【監修:青山健一】
目 次
歯列矯正は痛みを伴う治療です。しかし、歯列矯正中はずっと痛みを感じるままなのでしょうか。
さらに痛みの原因や対処法について、あまり理解していない人が多くいます。今回は歯列矯正の痛みや原因、対処法について解説していきます。
歯列矯正の痛みをどうすればいいか分からない人は是非参考にして対処してください。
歯列矯正はずっと痛いのか?
歯列矯正は矯正装置を装着して治療を進めていきます。装置によって歯に力が加わっているため、違和感はありますが強い痛みを感じるほどではありません。
個人差はありますが一般的に痛みを感じ始めるのは装着後3時間から6時間といわれており、ピークは翌日から翌々日です。
装着後3日経った頃から痛みが徐々に和らいできて、長くても1週間が過ぎるころには痛みを感じなくなります。
そこから月に1度の通院で装置の調整をおこなう毎に痛みを感じますが、回数を重ねるごとに和らいでいき、最終的には痛みをほとんど感じません。
これとは別に矯正装置が口内に当たっている痛みや、虫歯や歯周病などで痛みを感じることもあります。
矯正治療を検討するにあたり、痛みやトラブルなどが不安という方も多いです。まずは無料相談を活用して、気になることを相談してみましょう。
歯列矯正で痛みを感じる原因
歯列矯正をおこなったときに感じる痛みの原因は様々なことが考えられます。痛みの原因がわからないとストレスを溜めてしまいます。
痛みの原因によっては対処しないと悪化をしてしまうものもあるため、注意が必要です。
ここでは紹介する痛みの原因を参考に自身の痛みが放っておいても問題ないのか確認をしていきましょう。
歯が動くことによる痛み
前述でも紹介したとおり、矯正治療とは歯を動かして理想の歯並びに近づけていく治療です。歯が動き始めることで痛みを感じます。
歯は歯槽骨で支えられているため、力を掛けて動かすと骨が吸収されて歯が動きます。骨が吸収されるときに炎症を起こしますが、これが痛みの原因です。
この痛みは歯列矯正をおこなう上で感じる痛みのため、必要以上に不安を感じることはありません。
しかし、装置の装着や調整をおこなってから10日経っても治まらない場合は歯科医に相談をしましょう。
矯正器具による痛み
矯正装置が痛みの原因になることがあります。
ワイヤー矯正であればワイヤーが刺さったりブラケットが粘膜に当たったりすることで、口腔内に傷がつくため痛みを感じます。
マウスピース矯正でもマウスピースの淵が粘膜に強く当たり傷がついてしまうことがあるため、注意が必要です。
このような痛みは歯科医に調整をしてもらうことで、取り除くことができるため我慢をせずに相談をしましょう。
ものを噛むことによる痛み
歯列矯正中は食事でものを噛むときに痛みを感じてしまいます。特に矯正装置を装着してから間がないときに感じやすいです。
これは歯が動いている際は炎症を起こしている状態で、歯はとても敏感になっています。そのため、ものを噛んだり上下の歯がぶつかった時の衝撃で痛みを感じてしまいます。
ものを噛むことによる痛みは個人差があり、痛みを感じない人は全く感じない人もいるようです。
痛みがある人でも歯が動くことで感じる痛みのように時間が経てば治まる人も多くいます。
口内炎などのトラブルによる痛み
矯正器具が舌や口の粘膜に当たることで起こる口内炎はカタル性口内炎です。この口内炎は歯の被せものや入れ歯などが当たっても起こります。
この痛みは矯正装置の口腔内に触れている部分を改善することで治りやすく、矯正装置を取り付けた最初のほうに出やすい症状です。
治療が進むことで歯並びが改善されると、矯正器具は当たりにくくなるため起きなくなります。
また、矯正治療中はカタル性口内炎以外の口内炎も起きる場合があります。自分の症状を確認して口内炎の種類を確認しましょう。
口内炎の種類によって対応が変わるため、正しく把握して対処していく必要があります。
歯が動くことでなぜ痛みを感じるのか
矯正治療で歯が動くときに痛みを感じてしまいますが、歯が動くときに痛みを感じる理由を知らない人は少なくありません。
歯は歯槽骨という骨で支えられており、歯列矯正をするときはこの歯槽骨の中を移動しています。
移動する方向にある骨が吸収してそのスペースに歯が移動して、できたスペースに骨が作られるということを繰り返して歯は移動をしていきます。
骨を吸収する初期の段階で発生するプロスタグランジンE2が痛みの原因の物質です。これの発生が原因で痛みを感じてしまいます。
歯列矯正で痛みを感じやすい期間
矯正治療には大きく2つの痛みの種類に分けることができます。それは「歯を動かすときの痛み」と「矯正装置による痛み」です。
1つ目の「歯を動かすときの痛み」は一般的に矯正装置を装着したときや調整したときから3日~10日程度といわれています。
痛みのピークは取り付け3時間~3日まででその後は徐々に痛みが和らいでいきます。
次に「矯正装置による痛み」です。これは矯正装置を取り付けや調整が悪いと痛みが発生して和らぐことはないため、早めに歯科医に治してもらう必要があります。
他にも、矯正装置が原因で口内炎が発生してしまうこともありますが、これは装置を付けて初期の段階が多く治療が進むについて改善されていきます。
歯列矯正での痛みはある程度経てば痛みを感じなくなることが多いため、痛みが続く場合は早めに歯科医に相談をすることが必要です。
矯正器具で痛みを感じる場合の対処法
矯正治療で感じる痛みは時間が経過するとともに痛みを感じなくなる場合が多いですが、中には痛みが消えないことがあるため、注意が必要です。
痛みが続く場合は矯正器具が原因の可能性が高いため、その場合は月1回の通院を待たずに歯科医院に診療を受けましょう。
ここでは矯正器具が原因で感じる痛みの対処法について紹介していきます。
歯列矯正用のワックス
矯正治療に使用するワックスは様々なメーカーがあり、種類や値段も多種多様です。
歯列矯正用のワックスは矯正装置が頬や舌、歯茎など口の柔らかい部分に当たって傷を付けてしまう場合に当たっている部分にワックスを付けて保護します。
矯正治療が落ち着くまでは装置による痛みは多いため、ワックスが必要になります。そのため、ワイヤー矯正の場合はワックスを歯科医に処方してもらいましょう。
また、ワックスは色々な商品がありますが歯科医が勧めるワックスを使用することをおすすめします。
歯列矯正による痛みの対処法
歯列矯正は個人差はあるものの痛みを伴う治療法です。そのため、痛みに弱い人にとっては耐えられないこともあります。
ここでは歯列矯正による痛みの対処法について紹介をしてきます。是非、参考にして自分が感じている痛みに合った対処をしていきましょう。
痛み止めを服用する
前述でも紹介したとおり、歯が動いているときは炎症が起きている状態になります。そのため、痛み止めを服用することで対処する方法もあります。
市販薬を手に入れることもできますが、矯正治療中のためまずは歯科医に相談しましょう。
痛み止めの中には歯の動きに影響する可能性があるといわれるものもありますが、歯科医であれば影響が少ない痛み止めの処方が可能です。
矯正中はなるべく痛み止めを飲まない方が良いという話もありますが、無理に痛みを我慢する必要もありません。
食事に気をつける
矯正治療をおこなうことで、さまざまな制限が掛かってしまいます。口が開きにくくなったり噛むときに痛みを感じることがあります。
そのため、通常の食事が痛くて噛めない場合もありますが、痛みがあるときは柔らかい食べ物がおすすめです。
お粥やうどん、オムレツなどはおすすめで野菜などもしっかりと食べたい人にはポトフやポテトサラダなどが食べやすく人気が高いです。
柔らかい食事は栄養のバランスさえ気を付けることができれば、痛みを感じにくく食事が楽しめます。
口内を清潔に保つ
矯正装置を装着することで虫歯や歯周病のリスクが高まります。理由は装置をつけることで歯磨きをすることが難しくなるためです。
装置を装着した状態でもしっかりと歯磨きができるほうに歯科医から指導があるため、方法をしっかりと守って口内環境を清潔に保たなければなりません。
他にも歯間ブラシなどを利用することも効果的で工夫をしながらセルフケアの徹底に心がけましょう。
歯列矯正の痛みのよるトラブルは歯科医に相談しよう
歯列矯正中の痛みはあまり経験がないため、原因がわからず不安になります。矯正中の痛みの原因を理解することは難しいです。
そのため、原因不明の痛みやトラブルが発生した場合には早めに歯科医に相談をしなければなりません。
歯科医に相談をすることで精神的にも落ち着いて、歯列矯正の治療に向き合っていくことができます。
歯列矯正は歯科医と協力をして治療を進めていく必要があるため、なんでも気軽に相談できる人間関係を築いていきましょう。
矯正治療を検討中の方は、ぜひ無料相談をご活用ください。
まとめ
今回は歯列矯正の痛みについて解説してきました。痛みの種類によって対処法が変わってくるため、注意が必要です。
痛みの内容によっては放置しておくと悪化してしまう場合もあるため、原因がわからないときは早めに相談することをおすすめします。
しっかりと対処することで歯列矯正をスムーズに進めることができます。