うつぶせ寝と歯並びの関係性を歯科医が解説|うつぶせ寝が及ぼす影響や矯正治療中の注意点もご紹介

【監修:青山健一】

うつぶせ寝と歯並びの関係性を歯科医が解説|うつぶせ寝が及ぼす影響や矯正治療中の注意点もご紹介

歯並びは、日常生活のちょっとした癖から崩れてしまうことが多いです。あまり関係ないようにみえますが、姿勢や寝相も歯並びを変える大きな要因の1つです。
歯並びだけでなく顔の歪みなどさまざまな問題に繋がってしまうこともあり、特にうつぶせ寝は、歯並びや顔の歪みなどへの影響を及ぼすことが多いとされています。

今回は、うつぶせ寝による歯並びへの影響やうつぶせ寝以外の習慣で歯並びに悪影響を与えてしまう習慣についても詳しく紹介していきます。

うつぶせ寝と歯並びの関係性

うつぶせ寝と歯並びの関係性

歯並びが悪くなる原因の1つとして挙げられるのが姿勢や寝相の悪さです。歯並びに大きな影響を与える寝相がうつぶせ寝とされています。
30分だけうつぶせ寝になっていただけでも、歯や骨は動いてしまいます。長時間、顔面に力がかかることで徐々に歯のバランスが崩れ歯並びの悪さに繋がってしまうのです。

また、顔の歪みにも繋がってしまう恐れがあります。子供の場合、顎の成長期で尚且つ永久歯へ生え替わる時期ということもあり、歯並びが悪くなってしまう事例も多いです。

うつぶせ寝が及ぼす影響とは?

うつぶせ寝が及ぼす影響とは?

うつぶせ寝が及ぼす影響には以下2つがあります。

歯並び

歯並び

うつぶせ寝を続けることで歯並びが悪くなる傾向にあります。特にあごが発育途中で歯の生えかわりがある子供の場合は悪くなってしまうことが多いです。
もともとは長時間力が一点に集中してしまうと形態が変わりやすく、歯並びやあごの発育に大きな影響を及ぼします。

後に紹介しますが、歯並びが悪くなる原因の1つである口呼吸はうつぶせ寝が原因でなることが多いとされています。
うつぶせ寝は口呼吸しやすい体勢でもあるため、より歯並びのバランスが悪くなってしまう可能性が高まるのです。

上下の顎のバランス

うつぶせ寝は、歯並びだけでなくあごの発育にも影響を及ぼします。あごは下顎が関節で固定されていますが、体の関節の中でも四方八方に動く関節です。
頭の重さは4~5㎏とされており、その力はあごを横や奥に動かす力へ変換されることで顎関節への負担が大きくなってしまいます。

結果、上下の顎のバランスが崩れてしまい反対咬合など噛み合わせが逆になる、あごが横にずれる、顎関節症といった症状に繋がってしまうのです。

うつぶせ寝が歯並びに影響する理由

うつぶせ寝が歯並びに影響する理由

うつぶせ寝が歯並びに影響する理由として、以下2つが挙げられます。

同じ場所に力が加わる

うつぶせは顔に頭の重さが集中してしまいます。それにより下顎や歯へ力が加わり歯並びやあごへ影響が出ます。
もともと歯や骨は負荷がかかった時点で少しずつ動いていくものです。その状態が年単位で続くと当然歯並びやあごの発育などへの影響も大きいです。
これはうつぶせだけでなく横向き寝も同様で矯正力よりも大きな力のため矯正治療への影響も大きく、うつぶせ寝により効率よく治療が進まなかったケースもあります。

長時間同じ姿勢で過ごす

うつぶせ寝は短時間だと歯並びなどへの影響力はほとんどありません。しかし、これが毎日長時間積み重なることで歯並びや顎のバランスが崩れていきます。
特に睡眠時は長時間うつぶせ、または横向きの体勢でいる場合がほとんどのため、完全に歯並びなどへの影響をなくすにはうつぶせ寝の癖の改善が必要です。

うつぶせ寝が顎関節症を引き起こすことも?

近頃、顎関節症を発症する方が多く、骨格筋肉が男性と比較して弱い女性の方が発症しやすい傾向にあります。
顎関節症はいくつかの症状がありますが、症状によってストレスパソコンの長時間利用などが原因となることも多いため、デスクワークが多くなりストレス社会といわれている現代では非常に身近な病気です。

そんな顎関節症ですが、もう1つ原因として挙げられるのがうつぶせ寝によるものです。先ほども触れましたが、うつぶせの体勢は顎への負担が大きく、あごのずれや歪みの原因でもあります。
あごは四方八方に力が働く関節ということもあり、特に下顎への負担が大きいです。横にずれる力など、さまざまな力が作用し負荷がかかることで顎関節症を発症される患者さんが多くいます。

口が開かない、または開けづらいといった症状をはじめ、あごに痛みがある、咀嚼など顎を動かす際にが鳴るという方は顎関節症の可能性が高いです。
顎関節症について詳しく知りたい方や顎関節症の症状に心当たりがある方は、無料相談を活用して歯科医に相談することをおすすめします。

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うつぶせ寝以外の歯並びに影響する習慣

うつぶせ寝以外の歯並びに影響する習慣

うつぶせ寝以外にも以下4つの習慣が歯並びの悪化や顎関節症などの原因になり得ます。

横向き寝

横向き寝

うつぶせ寝と同じくらい多いのが横向き寝です。うつぶせ寝同様、顔を押し潰し負荷をかける体勢になります。
睡眠時は意識がはっきりとしないため、横向き寝の癖がついている場合知らぬうちに横向き寝になっていることも多いです。

そしてこの体勢も長時間続くことが考えられるため、あごが横にずれたり顔が左右非対称になってしまう可能性が高くなります。

頬杖

次に影響を及ぼす習慣は頬杖です。仕事しているとき、学校の授業中やテレビ、スマホを見ているときなど、普段の生活の中で無意識に頬杖している方も多いです。
頬杖しているとき、手が当たっている部分の歯が舌側に入り込むことで、歯列が徐々にV字型に傾いてしまいます。

左側に手を当てると左側に、右側に手を当てると右側に歪みが起こってしまうため、注意が必要です。頬杖をつく癖がある方は、少し意識して徐々に改善していくと良いです。

舌癖

次に歯並びへの影響が大きいのが舌癖です。この舌癖は、舌で歯を押してしまう癖があると、歯と歯の間に隙間が開きすきっ歯になってしまったり、上下の歯の噛み合わせが悪くなってしまいます。

また発音にも大きな影響を与え、サ行・タ行・ナ行・ラ行の発音がしづらくなってしまうケースも多いです。
子供の場合、指しゃぶりで前歯の間に隙間ができてしまうケースがあり、隙間に舌を突っ込んでしまう癖がとれないこともあります。

他にも乳歯が早く抜けてしまい、永久歯が生えてくるまでに時間がかかってしまう場合に歯がない部分に舌を突っ込んでしまう癖が身についてしまい、歯が生えても癖で押してしまうケースも多いです。
舌癖がある方の中には正しい舌の位置が分からず定まっていない場合もあるため、当てはまる方は一度相談することをおすすめします。

口呼吸

口呼吸

口呼吸は大人も多いですが子供に多くみられ、あごの発達に大きな影響を及ぼします。
そもそも何故、口呼吸になってしまうのかというと幼少期に硬いものを食べなかったことが挙げられます。

それ以外ではアレルギー性の鼻炎や気道の確保が生まれつき難しいケースによるものもあり、うつぶせ寝や横向き寝が多い場合も口呼吸している方が多いです。
本来、歯並びは舌が歯を押す力と口元の筋肉が歯を締め付ける力でバランスが保たれているものです。

しかし、口呼吸をしていると下顎が常に下がっている状態になるため口元の筋肉が発達せず、舌が歯を押す力のみが働いてしまい反対咬合上顎前突など歯並びの問題が生じてしまいます。
鼻腔の成長にも影響を及ぼしてしまい、鼻腔の発育不足により口蓋が深くなってしまったり喉の奥の気道が狭くなり息苦しさが常に続いている状態になることもあります。

また、口が開いている状態のためウイルスなどが入り込みインフルエンザや風邪はもちろんのこと、口内のトラブルにも繋がることもあるため子供のうちから対応することも必要です。
歯科医院によっては口呼吸の矯正を行っているところもあるため、口呼吸から改善したい方は一度相談してみるのもおすすめです。

歯並びを治療するときの注意点

歯並びを治療するときの注意点

歯並びを治療するときは以下2つに注意する必要があります。

治療について理解する

矯正治療をする際に一番重要なのが治療への理解です。治療内容や注意点、どのくらい治療期間を要するのかなど治療に関する必要最低限の情報は把握しておく必要があります。
担当医から治療を始める際は必ず治療中の注意点なども合わせて説明がされることがほとんどです。
まれに説明されないこともあるため、分からないこと、気になることがある場合はしっかりとその場で聞くことをおすすめします。

悪い習慣も改善する

歯の矯正治療だけで完全に歯並びが治るわけではありません。効率よく矯正治療を行うには患者さんの協力も必要です。
歯並びが悪くなってしまう原因になる習慣を改善することで、治療の効率が上がります。

うつぶせ寝や横向き寝を少しずつ改善したり、頬杖や舌癖、口呼吸を治すなど自分に当てはまる症状を探し、改善する工夫をしましょう。
うつぶせ寝や横向き寝は、を変えるなどの工夫で改善でき実際に矯正治療中の方がその方法を試した結果、うつぶせ寝が改善され矯正治療が上手くいったケースもあります。

また、舌癖や口呼吸に関しては歯科医院によって、口呼吸の矯正治療などを行っている場合もあるため、治療に対応している歯科医院を探すのも1つの手です。

歯並びに影響する習慣の悩みは歯科医に相談

歯並びに影響する習慣の悩みは歯科医に相談

身についてしまった習慣を変えるのは簡単なことではありません。今回紹介した習慣はほとんどが幼少期から身についてしまっている場合が多いです。
このようになかなか改善するのが難しい習慣や試したけど改善できなかったといった場合は歯科医への相談がおすすめです。

また、かかりつけの歯科医がまだ見つかっていないという方やとりあえず相談だけしたいといった方は以下サービスを利用してみて下さい。

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まとめ

まとめ

うつぶせ寝は歯並びだけでなく、あごの発育の妨げや顔の歪み、口呼吸になる原因になってしまいます。
うつぶせや横向きなどは睡眠時だけでなく学生だと机に突っ伏した際に同じ体勢を長時間とることもよくあります。

歯や骨は数十分ほどの間に少し力が加わっただけでも動いてしまうため、うつぶせ寝や横向き寝はできるだけ早く改善する必要があるのです。
特にお子様の場合は、あごの発育時期でもあるためできるだけうつぶせ寝の改善や口呼吸の改善をすることをおすすめします。

口呼吸に関しては口呼吸矯正という治療を行っている歯科医院もあるため、まずは口呼吸を改善したいという方やお子様がいる方はそういった病院への相談がおすすめです。
うつぶせ寝などの寝相は枕を変えるといった工夫をすることで少しずつではありますが、改善することが可能です。歯並び矯正をするにもまずは習慣を改善することから始めましょう。




監修者:銀座青山You矯正歯科グループ 理事長・総院長 青山健一

理事長・総院長 青山健一 1965年 広島県呉市生まれ
1990年 広島大学歯学部卒業
1992年 南青山デンタルクリニック開院
2001年 医療法人社団 健青会 設立
2011年 日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設
2021年 You矯正歯科 池袋西口医院開設
2021年 You矯正歯科 広島紙屋町医院開設(銀座、青山等で9医院開院中)
▼総院長ブログ「幸せってなぁに?」もご覧ください。

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