【監修:青山健一】
目 次
「虫歯の治療には行けるけど歯並びや出っ歯のことを相談には行けない。歯医者さんってそんなことも治せるの?」という人も多くいらっしゃいます。
歯科医院は「虫歯になったときに行くところ」ですが、それ以外の口の中のいろいろな悩みも解決してくれる場所です。不安なことや心配なことは歯科医に行って相談しましょう。
今回は、口元が盛り上がる歯茎の飛び出しと歯列矯正について解説します。
歯茎を引っ込めたいと悩む人は多い
口元を気にする若者は多くいますが、多くの若者が口元の飛び出しを気にしています。これは、口を閉じていても周りから分かってしまうためどうしても気になるようです。
この口元の飛び出しは歯茎が飛び出していることが原因で、家族にもこの口元の飛び出しがあると治療をあきらめてしまうことがあります。
ここでは、歯茎の飛び出しを改善できるかどうかについて説明していきましょう。
歯列矯正で歯茎は引っ込むのか?
歯列矯正で歯茎は引っ込むのかというご質問の回答は、「歯茎が引っ込むようにできる場合がある」ということが結論です。
歯茎が飛び出すことにはいくつかの原因があり、その原因に対応した矯正治療の方法と治療の事例はたくさんあります。
歯茎が飛び出すことの原因を調べていくと一部の治療だけでは改善できず並行していくつかの矯正治療が必要になる場合もありますから、歯科医の診察を受けましょう。
矯正治療で改善できない場合は外科的手術で改善できますから、歯科医師に相談して患者様の歯の状態を伝えることです。
歯茎に関連する口元の悩み
歯茎が出ているために口元が前に盛り上がり人目が気になることがありますが、症状の度合いや原因によっては矯正治療が可能です。
ここでは、口ゴボ(くちごぼ)とガミースマイルについて詳しく説明します。
口ゴボ
口ゴボとは、歯茎が盛り上がっているため口元が飛び出している症状を指します。
歯茎が飛び出す原因は以下のとおりです。
- 遺伝
- 幼少期の指しゃぶりなどの癖(長期間継続した場合)
- 口呼吸や唇を噛む癖
- 舌で前歯を押す癖
顔のつくりや骨格などの遺伝的要素がある場合は予防できないため、適切な矯正治療で改善を目指します。
幼少期のさまざまな癖は、注意喚起で防げる可能性がありますが、大人になって症状が出ている場合は矯正治療が可能です。
ガミースマイル
ガミースマイルは、歯茎が飛び出して笑うと歯茎まで見える状態を指します。歯茎が歯に深くかぶさるために歯より歯茎が目立つことがあります。
上唇の引き上げる力が強いことが原因で唇が引き上げられ、唇の位置が上がりすぎて歯茎と歯が見えてしまうことがありますが矯正治療で改善することが可能です。
矯正治療ではワイヤー矯正やマウスピース矯正を使ったりセラミック冠を被せて治療しますが、検査結果と歯科医師の診断で外科治療が必要となる場合もあります。
不安なことがありましたら、下記のページから無料の矯正相談を予約してください。
口元に影響しやすい歯並び
矯正歯科を訪れる患者様は、口元を気にして治療を希望されます。矯正歯科医は患者様の悩みや不安を解消するために最適な治療法を一緒に相談しますから安心してください。
ここでは、口元に影響しやすい歯並びの例を詳しく説明します。
出っ歯
出っ歯は、前歯が前に飛び出している状態で、前歯が成長するときに隣り合った歯の間が狭くて飛び出すことが原因と考えられます。
歯列矯正では、飛び出した歯が元の正しい位置に戻るためのスペースを確保して歯を動かす治療が可能です。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの矯正装置を使って、犬歯の間を広げながら少しずつ前歯を内側に入れていきます。
叢生
叢生とは、歯がデコボコに並んでいる状態で、歯列全体が込み合っている中で歯が成長してきれいに並ぶことができなかったことが原因と考えられます。
ワイヤー矯正では、ワイヤーの弾力を使って歯列全体のすき間を広げ歯を正しい位置に動かします。ワイヤーが歯の裏側に取り付けられる装置もあり、目立たずに治療ができます。
マウスピース矯正では透明な素材を使っているためそのまま歯に被せても目立たず、一時的に外すこともできるため人と会うことや食事などにも影響しません。
受け口
受け口とは、下の歯が上の歯より前に出てしまう状態を指し、反対咬合とも呼ばれます。
矯正治療にはワイヤー矯正・マウスピース矯正がありますが、症状によって外科的治療も可能です。治療計画は治療前検査と歯科医師の診断によって決まります。
受け口の状態は噛み合わせが悪いだけでなく、互いの歯茎を傷つけたり顎の骨格全体にも影響が出たりすることがあるため早期の受診が必要です。
歯茎を引っ込める方法
歯茎が出ていることは口元が目立つコンプレックスにはなりますが、骨格的な問題なので必ず治療しないといけない病気なわけではありません。
治療方法は矯正治療と外科的治療に大きく分かれますが、顔の骨格にもかかわる治療で治療前の綿密な検査結果と歯科医師の診断から治療方法が決定します。
ここでは、歯列矯正と外科的治療について詳しく説明します。
歯列矯正
歯列矯正では歯並びをよくするために歯と歯のスペースを確保して歯を動かす治療や倒れている歯を起こしてスペースを空ける治療など、状態に合わせた治療が可能です。
矯正治療に使われる装置にはそれぞれの目的や対象症例があるため、歯科医師が最適な治療法と矯正装置の組み合わせを選び提案します。
治療装置にはワイヤー矯正やマウスピース矯正の装置がありますが、患者様の口の中の状態に合わせて選択した治療を選択することが可能です。
外科的治療
外科的治療は、矯正治療ができない場合や外科的治療しか選択肢がないなどの場合に選択されます。ここでは上顎骨体移動術の例を説明します。
上顎骨体移動術は上顎の4番目の歯を抜歯し、空いたスペースに口元を引っ込める方法です。口の中からの手術ですから傷が見えませんし、2時間ほどで終わる手術です。
口元の飛び出し幅の制限もありますから、しっかりとした技術と多くの治療実績のある歯科医師を選ばなければなりません。
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歯茎を引っ込める歯列矯正の種類
歯列矯正では動かす歯の数や距離は状態によって変わるため、さまざまな矯正装置から患者様に最も適した矯正装置を選びます。
矯正装置はそれぞれに特徴と注意点がありますから、それを理解して治療を続けることと不具合が出た場合は我慢せずに歯科医師に相談することが大切です。
ここでは、ワイヤー矯正・マウスピース矯正などの矯正装置を使った治療とアンカースクリューを併用した治療について説明します。
インビザライン
マウスピース矯正は透明なプラスチック素材で作られたマウスピース矯正装置を歯全体に被せ、マウスピースの弾力で歯を動かしスペースを作りながら歯を動かす治療方法です。
インビザラインはマウスピース矯正装置の代表的な装置で、複数のマウスピースを作成し1~2週間ごとにマウスピースを取り換えることで効果的に歯を動かします。
補助的にアタッチメントや顎間ゴムの力を利用して歯を動かす力を調節することができるため、治療効果の向上につながっています。
ワイヤー・ブラケット矯正
ワイヤー矯正は歯にブラケットを貼り付けそこに通したワイヤーの弾力で歯と歯の間を広げ、治療部位の歯を動かす治療です。ゆっくりと時間をかけて治療することができます。
ワイヤー矯正装置は歯の表面につけるため目立ちましたが、歯の裏側にブラケットを貼り付けワイヤーが隠れる舌側矯正装置もでき改善されました。
ワイヤー矯正装置は全体矯正と部分矯正のどちらにも対応できるため、多くの歯列矯正に使われます。
矯正用アンカースクリュー
矯正用アンカースクリューとは、歯茎の歯槽骨にネジを埋め込みそのネジを固定源として歯を引っ張る力を強める装置です。
矯正用アンカースクリューは単体で使われることはなく、ワイヤー矯正と併用することで治療効果を高める役割があり、治療期間の短縮につながります。
このスクリューを固定源として治療部位に合わせていろいろな方向に引っ張ることができるため、ワイヤー矯正の治療効果を高める役割を果たしています。
歯列矯正で歯茎を引っ込めたいなら
歯茎が飛び出していることは見た目にも影響があるため悩まれている方も多くおられ、治療するかどうかの決断ができずに悩まれている方もいらっしゃいます。
迷ったとき不安に思ったときに一番の相談相手は矯正専門医です。患者様が思っていることや願っていることを歯科医師に伝えることから始めましょう。
治療も簡単ではなく数ヵ月から2年ほどかかりますから、患者様が不安なく負担も少ない治療ができる歯科医院を選ぶことが大切です。
まとめ
ここまで「口元に影響しやすい歯並びや歯茎を下げる治療法」について説明してきました。
矯正歯科治療は専門の知識と高度な治療技術があってこそ安心できますし、治療実績や歯科医師の紹介記事などからも信頼できるかどうかを判断できます。
一度専門の矯正歯科医院に相談してみましょう。インターネットを使って矯正歯科医院のホームページにアクセスして相談することもできます。
矯正歯科医院は、患者様の治療後の生活が豊かに笑顔溢れるものになるために最適な治療計画を用意してお待ちしています。