【監修:青山健一】
目 次
親知らずとは、歯並びに影響を与える歯なのかどうかを知りたい人は多くいます。親知らずが生えていない、変な生え方をしているという人も多いものです。
抜歯をするにせよしないにせよ、そもそも親知らずとはどういった歯でいつ生えてくるのか、何本あるのかという基本的なことも知っておく必要があります。
抜歯が必要なのかどうかなどを詳しく解説していきます。どうしようかと悩んでいる親知らずがあるなら、この記事を検討する際の参考にしてみてください。
親知らずとは
親知らずとは、最も奥に生える歯のことです。すべての歯が生えそろった後に気が付けば生えていた、というような歯です。
全員に生えるわけではなく、そもそも生えてこない人や、生えていても斜めになって表に出ず気づかない人もいます。
途中までしか生えてこない人もいて、いろいろな生え方をする歯です。他の歯と違ってどうしても必要、なくてはならないというほどの歯ではありません。
むしろ口内のトラブルになることが、ほとんどです。そんな親知らずですが、実際のところ正確な位置や何本あるのかなどを詳しくみていきましょう。
親知らずの位置
親知らずが生えてくるのは15歳ごろで、すべての歯が永久歯に生え変わった後、最後に最も奥に生えてきます。
正式名称は大臼歯であり、智歯と呼ばれることもあります。生えてくる時期や位置からして、生えてきたことに気づかない場合もあります。
親知らずの本数
親知らずは、全部で4本あります。上顎の左右に1本ずつ、下顎の左右に1本ずつです。
とはいえ、4本すべてそろっている人ばかりではありません。親知らずは歯茎に埋まったままの状態や、欠損していることもあります。
そのため、4本そろっている人もいますが、1本もない人も少なからずいます。
自分に親知らずが生えているかどうかを知らないという人も多くいるため、まずは生えているかどうかを確認してみましょう。
親知らずは歯並びに影響する?
親知らずが歯並びに影響するかどうか、そこのところが問題です。
せっかく矯正治療を受けてきれいな歯並びになったとしても、「親知らずの影響で歯並びが悪くなってしまった」と感じている人もいます。
また、「親知らずが生えてきそうだから」と矯正治療を悩んでいる人も多くいます。実際のところ、親知らずが歯並びに影響するのかどうかを詳しく知っておきましょう。
科学的根拠はない
実は、親知らずが歯並びに与える影響としては、科学的根拠も医学的根拠もありません。
そのため、親知らずが生えてきたからといって、必ずしも歯並びに悪い影響が出る、というわけではありません。
とはいえ、ほかの歯よりもサイズ的にかなり大きく、最後に奥に生えてくる歯です。
必ずしも歯列を乱すという根拠はないものの、可能性は否定できません。もちろん4本とも生えてきたとしても、歯列に何ら影響がない可能性もあります。
向きや位置によっては影響する
親知らずが歯並びに影響を及ぼす根拠はありませんが、向きや位置によっては影響するのは間違いありません。
とくに親知らずが横向きや斜め方向に生えているのであれば、他の歯に与える影響も無視できないものになります。
そのため、必ずしも、親知らずが生えてきて歯並びが悪くなったと感じるという人がすべて否定されるわけではないのです。
まずは、どのような向きで生えてきているのかを、確認しておく必要があります。
親知らずは抜歯が必要?
「親知らずが生えたままではいけないから抜歯しなくてはならない」と思っている人もいます。
親知らずは抜いた方がよいというイメージがある歯であることは確かです。しかし、すべての親知らずを抜かなくてはならない、必ず抜歯が必要だというわけではありません。
親知らずには、抜歯が必要な場合とそうでない場合があるため、状況に応じて対処する必要があります。
専門の歯科医に相談し、親知らずに抜歯が必要かどうかを確認しておきましょう。
抜歯が必要な場合
抜歯が必要な場合とは、横向きに生えている、斜めに生えているなどまっすぐになっていない親知らずです。まっすぐになっていない親知らずは、歯列を乱してしまいます。
とくにこれから矯正治療を受けようと考えているのであれば、抜歯しておく必要があります。
また、親知らずが変な方向に生えていると噛み合わせが悪くなることも考えられ、歯周病や虫歯になっている可能性も高いです。
そのような場合は、抜歯が必要になります。
抜歯の必要がない場合
抜歯が必要のない親知らずも、あります。
抜歯が必要ない場合とは、親知らずが正常に生えていて虫歯や歯周病になりかけてもいない、何の問題もない歯であることです。
周囲の歯に悪い影響を及ぼすことなく、噛み合わせに問題がないなら、わざわざ抜く必要はありません。
また、完全に歯茎に埋まっている場合も、抜歯はしなくても大丈夫です。ただし、痛みや周辺の歯の噛み合わせに問題があれば、抜歯が必要になることもあります。
歯列矯正で親知らずの抜歯が必要か気になる方は、下記リンクから歯科医に無料相談をしてみてください。
親知らずを抜歯するメリット
親知らずを抜歯するには、メリットがいくつかあります。虫歯や歯周病予防になる・矯正時のスペースを確保できるなどです。
それぞれ、どのような点がメリットになるのかを詳しく解説していきます。
虫歯、歯周病予防になる
親知らずを抜くことで、虫歯や歯周病予防になります。親知らずは奥歯の一番奥にあるため、磨きにくい歯です。
親知らずと隣の歯の間には、磨き残した食べかすなどがたまりやすく、それが虫歯の原因となります。
また、横向きや斜めに生えることで口内炎や歯周病のリスクも高まりまるため、注意が必要です。
親知らずを抜くことで、少しでも虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。また、親知らずに残った磨き残しなどが原因となる口臭も、なくなるためおすすめです。
矯正時のスペースを確保できる
親知らずを抜くことで、口内にスペースを確保します。そのスペースを使って、矯正治療時に歯の移動ができます。
いずれにしても、歯列矯正では歯を移動するためのスペースが必要です。
健康で何の問題もない歯のスペースを作るためだけに抜歯するなら、そもそも抜歯の必要がある親知らずを抜歯するほうがおすすめです。
どのようなケースであれば抜歯が必要なのか、どんなメリットがあるのかを歯科医に相談してみてください。
こちらのリンクから無料の矯正相談の予約ができます。ぜひご活用ください。
親知らずを抜歯するデメリット
親知らずを抜歯するには、メリットばかりではありません。
デメリットもあるため、注意が必要です。デメリットとしては、抜歯後に強い痛みや腫れを伴うこと・利用可能な親知らずを失ってしまうということになります。
それぞれどういったデメリットなのかを、詳しくみていきましょう。
抜歯後に強い痛みや腫れを伴う
親知らずの抜歯には、強い痛みや腫れを伴う場合があります。とくに横向きに生えている場合などは、歯茎が腫れてしまうことがあるため、注意が必要です。
腫れは2~3日程度で引くため、そこまでは安静にして様子を見るようにしましょう。
もしも腫れがずっとひかなくて痛みが増してきている、というのなら歯科医に相談してみてください。
また、親知らずを抜くときには、ひどい痛みが出てくる可能性もあります。抜歯のときには必ず麻酔をするため、抜くときの痛みはほとんどありません。
ただし、あとから痛んでくることもあるため、もしも歯が痛くてどうにもならないとなった場合には、専門の歯科医に相談してみてください。
利用可能な親知らずを失ってしまう
生えていれば、今後に備えておくことができます。何かに利用したいと思ったときに、既に抜歯が終わっているなら、利用することもできません。
そのため、ほかに使い道がないのかどうかをきちんとチェックしておいてください。
親知らずを抜歯しても歯並びの改善には矯正治療が必要
たとえ親知らずを抜歯したとしても、既に歯並びが悪いのであれば改善には矯正が必要です。
もしも歯列が乱れた原因になっているのであれば、抜歯しただけでは、ほかの歯は動かないからです。
また、重なり合った歯は、きちんとした矯正治療をしなければ、歯並びは改善しません。
不安があるなら、不安がなくなるまで矯正相談に行きましょう。親知らずの抜歯後にきちんとした矯正治療を受けて、歯並びを改善してください。
歯が美しくなるということは、体もシャキッと伸びて背筋を伸ばすこともできます。顔を上げて大きく口を上げる事ができれば、心配事も減ります。
親知らずの抜歯をするか悩んでいる人は専門医に相談を
親知らずを抜歯するかどうかで悩んでいるのなら、専門の歯科医に相談しましょう。自己判断で、この歯を残す・抜くなどを決めることはできません。
必ず抜歯の必要性を理解して、納得した場合に抜歯しましょう。
親知らずだから、という理由で抜歯するのではなく虫歯になりやすいから、歯並び改善のためなどの理由があると抜歯にも同意しやすくなります。
まとめ
親知らずだからといって、必ず抜歯しなければならないわけではありません。
しかし、抜歯することが多いのは事実であり、気になりだしたらどうしても気になってしまうという人もいます。
親知らずを抜歯したからといって、とくに困ることはありません。
残っている方がトラブルの原因になることの多い歯です。そのため、抜く必要はないけどとりあえず抜歯しておこうという人もいます。
必ずしも抜歯をしなければいけないというわけではありませんが、抜歯をすることによって口内環境を改善できることもあると覚えておいてください。
まずは、抜歯が必要かそうでないかを、専門の歯科医と相談してください。必要であれば抜歯を行い、必要がなければそのまま残しておきましょう。