【監修:青山健一】
目 次
歯列矯正が老後に影響を与えるのかどうか気になる人は少なくありません。
歯列矯正はしたい、歯並びを治してきれいになりたいという人も、抜歯などと聞けば老後を気にしてしまいます。
とはいえ、本当に歯列矯正は老後に影響を与えるのかどうか、そこが問題です。
どのような影響があるのかを知っておくことで、歯列矯正の際にどのような治療をすればいいのかわかります。
抜歯を伴う矯正が老後に与える影響や、よい歯並びを維持するためにどうすればいいのかなど詳しく解説していきます。
大人の矯正治療は老後に影響する?
大人になってからする矯正治療が、老後にも影響するかどうかは気になる人も多くいます。
影響とは悪いことだけではなく、良い影響もあるため一概に影響があるからやめておいた方がいいというわけではありません。
悪い歯並びを放置するとどうなるのか、老後に良い影響を残すためにはどうすればいいのかなどを詳しくみていきましょう。
歯列矯正の目的
歯列矯正には、いくつかの目的があります。
どれも必要なことで、目的を1つだけ達成するのではなく、歯列矯正によってすべての目的を達成することが重要です。
とはいえ、歯列矯正の目的はぼんやりとはわかっていても詳細までは知らないという人も多くいます。
ここでは、歯列矯正の目的とはどのようなものなのか、1つずつ詳しくみていきましょう。
見た目を良くする
歯列矯正の目的の1つは、見た目をよくするというものです。
歯がでこぼこだったり下の歯が突き出していたりとなると、見た目がよくありません。
自信を失ってうつむきがちになり、見る人にマイナスな印象を与えてしまいます。
美しい顔になるためにも、歯列矯正をするのは重要なことです。
とくに歯並びをよくすることで、美しいスマイルラインを作ることもでき、笑顔が素敵に慣れるためぜひ、試してみてください。
見た目が美しくなれば口を大きく開けることもでき、自信にもつながります。
機能性の改善・向上
歯列矯正をすることで、機能性の改善や向上もできます。
具体的には、噛み合わせが悪く食べ物をうまく噛めなかったという人も、歯並びをきれいにすることで噛み合わせを改善できます。
食べ物を上手に噛めるようになるため歯列矯正は重要です。
噛み合わせが悪いと、うまく呼吸できず、固いものを食べることができなくなります。
固いものが食べられないからといって柔らかいものばかり食べていては、さらに歯並びが悪くなるという悪循環に陥ります。
それだけではなく、食事もおいしくなくなることもあるため、治療することが大切です。
上手に噛む事が出来るということは、それだけで食事がおいしく感じるようになり楽しくなります。
歯が重なっている部分は歯磨きがしづらく、歯垢も残ってしまいます。
しかし、歯並びを改善すると全体にブラシが通るようになるため、歯垢もきれい取れます。
歯垢がきれいに取れるようになるため、虫歯や歯周病にかかるリスクも軽減できて口腔内の健康を保てるのがメリットです。
悪い歯並びが老後に影響すること
悪い歯並びは、老後に影響することがあります。
必ず、というわけではありません。しかし、良くない影響を及ぼす可能性は高くなります。
歯並びがきれいだと、老後もたくさん自分の歯を残せるためぜひ歯並びを矯正しましょう。
まずは、歯並びが悪いままだとどのような影響が出るのかを、詳しく解説していきます。
歯茎が下がる
歯並びが悪いと、どうしても歯茎や周りの骨に必要ないほど大きな力がかかってしまいます。
それにより、歯茎が下がるという事態が引き起こされる可能性があります。
歯茎が下がると、歯の根が露出する、歯と歯の間に隙間ができるなどの症状が考えられるため、早期の治療が必要です。
治療しないままでいるとどんどん進行してしまい、いずれは歯を失ってしまうこともあります。
しかし、歯茎は徐々に下がっていくため、なかなか気づくことができません。年を取って気づいたときにはすでに手遅れ、というのもよくあることです。
虫歯・歯周病のリスク
歯並びが悪いままだと、どうしても虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
なぜなら、歯並びが悪く歯が重なった部分があると、うまく歯を磨けずに食べかすが残ることがあるからです。
そのため、きれいな歯並びのように全面を磨くことができず、歯垢が溜まって虫歯になってしまいます。
また、うまく歯磨きができないということは歯周病になるリスクも同様に高いということです。
細菌が繁殖しやすい
歯並びが悪いということは、細菌が繁殖しやすいということでもあります。
歯並びがよい歯はうまく歯磨きができるため、口の中にある細菌や代謝物で形成されたプラークと呼ばれる物質を除去することができます。
しかし、歯並びが悪く歯と歯が重なっている状態では、歯ブラシが届かずにプラークを除去できません。
少しずつ溜まっていってしまうと、その部分を温床に細菌が口の中に繁殖してしまいます。
歯並びが悪いと、さまざまな影響を引き起こすリスクがあります。老後への影響を考えて矯正を検討される方は、無料相談を活用してみませんか。
抜歯を伴う歯列矯正は老後に影響する?
抜歯を伴う歯列矯正は、老後にどのように影響するのか知りたいものです。
そもそも抜歯をするということは、その分歯が減ってしまうということです。
そうなると、老後に歯の本数が少なくなるからいやだと考える人もいます。
しかし、実際には抜歯を伴っても歯列矯正をしたほうがおすすめです。
できるだけ自分の歯を老後に残したい、という人は多くいますが歯並びが悪いままだと良い影響を与えません。
健康な歯をより多く残したいと望むなら、できるだけ非抜歯矯正で歯並びをよくしましょう。
非抜歯矯正を望むなら
すべての症状で、非抜歯を実現することはできません。
しかし、非抜歯矯正を望むなら、できるだけ非抜歯で対応してくれる歯科医もいます。
抜歯が悪いというわけではなく、抜歯によって歯列矯正がうまく場合もあります。
とはいえ、歯をできるだけ抜きたくないという気持ちがあるのも確かなことです。
そのため、非抜歯矯正を望むなら自分の症状をよく理解して、非抜歯でできるかどうかを検討しましょう。
実績のある歯科医を選ぶ
非抜歯で歯列矯正をする場合、どのような症状であるかをきちんと理解する必要があります。
歯科医に相談して、非抜歯で対応できるかどうかを確認しましょう。しかし、相談する歯科医は信頼できるところを選ぶ必要があります。
信頼できる歯科医の基準は、実績があるかどうかです。
歯列矯正をしている歯科医の中でも、特に非抜歯の矯正に関して実績のある歯科医を選ぶようにしましょう。
セカンドオピニオン
セカンドオピニオン、という言葉を聞いたことがあるという人も多くいます。
初めに行った歯科医で望む成果が得られなかった場合、別の歯科医にも相談してみることをおすすめします。
なぜなら、治療方法が必ず1つしかない、選択肢がないというわけではないからです。
初めに行った歯科医で納得のいく説明がなされなかった場合、もしくは「ほかの歯科医でも話を聞いてみたい」となった場合は、セカンドオピニオンを実行してみてください。
納得のいく説明を受ける、もしくはどこの歯科医でも同じことを言われるとなれば、安心して治療を受けることができます。
良い歯並びを維持する方法
歯列矯正をしてそこで終わり、とはなりません。
歯は、常に変化し続けています。そのため、何もしないでいるとせっかくきれいになった歯並びも、元に戻ってしまいます。
良い歯並びを維持するためには、歯列矯正をした後も適切なメンテナンスが重要です。
良い歯並びを維持するために何をすればいいのか、一つずつ見ていきましょう。
保定装置を使う
歯列矯正の後に、歯の位置が元に戻ってしまう「後戻り」と呼ばれる現象があります。
後戻りを防ぐためには、保定装置を使うのが効果的です。
歯列矯正終了後から長期間、保定装置を付けておくことが理想ですが、矯正治療が終わったからと保定装置を外してしまうことがよくあります。
そうすると、歯が元の位置に戻ろうとして、せっかくきれいになった歯並びが台無しになってしまいます。
そのようなことにならないためにも、必ず保定装置を付けておくようにしましょう。
保定装置を付けておく期間は、歯科医によっても違ってきますが矯正治療終了から約1年から長ければ3年程度です。
一生つけておくわけではないため、歯のためにもぜひつけておきましょう。
矯正完了後のメンテナンス
歯の矯正が完了しても、メンテナンスを欠かさないようにしてください。
メンテナンスは、定期的に歯科医に通い、必要であれば歯のクリーニングを行います。
定期的に歯科医に通うことで、もし後戻りの兆候があればすぐに対応してもらうことができます。
保定装置を外して良くなっても、定期的に歯科医に通うことは続けてください。
悪い習慣を改善する
歯並びが悪くなるのは、生活習慣が問題なこともあります。
たとえば口呼吸ばかりしてしまうと骨や顔の筋肉に影響を与えるため、よくありません。
頬杖を突くことで、顎がずれてしまいます。
柔らかモノばかり食べて硬いものを食べないでいると、叢生の原因にもなります。
そのほか、うつ伏せで寝たり爪や唇をかんだりといった行為も歯の並びを悪くする原因です。
このような生活習慣を改善することにより、歯列矯正後も歯並びをきれいに保つことができます。
歯列矯正が及ぼす老後への影響に悩んだら
歯列矯正が及ぼす老後への影響に悩んだら、信頼できる歯科医に相談しましょう。
実績のある歯科医であれば、納得のいく矯正治療をしてもらうことができます。
ただし、治療前には必ず相談して、不安があればすべて質問して納得してから治療に入りましょう。
老後への影響が気になるのであれば、なおさらきちんとした相談が大切です。必要であれば、2箇所の歯科医に相談しても問題はありません。
老後も自分の歯をできるだけ残したい、口腔内を衛生的に保ちたいというのであれば信頼できる歯科医を見つけて治療することが大切です。
信頼できる歯科医を見つけるために、無料相談を受けてみることをおすすめします。
まとめ
歯列矯正で抜歯をすると、とくに老後への影響が気になります。
老後もなるべく自分の歯を残したい、硬いものもできるだけ噛めるようにしておきたいというのであればなおさらです。
まずは歯列矯正が老後に及ぼす影響をよく理解したうえで、自分に合った治療法を見つけましょう。