざまです。
歯の状態、治療方法によって治療期間は大きく異なります。必ずしも人と同じ治療期間で終わるというわけではありません。
治療期間には個人差があることを理解し、治療を終えたいタイミングが決まっている場合はその旨も歯科医に相談しましょう。
矯正治療で可愛くなりたいなら専門医に相談しよう
最近では、健康上の理由よりも審美的な理由から歯列矯正を始める人が増えています。
特に大人になってから「可愛くなりたい」という想いで歯列矯正を始める女性は多く見られます。
矯正治療が見た目の印象を変えることは事実ですし、矯正治療の結果「可愛くなった!」と変化に喜ぶ女性も多いです。
歯並びだけではなく、横顔のEライン、噛み合わせなどを複合的に考えた治療によって、コンプレックスを解消した女性が増えています。
口元や横顔にコンプレックスがある人は、一度歯列矯正の専門医に相談してみましょう。
まとめ
歯並びを整えることで、見た目の印象は大きく変わりますし、自信にもつながります。
可愛くなりたいと願う女の子はきっと多いはずです。
歯列矯正は、女の子のそんな願いを叶える近道でもあります。
治療中の見た目の問題に配慮しながら治療することもできますし、歯列矯正そのものが可愛いものへと時代は変化してきています。
口元や横顔にお悩みの人は、歯列矯正について前向きに考えてみましょう。