リテーナーの臭い原因を歯科医が解説|臭い対策やリテーナーのお手入れ方法もご紹介します

【監修:青山健一】

リテーナーの臭い原因を歯科医が解説|臭い対策やリテーナーのお手入れ方法もご紹介します

矯正治療できれいな歯並びになると歯を動かす治療は終わりになります。しかし、その治療が終わっても全てが終わりではありません。
その後、歯が少しずつ動いて治療前の歯並びに戻ってしまう「後戻り」を防止するための期間があります。

その装置をリテーナーといいます。リテーナーを使用していると臭いや汚れが目立ってくることがあるため、対策が必要です。
今回は、このリテーナーの臭いの原因や対策についてお話していきます。

リテーナーの臭いが気になる人は多い?

リテーナーの臭いが気になる人は多い?

リテーナーにも種類があり、取り外しできるマウスピースタイプのようなものと取り外しできないワイヤータイプのものがあります。
どちらのリテーナーを使用していても、臭いでお悩みになる人は多いです。

自分自身でリテーナーが臭うと感じるため、周りの人にも口臭として影響が出ていないかと心配になります。
矯正治療中に使用していた矯正器具とは違って、交換もなく同じリテーナーを継続して使用していくためいつまでも清潔にしていきたいものですよね。

臭い発生の原因が理解できると意識して気をつけることができますし、対策も知っておくと臭いの心配やストレスが軽減されるかと思います。

リテーナーの臭いの原因

リテーナーの臭いの原因

臭いの原因はいくつか考えられます。ワイヤータイプもマウスピースタイプも同じような要因があり、臭いとなっているようです。
マウスピースタイプの人は食事中はマウスピースを外していますし、ワイヤータイプの人も毎日歯磨きしています。

ですから、臭いの原因になるようなことは日常生活の中で心当たりがないと感じている人もいるかもしれません。
原因を知り、少しだけ注意して生活をしてみましょう。

口腔内の雑菌

口腔内の雑菌

お口の中には、約400~700種類の菌がいるといわれていて、約5000億個という量が常在しています。
この菌の量は人間の身体の部分で最も多いため、口がいちばん汚れているといわれているのです。

虫歯や歯周病以外にも口臭に関係している菌も多く存在します。
面倒くさがって歯磨きを怠ったりしてしまうことが多い人は注意してください。

歯に付着している汚れがそのままリテーナーにも付いてしまい更に菌を増やしてしまうことにもなるからです。
お口の常在菌も含めて、リテーナーに付着した菌が結果的に臭いの原因になってしまうのです。

リテーナーに汚れが残っている

自分の歯だけではなく、リテーナーの清掃は必要です。先程も書いているように、お口の中には多くの菌がいます。
歯磨きをしっかりされている人でも菌の数は、約1500億といわれておりこれらはどんなに磨いてもゼロになることはありません。

そのため、磨いていたとしてもリテーナーに汚れが残っていたり、取り外し可能なマウスピースタイプへの菌の付着も必ず起こってしまうと考えた方がよいのです。
マウスピースタイプは汚れが付着したまま放置してしまうことで、汚れの腐敗や菌の増殖を促進させて悪臭となってしまう危険性があるのです。

リテーナーの臭いを防ぐ方法

リテーナーの臭いを防ぐ方法

リテーナーの臭いが発生してしまうことは諦めるしかないのでしょうか。そんなことはありません。
リテーナーと自分の歯どちらにも気を付けてもらうことで、臭いを防ぐ方法はあります。

歯磨きを丁寧に

歯磨きを丁寧に

歯磨きをしても、菌がゼロになることはありませんが、菌の量を限りなく少なくしておくことで臭いを防ぐことができます。
雑菌の量を減らすには、プラーク(歯垢)をしっかり除去することが必要です。

そのためには、歯ブラシを使用するのはもちろんですが、歯ブラシ以外にも歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助清掃用具も使用しましょう。
どんなに頑張っても歯ブラシで落とせる汚れは6割程度だといわれています。

あとの約4割は、補助清掃用具によって落としていくのです。
更に汚れを効率的に落とすためには、自分のお口にあったサイズや毛の硬さのブラシを使用したり適切な使用方法を取得しておいたほうがよいです。

歯科医院で、どのような清掃用具でどんなふうに歯に当てればいいのかを専門医に指導してもらうことで歯磨きがよりよいものになります。
歯磨きを丁寧にしっかりおこなうことで、リテーナーの臭いを防ぐこともできますし虫歯や歯周病予防にもなり、お口の中の環境はよいことばかりになります。

リテーナーを毎日洗浄する

ワイヤータイプであれば、毎回歯磨きのときに気を付けて磨いていただければよいのですが、マウスピースタイプの場合は歯磨きとは別で洗浄するということを意識してください。

汚れが付着したままマウスピースを装着してしまうと、せっかく歯磨きできれいになった歯を再度汚してしまうことにもなりますし、虫歯や歯周病のリスクもあげてしまいます。
いつも清潔な状態でリテーナーが装着できるように毎日洗浄をしましょう。

口腔内の乾燥に気をつける

お口の中は唾液によって常に潤っている状態です。
唾液が少なくなると菌が繁殖しやすくなるのですが、これは唾液の働きと関係しています。
唾液には殺菌、抗菌作用があり、お口の中の菌も洗い流してくれる効果があります。

この唾液の量が多いほど効果が高いため口腔内の水分量は大切なものになるのです。
寝ているときやテレビや本などに集中しているとき、無意識にお口が開いていませんか。
口が開いていると、口腔内が乾燥しやすくなり菌が繁殖しやすい環境をつくってしまいやすくなります。

リテーナーが臭うときの注意点

リテーナーが臭うときの注意点

リテーナーは、汚れが付着しやすいですが付着したからといってすぐに臭いとなるわけではありません。
さまざまな要因が重なって臭いとなることがほとんどです。そのため、毎日のお手入れや気の使い方で防いでいくことはできるのです。

リテーナーの臭いが気なってきたら、生活習慣や歯磨きの方法を思い返してどんなことが原因だったか考えてみてください。

取り外しできるリテーナーのお手入れ方法

取り外しできるリテーナーのお手入れ方法

取り外しできるマウスピースタイプのリテーナーは、お手入れ方法に少し注意しましょう。
マウスピースの素材や形があるため、きちんと取り扱えることができるときれいなまま長期間使用することができます。

水洗い

水洗い

を使用してしっかり洗いましょう。乾燥している状態で磨いたり、タオルやティッシュで拭くだけでは汚れは落ちません。
むしろ汚れを広げているため悪循環になってしまいます。

また、温度が高いお湯もマウスピースの変形の可能性があるため水を使用して下さい。
流水下もしくは洗面器などに水を溜めてその中で洗うなどして、汚れを落とすようにしてください。

歯ブラシで汚れを取り除く

マウスピースは歯の形になっているため、でこぼこですき間に汚れが入りやすいです。
軽く指などで洗う程度では細かい部分まで汚れを落としきることができません。そのため、歯ブラシを使用して清掃してください。

市販の歯ブラシで構いませんが、マウスピースの大きさに合わせて使用する歯ブラシのサイズなどを工夫するとよいです。
自分の口腔内用の歯ブラシとマウスピース清掃用のブラシと使い分けます。

洗浄剤を使う

マウスピースを毎日清掃していても、落としきれない小さな汚れやマウスピースに付いてしまう着色もあります。

マウスピース用の洗浄剤を定期的に使用する事でマウスピースの汚れをすべてリセットしてください。
洗浄剤は毎日使用してもよいのですが、週に一度は必ず使用しましょう。

リテーナーを洗浄するときの注意点

リテーナーを洗浄するときの注意点

マウスピースタイプのお手入れ方法は、上記の通りですがいくつか注意点もあります。
よかれと思ってしていることが逆効果になってしまうこともあるため注意点はきちんと守ってください。

研磨剤入りの歯磨き粉は使わない

きれいにしようと研磨剤入りの歯磨き粉を使用して磨くと、研磨剤でマウスピースに細かい傷がついてしまいます。

この傷の中に汚れや菌が入り込んでしまい、逆に菌の繁殖や着色が付きやすくなってしまいます。
水だけでも充分に汚れを落とすことができるため、歯磨き粉の使用は控えてください。

煮沸消毒をしない

消毒の種類の中に煮沸消毒というものがありますが、マウスピースに関しては絶対におこなわないでください。
マウスピースの素材は高温に弱いため、変形してしまいます。

変形してしまうと元に戻ることはないため、そのマウスピースはリテーナーとして使用する事ができなくなってしまいます。

リテーナーのトラブルは歯科医に相談しよう

リテーナーのトラブルは歯科医に相談しよう

リテーナーのお悩みは、臭いだけではありません。
ワイヤータイプであれば、装着しているところが取れてしまったり舌触りが悪く擦り傷になってしまうなどがあります。

マウスピースタイプなら、失くしてしまったり割れてしまったりなどです。どちらにしても継続して装着することが難しくなるトラブルも少なくありません。
うまくリテーナーが使用できていないことで、リテーナーの意味がなくなってしまうからです。

後戻りをしてきてしまう可能性もあります。不具合があれば、自分で解決しようとせずに歯科医にご相談ください。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。
長い矯正治療期間を経て、理想の歯並びになりいつまでもこの状態を維持したいです。
リテーナーを一定期間使用することで歯の移動を定着させ、後戻りを防止します。

リテーナーの期間で新たなトラブルも出てくる可能性もありますが、予防策を知っておくと回避もできます。
日常生活の小さなことに気をつけながらリテーナーを使用してみてください。

リテーナーのトラブルだけではなく、虫歯などのお口の病気の予防にも繋がっていきます。
自分の歯並びにいつまでも自信が持てるよう、リテーナー期間の終了まで頑張りましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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