【監修：青山健一】
目 次
歯列矯正には、部分矯正という一部分だけの歯を矯正する方法があることを知っていますか？
部分矯正は前歯の重なりのみなど、全体ではなく部分的に歯並びを整えたいと思っている人におすすめです。
今回は、部分矯正の特徴や全体矯正との違いなどを詳しく解説していきます。前歯のみなど部分的に歯並びが気になっている人はぜひチェックしてみてください。
前歯の重なりは部分矯正で解消
前歯は会話をする際に最も目につく部分で、歯並びがきれいでなければ笑顔に自信がもてない人も少なくありません。
しかし前歯のみの歯列矯正であれば、部分矯正で解消することが可能です。部分矯正とはその名の通り部分的に矯正治療を行うことで、前歯のみなどの歯列矯正に向いています。
前歯だけ重なっている・ねじれて生えている・間に隙間があるなどの症例は部分矯正で治療が可能なため、前歯の重なりなどでお悩みの方は部分矯正を考えてみましょう。
下記のリンクでは、インターネットから無料相談をご予約いただけます。部分矯正に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
部分矯正の特徴と全体矯正との違い
部分的な矯正治療ができる部分矯正ですが、全体矯正とはどのような違いがあるのかを詳しく知っている人は少ないです。
そもそも部分矯正は全体矯正に比べると認知度は低く、矯正治療を部分的に行えるということを知っている人も多くはありません。
では、まずは部分矯正の特徴と全体矯正との違いについて詳しくみていきましょう。
矯正範囲
部分矯正と全体矯正の基本的な違いは矯正範囲です。部分矯正は前歯の2本だけを矯正することも可能で、前歯のみ重なっている歯並びでお悩みの方にはピッタリの治療法です。
ワイヤー・ブラケット器具を用いた全体矯正を行う場合、広い範囲にワイヤーやブラケットを装着しなければならず矯正装置が目立つことは避けられません。
ところが前歯の重なっている部分のみ部分矯正を行うと奥歯までワイヤーを通す必要がないことが多く、全体矯正に比べると矯正器具の装着範囲が狭くなります。
前歯の重なりを治す場合でも症例によっては長いワイヤーを装着しなければならない場合もあり、矯正したい範囲が狭いからといって矯正装置の装着範囲が狭いとは限りません。
前歯の重なり具合や隣の歯並びなども関係してくるため、部分的なワイヤー矯正を考えている人はどの部分に装置を装着するのか、まずは歯科医へ確認してみましょう。
矯正費用が安い
全体矯正に比べると部分矯正は費用が安いです。部分的に歯を動かしたり向きを変えたりするだけのため、全体の歯を動かすほどの矯正装置を設置する必要はありません。
そのため費用も安くなり、部分矯正であれば約10万円～70万円程度で歯列矯正を行うことも可能です。
全体の矯正治療は費用が高くて手を出せないという人も、部分矯正の費用であれば考え方が変わるかもしれません。
部分矯正であっても歯並びによって費用は異なるため、どのくらいの治療費がかかるのかは歯科医院で確認してみましょう。
矯正期間が短い
部分矯正は歯の動く距離が少なく本数も多くないため、ほとんどの症例は全体矯正と比べると矯正期間が短いです。
全体矯正を行うと治療完了まで約2～3年程度かかります。しかし部分矯正であれば、数ヶ月から1年程度で治療が完了します。
ピンポイントの矯正で早い場合は約1２～３ヶ月で完了する方もみえるため、結婚式や成人式までに治療を完了させたいなどと急いで歯列矯正を行いたいという人にもおすすめです。
部分矯正の種類
全体矯正同様に部分矯正にもさまざまな種類があります。では、部分矯正の治療方法とはどのようなものがあるのか、主な部分矯正の種類を詳しくご紹介していきます。
インビザライン
インビザラインはマウスピースを使用した矯正方法で全体矯正でもよく用いられており、部分矯正も行えます。
しかしマウスピースを使った矯正方法は、部分矯正であっても全体矯正と同様に全ての歯にマウスピースがはまるように装着しなければなりません。
また、部分的な矯正治療であっても前歯が大きく重なっているなど症状が重度の場合は、インビザラインは適応ができずワイヤー矯正のみの適応となります。
ですが前歯が多少重なっている・軽度の出っ歯や叢生などの歯並びであればインビザライン治療は可能なことが多いため、部分矯正を考えている人には人気の治療法です。
透明で目立たず食事や歯磨きの際は取り外しも可能なため、部分矯正でインビザラインの治療法を選ぶことはメリットが多いです。
ワイヤー矯正
ワイヤー・ブラケットを使用するワイヤー矯正は、全体矯正のイメージが強いですが部分矯正も行えます。
前歯の重なりのみを改善したい場合は、重なっている歯並び部分とその両隣りや2本隣りの歯までワイヤー・ブラケットを装着し矯正治療を行うことが多いです。
しかし重度な歯並びの場合は、部分矯正ではなく全体矯正でなければ歯並びを改善できない可能性もあります。
部分矯正であれば治療費も安くなり矯正期間も短くなるため、全体矯正でなく部分矯正が適応できるかどうかまずは歯科医院でカウンセリングを受けてみましょう。
部分矯正に向いている人とは
全体矯正と比べると部分矯正はメリットも多く、歯列矯正治療を考えている人は部分矯正にしようかな？と思っている人も多いです。
しかし部分矯正は治療可能な場合と不可能な場合があり、全体矯正でなければ歯並びをきれいにできない場合も少なくありません。
では部分的な矯正をするにはどんな人が向いているのか、部分矯正に向いている人を詳しくみていきましょう。
前歯だけ治したい人
前歯の重なり・出っ歯・隙っ歯など、部分矯正は前歯だけ治したい人に向いています。
前歯だけの治療といっても軽度な場合に限り、重なり具合が大きい・全体的に出っ歯などと重度な症例の場合には全体矯正でなければきれいな歯並びになりません。
しかし、歯並びはそこまで悪くないが前歯が1本だけ重なっている・少しだけ前歯に隙間があるなど少しだけ歯並びが気になる人にはピッタリです。
歯列矯正を行うほどではないと歯並びの悪さが気になっている人は、部分矯正を考えてみましょう。
部分的であっても歯並びをきれいにすれば口元に自信がうまれ、表情が豊かになったり笑顔が増えたりとメリットが多いです。
費用を抑えたい人
部分矯正は治療期間が短くなることから費用も安くなるため、費用を抑えたい人にも向いています。
全体矯正は治療費が高く払えないため諦めたという人も、部分矯正であればおおよそ50万円以内で治療することが可能です。
矯正範囲が広めの場合や期間が長くなると約70万円ほどと治療費が高くなってしまう場合もありますが、それでも全体矯正に比べると費用は抑えられます。
また、矯正費用を分割払いできる場合、費用が安ければ1回に支払う金額も少なくなるため一括払いできない人でも諦めずに歯列矯正が行えます。
噛み合わせに問題がない人
部分矯正は前歯のみの部分的な歯並びをきれいにする方法のため、噛み合わせに問題がない人でなければ治療を受けることはできません。
自分では噛み合わせがよいと思っていても左右どちらかの歯に負担がかかっている場合もあるため、噛み合わせに問題がないかは歯科医の判断が必要です。
しかし大きく噛み合わせに問題がなければ部分矯正を行えるため、部分矯正を行いたいと思っている人は歯科医院を受診して歯科医へ相談してみましょう。
部分矯正に向かない人
部分矯正に向いている人をご紹介しましたが、次は部分矯正に向かない人を詳しくみていきましょう。
部分矯正に向かない人といっても、向かない人にあてはまっているから歯列矯正を行えないとは限りません。
詳しくは歯科医の診断が必要になりますが、部分矯正を始めてから後悔しないためにもチェックしておきましょう。
噛み合わせが悪い人
噛み合わせに問題がない人は部分矯正を行えますが、噛み合わせが悪い人は部分矯正には向いていません。
歯列矯正は歯並びをきれいにするだけでなく噛み合わせをよくするためのものでもあり、噛み合わせが悪いと一部の歯の寿命を縮めたり顎や顔が歪んだりとさまざまな影響があります。
噛み合わせの悪さを歯列矯正で改善する場合は、部分矯正では改善が難しいため全体矯正を行わなければなりません。そのため、部分矯正には向かないといえるのです。
しかし噛み合わせの悪さが軽度の場合は、一部の歯を削ったり足したりすることで改善がみられるため、噛み合わせを改善してから部分矯正を行うことができます。
噛み合わせが悪いと部分矯正ができないと一概にはいえないため、噛み合わせが悪いかどうかや部分矯正は適応可能かなどは歯科医に確認しましょう。
仕上がりイメージで完璧を求める人
部分矯正は全体の歯の一部分だけを矯正するため、治療完了後部分的にはきれいな歯並びになりますが全体を見ると完璧な歯並びでない場合も稀ではありません。
そのため、仕上がりイメージで完璧を求める人は部分矯正は向いておらず全体矯正をおすすめします。
全体矯正は前歯だけでなく全体のバランスを見ながら矯正を行うため、不定愁訴などの体調改善も期待できます。
歯並びも全体的な仕上がりを見ながら整えていくため、完璧に近い歯並びを目指すことができます。
部分矯正を始める際の注意点
部分矯正を行う際には注意点があることも知っておかなければ、部分矯正を行ったことを後悔しかねません。部分矯正のデメリットともいわれる主な注意点は次の5つです。
- 全体的な噛み合わせは変えられない
- 横顔の形（Eライン）は変えられない
- 歯並び全体の仕上がりが完璧ではないこともある
- 部分矯正でも期間が長引けば費用が高くなる
- 矯正治療完了後に後戻りする可能性がある
上記の注意点を知らずに部分矯正を行うと仕上がりに満足できず、せっかく費用と期間を費やして行った矯正治療を後悔してしまいます。
また、部分矯正は全体の歯に圧をかけ矯正するわけではないため、治療直後はきれいな歯並びでもまわりの歯の生え方によって少しずつ後戻りしてくる可能性も否定できません。
部分矯正はメリットも多いですが、注意点があることを忘れずに治療を始めましょう。
歯列矯正に悩んだら歯科医に相談
前歯の重なりだけを治す場合でも部分矯正と全体矯正それぞれのメリットやデメリットを知った上で治療を始めましょう。
また、部分矯正といっても歯並びによって費用や期間が異なるため、歯科医の診断を受けなければ詳しい費用や期間はわかりません。
前歯の矯正治療を始めたい・部分矯正の費用や期間が知りたいなど、歯列矯正を考えている人や歯並びをよくしたいと悩んでいる人は、まずは歯科医に相談してみましょう。
下記のリンクでは、インターネットから無料相談をご予約いただけます。部分矯正に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
部分矯正が適応できるのは前歯の重なりなど一部分の歯並びの悪さのみですが、部分的に歯並びが気になっている人は決して少なくありません。
前歯の重なりなど部分的に歯並びがきれいになるだけでも美しい口元になり、笑顔や会話で歯をみせることに自信がもてます。
歯並びが悪いのは一部分だけだからと歯列矯正を諦めず、部分矯正で美しい歯並びを手に入れましょう。
1965年 広島県呉市生まれ
