【監修:青山健一】
目 次
矯正治療の1つに矯正用アンカースクリューを用いた方法があります。主に歯をピンポイントに動かす必要がある際に用いられる矯正装置です。
さまざまな症例に活用できるため、矯正治療を行う際に歯科医から提案されることがある治療方法です。
そんな矯正用アンカースクリューですが、なかには歯茎が腫れたという方もいます。もし腫れてしまった場合には放置するのは危険です。他のトラブルが起きてしまうかもしれません。
腫れてしまう原因や腫れを防ぐ方法を知っておくことで、アンカースクリューを用いた矯正治療を検討している方は安心して治療を始められます。
ここでは腫れる原因や腫れを防ぐ方法、腫れ以外のトラブルもご紹介します。矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。
矯正用アンカースクリューによる腫れが不安な人は多い?
アンカースクリューを用いた矯正治療に不安を抱えている人はいます。その不安要素で大きい要因が、腫れについてです。
アンカースクリューを歯茎や上顎に埋め込むため、埋入した周囲が炎症を起こし腫れる場合があります。
腫れると口の中に違和感や痛みを感じることがあるため、アンカースクリューを用いた矯正治療が不安だと感じる方もいるのです。
矯正する前に治療について不安を抱えている人は、歯科医に相談してみましょう。下記のリンクより無料で矯正に関する相談ができます。ぜひ活用してみてください。
矯正用アンカースクリューの概要
矯正治療に用いられる矯正用アンカースクリューですが、どのような特徴があるのでしょうか。またどのような目的で活用されるのかご紹介していきます。
矯正用アンカースクリューの特徴
矯正用アンカースクリューとは、矯正用の小さなネジのことを指します。ネジの大きさは直径1.3mm~2.0mm、高さは5.0mm~10.0mmほどです。
ネジはチタン製でインプラントや人工関節などにも用いられる素材のため金属アレルギーの心配なく人体に安全なものとなっています。
矯正用アンカースクリューの大きな特徴が、動かしたい歯をピンポイントに移動させられることです。
一般的な矯正治療の場合、複数の歯を引っ張り合い矯正していく方法になります。歯を固定源とするため動かしたくない歯も動いてしまうことになるのです。
矯正の目的によっては歯をピンポイントに動かすべきケースもあり、そのような治療が求められる場合アンカースクリューが用いられます。
埋入したスクリューを固定源として歯を動かしていくため、他の歯を動かさずピンポイントに治療ができるのです。
主な目的
ピンポイントに歯を動かしたい方向へ移動させることが目的で活用されることが多いです。また他の矯正治療ではできなかった方向へ歯を動かせる可能性が高くなります。
アンカースクリューは、ガミースマイルや出っ歯の治療で活用されることが多いです。
ガミースマイルの治療では、圧下という方法で歯を歯茎へ引き上げ、歯茎の露出を減らします。
出っ歯はアンカースクリューを固定源として前歯を引っ張ることで突出をなくし歯並びを整えられるのです。
ピンポイントに歯を動かすための治療として、外科的矯正治療やヘッドギアを装着する方法があります。
外科的矯正治療は入院が必要になるかもしれないことや、全身麻酔が必要なこともあるため外科的矯正治療を選びたくないという人もいます。
ヘッドギアは外見が目立つため、大人が治療するとなると装着時間が限られ、あまり現実的ではないというデメリットがあるのです。
理想とする歯並びにするための治療方法がなかったという方にも、アンカースクリューは大きな希望となりました。
矯正用アンカースクリューで腫れる原因
腫れてしまうことが心配で治療を始めるか躊躇している方もいるかもしれません。では腫れてしまう原因はどのようなことが考えられるのでしょうか。
腫れてしまう原因についてご紹介していきます。
埋入当日の腫れ
腫れてしまう原因の1つは、埋入当日の腫れです。上顎や歯茎にアンカースクリューを埋入するためどうしても腫れてしまう可能性が高くなります。
また腫れが悪化する原因としては、口内の環境や自身の体調によっても変わってきます。
歯周病があることや体調が悪いときに施術をすると、腫れが悪化してしまうことへと繋がってしまうのです。
施術前は、自身の体調を歯科医に相談してから臨むようにしましょう。
施術中は麻酔を使用するため痛みが出ることはありません。しかし施術後は痛みや違和感、そして腫れる場合があります。
施術後に歯科医より抗生物質や鎮静剤の薬をもらえます。歯科医の指示通り薬を服用することで腫れの悪化を防ぎ、痛みも少なくなるため指示通り守りましょう。
矯正用アンカースクリュー周囲の炎症
原因の2つ目は、矯正用アンカースクリューの周囲の炎症による腫れです。
施術後は、口内のケアをしっかり行うことが大切になります。口内のケアを怠ってしまうとアンカースクリューの周囲に細菌が入ることで炎症を起こしてしまうのです。
また歯を磨く際にも注意が必要です。歯の磨き方については、歯科医から教えてもらえるためしっかりと守るようにしましょう。
清潔に保つためにも殺菌作用のある洗口液を使うこともおすすめです。
施術後は埋入した部分に違和感があるため、舌でいじってしまうこともあるかもしれません。触れると細菌が入ってしまう可能性もあるため注意してください。
矯正用アンカースクリューのメリット
矯正用アンカースクリューを用いた治療を検討しているのなら、メリットが気になるところです。どのようなメリットがあるのかご紹介していきます。
非抜歯で矯正できる可能性
メリットの1つ目は、非抜歯で矯正できる可能性があることです。矯正治療の種類や患者様の口内の状況によって抜歯を行わなくてはいけないケースもあります。
抜歯によって歯を動かすスペースが作れることや、歯茎にも負担をかけず矯正できるなどのメリットがあります。また矯正する期間を短く調整できるのです。
患者様の矯正する内容によって抜歯が必要なケースがありますが、抜歯を嫌がる方もいます。
抜歯をすることで見た目が悪くなったり、食事が不便になったりなどデメリットもあるからです。
アンカースクリューを用いた矯正治療では非抜歯で矯正できる可能性が高く、矯正を諦めていたという方も治療できるかもしれません。
あらゆる症例に適応する
矯正用アンカースクリューは、あらゆる症例に対応できます。先程お伝えした非抜歯でも矯正できる点や、他の矯正方法では難しかったという場合でも対応できる可能性があるのです。
他の矯正方法では歯を動かす方向に限度があり、治療できないケースや治療期間が長引くなどのデメリットが発生する可能性があります。
アンカースクリューの場合、固定源の位置を患者様の口内の状態に合わせて調整できるため上下左右自由に歯を動かしたい位置に矯正できるのです。
歯を動かす方向が広がることで、複雑な症例にも対応でき精度が高い仕上がりとなります。
1本だけ動かせる
1本だけ動かせるという点も大きなメリットです。他の矯正方法だと歯をピンポイントで動かすことは難しいため、他の歯も一緒に動かすことになります。
他の歯も一緒に動かすとなると、治療期間に時間がかかることや他の歯への負担も懸念されます。
1本だけ動かせることで歯を移動させるためのスペースを確保しなくてよくなり、非抜歯になる可能性が上がり治療できる可能性が広がるのです。
腫れを防ぐ方法
矯正用アンカースクリューの治療を検討する際に心配の声が大きい要因が、腫れについてです。腫れは日頃のケアや注意するべきことを理解しておくだけでも、防げる可能性が高くなります。
腫れを防ぐ方法についてご紹介していきます。
歯磨きを丁寧に
まず日頃の歯磨きを丁寧に行うようにしましょう。歯磨きは口内を清潔に保つためにも必要不可欠なことです。
歯磨きを丁寧に行うことで、虫歯や歯周病にも効果が期待できます。
歯磨きを怠ったり、磨き残しがあったりすると細菌が増え炎症を起こし腫れる原因に繋がってしまいます。
また歯周病が悪化してしまうと歯茎に埋入したアンカースクリューが外れてしまう可能性もあるのです。
使用する歯ブラシも自身に合ったものか確認してみてください。歯ブラシのヘッドが硬すぎると歯茎を傷つけてしまうかもしれません。
ヘッド部分が大きすぎると磨き残しを増やしてしまうかもしれないのです。
普段の歯磨きで使用する歯ブラシと合わせて、歯間ブラシや洗口液を併用し口内を清潔に保つようにしましょう。
汚れが溜まらないように気をつける
アンカースクリューのまわりに汚れが溜まらないように気をつけましょう。食べかすや歯石が溜まってしまうと炎症を起こし腫れに繋がってしまいます。
歯ブラシだとヘッドの範囲が広いため、汚れを取り切れないこともあるかもしれません。歯間ブラシやワンタフトブラシを活用してみましょう。
歯間ブラシやワンタフトブラシは、ピンポイントに汚れを取れるためおすすめです。
しかし強くこすると傷つけてしまい炎症を起こす要因にもなってしまいます。強くこすらないように気をつけてください。
指で触らない
アンカースクリュー部分を
で触らないようにしましょう。菌が付き炎症してしまうかもしれません。
埋入した部分が気になり指で触れてしまうことがあります。指には多くの菌が付いている可能性があり危険です。
また舌にも菌が付いているため、埋入した部分はできるだけ触らないように気をつけてください。
腫れ以外に注意すべきトラブル
矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療は腫れ以外にも注意すべきトラブルがあります。そのトラブルについてご紹介していきます。
矯正用アンカースクリューの脱落
腫れ以外のトラブルとして、矯正用アンカースクリューの脱落の可能性が挙げられます。脱落とはアンカースクリューが取れてしまうことを指します。
矯正が終わった場合はアンカースクリューを外すことになり、一生付け続けていくわけではありません。骨に結合させるわけではないため脱落してしまう可能性があるのです。
脱落してしまった際には、再度埋入が必要になります。アンカースクリューがぐらついてしまっている場合には、すぐに担当の歯科医に相談するようにしてください。
強い痛み
アンカースクリューの矯正は痛みが少ない治療になります。アンカースクリュー自体を太い血管や神経から外れた場所に埋入するためあまり痛みは感じません。
しかし稀に強い痛みが発生することがあります。痛みの度合いに関しては個人差があるため自身が痛いと感じたときには担当の歯科医に相談しましょう。
痛み止めを処方してもらえるため、服用して様子をみてください。矯正歯科に行く時間がない場合は市販の痛み止めで対処しましょう。
矯正用アンカースクリューの不安は歯科医に相談しよう
矯正用アンカースクリューは幅広い症例に対応しているため、矯正を諦めていたという方も治療できるかもしれません。
また患者様自身で装着時間を管理しなくてよいため、気にせず日常生活を送れます。しかし腫れてしまうのか、痛みがあるのかなど気にされている方もいらっしゃいます。
矯正用アンカースクリューに関して不安がある方は、歯科医に相談してみましょう。下記のボタンより無料相談をご予約いただけます。
矯正を検討している方はぜひ無料相談を活用してみてください。
まとめ
矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療で腫れてしまうことがあるかもしれません。腫れは炎症によるものが多く、日頃のケアが重要になってきます。
毎日の歯磨きを丁寧にすることで腫れを防げる可能性が高くなるのです。また口内を清潔に保つことで炎症を防げます。
矯正用アンカースクリューは今まで難しかった症例にも対応でき、治療期間も短く調整できる可能性もあります。この機会に矯正を1度検討してみてください。